愛知県南知多町の殺人事件で逮捕 接見禁止決定の解除
愛知県南知多町の殺人事件で逮捕され、接見禁止決定の解除に取り組むケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事件例】
愛知県南知多町に住むAさんは、以前から疎ましく感じていた隣家のVさんが、Aさん宅の玄関前で酔いつぶれて寝ていたため「波にでもさらわれて死んでしまえ。」と思い、Vさんを海岸まで運んで波にさらわれるような場所に放置しておいたところ、Aさんが立ち去った後、Vさんは波にさらわれて溺死しました。
数日後Aさんは愛知県半田警察署の警察官に殺人罪で逮捕・勾留されました。
勾留が決定されたとき接見禁止決定もAさんにつきましたが、Aさんは家族と会いたいと思っています。
(フィクションです)
【殺人罪】
(刑法第199条)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
殺人罪の構成要件は、人を殺すことです。
つまり、故意に他人の生命に対して死の結果を生ぜしめることです。
殺人罪における人とは、「自己以外の生命ある人」のことをさします。
※人の始期と終期
・始期~胎児の体が母体の外から見えた段階
・終期~三徴候説(自発呼吸、心臓の停止および瞳孔散大・対光反射の消失をもって死亡とする説)
脳死説(脳機能が完全に停止して元に戻らない状態を死亡とする説)
とありますが、三徴候説が主に採用されています。
①行為
・人を殺すこと
殺人の故意(殺意)をもって、自然の死期に先立って他人の生命を絶つことです。
・殺意の認定
確定的故意若しくは未必の故意としての殺意を要します。
未必の故意とは、結果の発生そのものが不確実ではあるが可能なものとして認識し、なおかつこれを容認することです。
②方法
殺害の方法に制限はなく、作為(何かをすること)・不作為(何かをしないこと)を問いません。
【刑事事件例について】
Aさんは、玄関前に寝ていたVさんについて、「波にでもさらわれて死んでしまえ。」と思い、わざわざVさんを海岸まで運んで、Vさんが波にさらわれるような位置に放置しています。
この行為は、酔いつぶれていたVさんが波に気づかず溺死するという殺人の結果発生の可能性を認識し、かつ、容認して行われたものですから、Aさんには殺人罪の故意があると考えられるでしょう。
そして、AさんはVさんを波にさらわれるような場所に運んで放置するという行為もしていることから、Aさんは殺人罪の罪責を負うことになると考えられるのです。
【Aさんが早期に家族と会うには】
逮捕された場合、勾留されるまでの72時間は、家族でも本人と接見することはできません。
勾留後は一般的には、警察官による内容のチェックや時間制限等の制約のもとに、面会や手紙のやりとりしかできなくなります。
さらに、裁判所の裁判官によって接見禁止決定がなされると、家族との面会や手紙のやり取りすらも禁止されます。
しかし、弁護士だけは例外です。
逮捕時から弁護士であれば、時間制限を受けず内容をチェックされることなく自由に面会できます。
また、弁護士は、準抗告・抗告、接見禁止決定の解除申し立て、勾留理由開示請求などによりAさんの接見禁止決定を解除し、家族と面会や手紙のやり取りができるように裁判所に働きかけることができます。
早めに弁護士を派遣することで、Aさんと家族を早期に面会させることができるようになる可能性が高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の接見禁止決定の解除を獲得してきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族が殺人罪で逮捕されてしまいお困りの方、接見禁止についてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。