愛知県豊田市の強要事件で逮捕
愛知県豊田市の強要事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、タクシーの運転手であるVさんに暴行したとして、愛知県警豊田警察署の警察官により強要罪の容疑で現行犯逮捕されました。
強要事件があったのは愛知県豊田市の路上で、AさんはVさんに殴る蹴るなどの暴行を加えた上、土下座を強いました。
強要事件を引き起こした動機についてAさんは「運転が荒かったので腹が立った」と述べています。
なお、Vさんに怪我はありませんでした。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、愛知県豊田市の刑事事件に対応している法律事務所への法律相談を検討しています。
(フィクションです。)
【強要罪とは】
「暴行を用いて、人に義務のないことを行わせた者」には、強要罪が成立します(刑法223条)。
強要罪の法律に定められた刑(法定刑)は、3年以下の懲役です。
刑法で用いられている「暴行」には、①人の反抗を抑圧するか著しく困難にするに足りる有形力の行使、②人の身体に対する有形力の行使、③人に向けられた有形力の行使、④物に対する有形力の行使の4つの類型があるとされています。
上記の暴行の4つの類型は①から④と数字が大きくなるにつれ「暴行」に含まれる有形力の行使の範囲が大きくなっています。
そして、強要罪における「暴行」は③人に向けられた有形力の行使であると考えられています。
これは、強要罪における「暴行」は、他人を畏怖させて義務のないことを行わせることができる程度のもの、すなわち相手方の自由な意思決定を妨げ、その自由な意思を制約するに足りる程度のものであればよいと考えられているからです。
刑事事件例におけるAさんのVさんに対する殴る蹴るなどの行為は強要罪における「暴行」に該当することになります。
そして、Aさんは、本来Vさんに義務のない土下座をさせています。
これは強要罪における「人に義務のないことを行わせた」に該当します。
以上より、Aさんには強要罪が成立すると考えられます。
【強要罪と暴行罪の関係】
刑法には、強要罪と別に暴行罪が規定されています。
すなわち、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」には、暴行罪が成立します(刑法208条)。
暴行罪の法律に定められた刑(法定刑)は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料です。
上述のように刑法に定められた「暴行」には様々な意味があるところ、暴行罪における「暴行」とは、②人の身体に対する物理力の行使をいうとされています。
暴行罪における「暴行」行為の典型例は殴る、蹴る、突く、押す、投げ飛ばすなど、身体への接触を伴う行為です。
刑事事件例におけるAさんのVさんに対する殴る蹴るなどの行為は暴行罪における「暴行」にも該当すると考えられます。
そして本件刑事事件例ではVさんに傷害が発生していません。
とすれば、Aさんには暴行罪が成立するとも考えられます。
しかし、強要罪も暴行罪もどちらも暴行を手段として犯される犯罪であり、犯罪の行為態様として一見似ていると思えるものです。
果たしてAさんには暴行罪と強要罪の2罪が成立するのでしょうか。
この点、強要罪は、暴行罪の特則として規定されているものです。
そのため、強要罪が成立する限りにおいて、暴行罪が強要罪に吸収される関係にあると考えられています。
したがって、Aさんには強要罪が成立すると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強要罪を犯した方の刑事弁護活動を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
愛知県豊田市の強要事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。

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