愛知県田原市の承諾殺人事件

2021-08-03

愛知県田原市の承諾殺人事件

愛知県田原市承諾殺人事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは、愛知県田原市内にある公園内において、交際相手のV1さん(40歳)とその子供のV2さん(15歳)から承諾を得て、V1さんとV2さんを刺殺しました。
V1さん・V2さんは当時貧困状態にあり、V1さんはAさんに「私を殺してほしい」、V2さんもAさんに「私もお母さんと一緒に殺してほしい」と言ったといいます。
Aさんは愛知県田原警察署の警察官により承諾殺人罪の容疑で逮捕されました。
(2020年8月5日に日本経済新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【承諾殺人罪とは】

刑法第202条
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。

承諾殺人罪は、刑法202条にいう殺人への「承諾」が死の意味を理解した上でなされた場合にのみ成立します。
例えば、死の意味を理解しない幼児や精神障害者の承諾は無効であり、承諾殺人罪は成立しません。
殺人への承諾が無効である場合は、刑法202条の承諾殺人罪ではなく、刑法199条の殺人罪が成立すると考えられています。

刑事事件例では、V1さん(40歳)とその子供のV2さん(15歳)はAさんによる殺人に承諾しているところ、二人の承諾は死の意味を理解した上でなされた有効なものであると考えられます。

そして、AさんはV1さんとV2さんの承諾を認識して、二人を刺殺しています。

よって、Aさんには承諾殺人罪が成立すると考えられます。

【承諾殺人罪と刑罰】

刑法45条は「確定裁判を経ていない2個以上の罪を併合罪とする」としています。
そして、刑法47条は「併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする」としています。

刑事事件例では、V1さんの生命侵害とV2さんの生命侵害という2つの承諾殺人罪が成立しており、これら2つの承諾殺人罪は併合罪であると考えられます。

そのため、承諾殺人罪の法定刑は6月以上7年以下の懲役又は禁錮ですが、その刑の長期にその2分の1を加えた10年6月が本件刑事事件例における処断刑の長期となります。

このようにして複数の承諾殺人罪が処理された例として、母子ら4人の承諾を得て殺害した承諾殺人事件において懲役8年が言い渡された判決があります(2020年8月5日に日本経済新聞に掲載された福島地裁いわき支部判決を参照ください)。

刑事弁護士としては、刑事裁判において被疑者・被告人の方にとって有利になるような事情を主張し、6月以上10年6月という処断刑の長期内でより被疑者・被告人の方に有利な判決を獲得できるよう裁判対応をしていくことになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
愛知県田原市承諾殺人事件を起こした場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。