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飲酒運転と人身事故
飲酒運転と人身事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市千種区に住むAさんは過去に飲酒運転で検挙され、1回目は罰金30万円の略式命令を受けていました。そして、Aさんはある日、「事故さえ起こさなければ大したことないだろう」と考え、飲酒運転したところ自車を道路脇の電柱に衝突させる自損事故を起こしてしまいました。Aさんは、近くに住む人に110番通報され、駆け付けてた千種警察署に警察官から飲酒運転の疑いで事情を聴かれるなどしました。その結果、Aさんは酒気帯び運転していたことが判明し、道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
~飲酒運転~
飲酒運転と言われる場合、大きく、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」に区分されます。
「酒気帯び運転」とは、血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(軽車両(自転車など)を除く)を運転することをいいます(法65条1項、117条の2の2第1号)。
一方で、「酒酔い運転」は、酒気帯び運転のように数値以上の飲酒を必要としません。
「酒酔い運転」とは、酒気を帯びて車両等を運転した場合で、その運転した場合に酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)にあった場合の運転をいいます(法65条1項、117条の2第1号)。
このことからすれば、例えば、体質的にアルコールの弱い方が、ビールをコップ1杯飲んだことにより、身体に保有するアルコールの量が上記の数値以下であっても、「酒に酔った状態」と判断されれば酒酔い運転となります。
罰則も異なります。
「酒気帯び運転」は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、「酒酔い運転」は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
初犯の飲酒運転の場合は罰金刑で済む場合もあります。
しかし、Aさんのように飲酒運転の前科がある方の場合、再び飲酒運転で検挙されるとほぼ間違いなく正式起訴され、裁判で有罪となれば懲役刑を受ける可能性が高くなるでしょう。
~飲酒運転で人身事故を起こした場合~
飲酒運転をした結果、人身事故を起こした場合、過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪なども問われ、罰則もさらに厳しくなります。
ともに、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」という法律の中で規定され、前者は法律5条に、後者は法律2条に規定されています。
(過失運転致死傷罪)
法律5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
(危険運転致死傷罪)
法律5条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
過失運転致死傷罪の場合、被害者の怪我がよほど軽くないかぎり、正式起訴され懲役刑を受けるでしょう。危険運転致死傷罪の場合、被害者の化外の程度にかかわず正式起訴され、実刑判決の可能性も高くなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、飲酒運転をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。
傷害事件で正当防衛を主張
愛知県岡崎市に住むAさんは、お酒を飲んだ後、一人で駅へと向かっていたところ、すれ違いざまに男性Vさんの肩と軽くぶつかってしまいました。Aさんは酒に酔っていたこともあって、Vさんがわざと自分にぶつかってきたものと思い、Vさんに「なんやこのやろう!」と大声を上げました。すると、Aさんは、「何だって。」などと言いながら近づいてくるVさんに胸ぐらをつかまれたため、Vさんの両肩を両手で押して払いのけた、Vさんを地面に転倒させました。その後、周囲の人がAさんとVさんとの間に割って入り、事が収まりました。AさんとVさんは現場に駆けつけてきた岡崎警察署の警察官に事情を聴かれました。Aさんは警察官に「正当防衛だ。」などと主張しています。Vさんは、病院へ連れていかれ、診断の結果、加療約2週間の傷害と診断されました。
(フィクションです。)
~ 正当防衛 ~
ある行為が犯罪に当たると思われても、その行為に違法性がなければ犯罪は成立しません。この違法性に該当しない事由のことを「違法性阻却事由」といいます。Aさんが主張している「正当防衛」(刑法36条)は違法性阻却事由の一つです。違法性阻却事由は、正当防衛のほかにも緊急避難(刑法37条)、正当行為(刑法35条)があります。
刑法36条
急迫不正の侵害に対して,自己又は他人の権利を防衛するため,やむを得ずにした行為は,罰しない。
今回、Aさんのは、Vさんの両肩を両手で押すという「暴行」を加え、それによってVさんに怪我を負わせているのですからAさんの行為は刑法204条の傷害罪に当たります。しかし、Aさんの行為が上の正当防衛の要件に該当する場合は、傷害罪は成立しません。以下では、正当防衛が成立するための要件についてみていきたいと思います。
「急迫」とは、法益(今回でいえば、Aさんの身体)侵害が現に存在するか、目前に差し迫っていることをいいます。ですから、過去の侵害や将来の侵害に対しては正当防衛は認められません。例えば、相手から足を蹴られ、その侵害が一応去った後、相手を追っかけて相手の顔面を殴ったとしても正当防衛は成立しません。「不正」とは違法であることをいいます。「侵害」とは、法益に対する実害又はその危険を生じさせる行為をいいます。
「権利」とは、法律で「〇〇権」と明文化されているものに限らず、広く法律上保護されている法益をいいます。
「防衛」とは、侵害から法益を守ることをいいます。防衛行為は、侵害者に向けられた行為でなければなりません。例えば、AさんがVさんから刃物で襲われたため、その場にいたWさんを盾にしてWさんに傷害を負わせたという場合、Wさんとの関係で緊急避難(刑法37条)が成立する余地はあっても正当防衛は成立しません。
※防衛の意思(防衛するため)
防衛行為は、自己又は他人の権利を防衛するためのものでなければなりません。そこで、正当防衛が成立するには、防衛行為が防衛の意思に基づくことを要するかが問題となります。この点、判例は必要との立場をとっています(最判昭和46年11月16日など)。ただし、防衛行為は、緊急状況下で行われることが多いと思われますから、防衛の意思の意義を「急迫不正の侵害を認識しつつ、これを避けようとする単純な心理状態」と解する説もあります。
「やむを得ずにした」とは、具体的事情の下において、その防衛行為が、侵害を排除し、又は法益を防衛するために必要かつ相当なものであったことをいいます。防衛行為の相当性ともいわれています。防衛行為の相当性を超えたものが過剰防衛です(刑法36条2項)。防衛行為の相当性は、法益の権衡と防衛行為事態の態様の2つの面から検討し、具体的事情の下で社会的・一般的見地から見て必要かつ相当か否かと判断します。例えば、素手で向かってくる相手に対し、刃物を用いて対抗する場合は相当性を欠く場合が多いでしょうが、体格、腕力等において優勢な者に対して刃物で対抗してもなお相当性が認められる場合もあります。
正当防衛を主張するケースでは、当事者双方から事件当時の出来事を詳細に聴き出した上で、上記要件に当てはまるかどうか判断するという極めて高度な技術と知識が必要となります。正当防衛を適切に主張するなら、刑事事件専門の弁護士に刑事弁護を依頼しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は,まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談,初回接見サービスを受け付けております。
万引きから強盗罪
万引きから強盗罪
万引と強盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市南区に住むAさんは、ギャンブルで消費者金融に手を出したことをきっかけにに借金返済に追われ、お金に困っていました。ある日、Aさんは、名古屋市内のデパートへ立ち寄ったところ、ブランドのバッグを目にしました。Aさんはこれを見て「売ればお金になる」「盗もう」と思い、万引きすることに決めました。そこで、Aさんは、X店の店員が目を離している隙に高級バッグ3点を手に取り、退店しました。そうしたところ、Aさんの行動を見ていた他の店員から「泥棒!」と叫ばれてしまいました。辺りは騒然となりましたが、Aさんは予め確認していた非常階段を使ってデパートの外に出ようとしたところ、警備員Vさんと鉢合わせとなりました。Aさんは高級バッグ3点を手にしていたため、無線で万引「き事案が起きた」との通報を受けていたVさんから、「万引きしましたね。」「事務所まで来ていただけますか。」と言われました。しかし、警察に逮捕されたくなかったAさんは、Aさんの行く手を阻むVさんの腹部を1回、顔面を2回殴った上、Vさんが怯んだ隙に出口から外へ出ようとしましたが、現場に駆け付けた警察官に窃盗罪で逮捕されてしまいました。その後、捜査の結果、Vさんに対する暴行の事実が明らかとなり、Aさんに対する容疑は事後強盗罪へと切り替わりました。
(フィクションです。)
~ 万引きから強盗罪 ~
Aさんの高級バッグを盗む行為は「万引き」と呼ばれ窃盗罪に当たります。
窃盗罪は刑法235条に規定されています。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
しかし、今回、Aさんは万引きした後に、Aさんの逃走を制止しようとしたVさんに暴行を振るっています。
実は、この行為は「強盗罪」に当たる可能性があります。
通常、強盗罪といえば、
・相手にナイフを突きつけて(暴行)物を奪い取る
・相手を脅して(脅迫)物を奪い取る
などというように、物を奪い取る行為に先行して「暴行」又は「脅迫」行為が選考します。
しかし、今回は、まずはじめに物を奪い取る行為(万引き)が行われ、その後に「暴行」を行っています。このように、物を奪い取った後、事後的に「暴行」「脅迫」を行う罪を
事後強盗罪
といいます。
事後強盗罪(刑法238条)も強盗罪(刑法236条)の一種で法定刑は同じです。
刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
刑法238条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
刑法238に規定されているように、事後強盗罪が成立するには「窃盗」を犯したことが必要とされていますが、窃盗の既遂、未遂は問いません。暴行、脅迫の相手方は、窃盗の直接の被害者のみならず、窃盗犯人の逃走を阻止したり、身柄を確保しようとする目撃者、警備員なども含まれます。
~ 怪我をさせた場合、死亡させた場合はさらに重たい罪 ~
万引き→強盗→人に怪我をさせた場合は「強盗致傷罪」、人を死亡させた場合は「強盗致死罪」に問われる可能性があります。
刑法240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
このように、強盗致傷罪、強盗致死傷罪は大変重たい罪です。
万引きも立派な犯罪ですが、それからさらにエスカレートすると、こうした重たい罪に問われかねないということは知っておくべきでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
準強制性交等罪と接見
準強制性交等罪と接見について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市昭和区に住むAさんは(43歳)は、同市内で居酒屋を営む経営者です。Aさんは、ある日、店を休業にして、店の従業員と暑気払いを開き、2時間程度飲み食いした後、お開きとしました。Aさんは、店に一人で残って後片付けなどしていました。Aさんは、従業員は皆、店から出たと思っていましたが、ある個室をのぞいてみると、女性Vさんが顔を真っ赤にした状態で寝ていました。Aさんは、Vさんに声をかけましたが反応がありませんでした。AさんはVさんを介抱しようとしたところ、Vさんが薄着だったことから、Vさんの胸元が開いているのに気づきました。Aさんはそれを見て気分高揚し、Vさんが意識のないうちにVさんと性交しようと考えました。そして、Aさんは、Vさんが着ていたパンツや下着を脱がしてVさんと性交しました。ところが、性交中にVさんが意識を取り戻したため、AさんはVさんに突き飛ばされ、Vさんから「慰謝料払わないと警察に訴えるよ」などと言われました。
(フィクションです)
~準強制性交等罪~
Aさんの行為は準強制性交等罪に当たる可能性があります。
準強制性交等罪は刑法178条2項に規定されていますから,まず,その規定の内容を確認しましょう。
刑法178条2項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心身を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,性交等をした者は,前条の例による。
前条とは刑法177条のことを指します。
刑法177条
13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は,強制性交等の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し,性交等をした者も,同様とする。
「心神喪失」とは,精神の障害によって正常な判断能力を失っている状態をいいます。例えば,熟睡,泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。
「抗拒不能」とは,心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。恐怖,驚愕,錯誤などによって行動の自由を失っている場合などはこれに当たります。
「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。「心神喪失・抗拒不能にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬,睡眠薬の投与・使用,催眠術の施用,欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。
「前条の例よる」の「前条」とは177条のことを指します。「例による」とは,法定刑を177条と同様,「5年以上の有期懲役」とするという意味です。
本件では、まず、Vさんの泥酔の程度が問題となるでしょう。Vさんが泥酔状態だったことが明らかとなれば、Aさんの行為は
人の心神喪失に乗じて性交をした
に当たる可能性が高いといえます。
~弁護士による接見のメリット~
身体拘束された被疑者・被告人は、接見等禁止という決定が出ていない限り、一応、誰とでも面会することができます。
ただし、弁護士以外の者が行う一般面会には種々の制限が設けられています。
以下では、弁護士とそれ以外の者とでどのような違いがあるか見ていきます。
~面会が可能な時期や日時
一般面会は、原則として勾留が決定した後でなければできません。
また、日時や時間は、平日の朝から夕方まで(12:00~13:00を除く)で、1日1回15分程度です。
これに対し、弁護士接見は逮捕直後から可能で、曜日も時間も制限されません。
~立会人の要否
一般面会には警察官が立ち会います。
一方、弁護士接見では立会人はいませんから、基本的に何でも話すことができます。
たとえば、今後の弁護活動に関わる余罪の有無や内容についても、警察署の職員がいないことで心置きなく話せるでしょう。
~面会の場所
身柄を拘束された被疑者・被告人は、基本的に警察署の留置施設にいますが、必要に応じて検察庁へ行くことがあります。
その場合、検察庁や裁判所内での一般面会は許されていないため、面会をすることはできません。
これに対し、弁護士接見は、検察庁でも可能です。
警察署での面会に比べると自由が制限されていますが、それでも捜査や裁判の直前あるいは直後にアドバイスを受けられる点で有益と言えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件に詳しい弁護士が、逮捕された方が少しでも安心できるよう必要に応じて接見を行います。
ご家族などが準強制性交等罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
少年事件の釈放後
子どもが逮捕後釈放されたら安心なのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市名東区に住むAさん(16歳)は痴漢事件を起こしたとして名東警察署に現行犯逮捕されてしまいました。しかし、その後、Aさんの母Bさんが名東警察署に身元引受人として迎えに行ったことから、Aさんは勾留されることなく釈放され、その日のうちに帰宅することを許されました。Bさんは、Aさんが逮捕直後に釈放されたことから、今後、Aさんが警察や検察から呼出しを受けることはないと考えています。
(フィクションです。)
~愛知県の痴漢~
痴漢行為によって成立する犯罪は、その多くが各都道府県の定める迷惑防止条例違反か強制わいせつ罪(刑法第176条)のいずれかです。
愛知県迷惑行為防止条例では、第6条において「何人も、公共の場所又は公共の乗物(…)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。」とし、その第1号において「人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(…)の上から触れること」としています。
「触れ」ることが迷惑防止条例違反の要件になりますので、胸やしりなどを撫でまわしたり揉んだりしていなくても、被害者が羞恥心や不安を覚える方法で身体に触れていれば、たとえば他人の身体に手などを押し付ける行為も痴漢として処罰されます。
愛知県における法定刑は、通常の場合1年以下の懲役または100万円以下の罰金で、常習の場合ですと2年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
他方、強制わいせつ罪を定める条文は「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする」となっています。
強制わいせつ罪におけるわいせつな行為とは、たとえば陰部・乳房・尻・太もも等に触れたりもてあそんだりする行為、裸にして写真を撮る行為、無理矢理キスしようとする行為などが考えられます。
加えて、被害者に行為者自身の性器等に触れさせる行為も、わいせつな行為に含まれると考えられます。
また、強制わいせつ罪における暴行・脅迫は、被害者の反抗を著しく困難にする程度に強いものでなければならないというのが有識者の多数説です。
ただ、実際のところ、痴漢被害にあっていることを周囲に知られたくなかったり、より悪質な行為をされないかという恐怖心などから反抗できない心理状態が比較的容易に形成されることも事実です。
このことから、裁判においては、様々な事情を考慮して反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫があったと比較的容易に認定される場合が少なくありません。
上記のいずれが適用されるかという点は、具体的な痴漢行為の内容に左右されます。
一般的には、衣服の上から被害者の陰部やしり、もも、胸を触ったり揉んだりした場合は迷惑防止条例違反として扱われる場合が多いです。
一方で下着の中に手を入れるなどして直接陰部を触った場合は強制わいせつ罪になる場合が多くなります。
これらは飽くまで一般的な傾向に過ぎず、衣服の上から触った場合でもその態様などがかなり悪質性の高いものであれば強制わいせつ罪に問われる可能性もあります。
~逮捕から家庭裁判所送致まで~
警察に逮捕されると、少年であっても警察の留置場(留置施設)に収容されます。
逮捕後の流れは、
①逮捕
↓
②警察官による弁解録取→釈放
↓
③送致(送検)
↓
④検察官による弁解録取→釈放
↓
⑤検察官による「勾留請求」OR「勾留に代わる観護措置請求」
↓
⑥勾留質問→釈放
↓
⑦裁判官による「勾留決定」OR「勾留に代わる観護措置決定」
という手続を踏みます(なお、この間、不服申し立て等により釈放を早めることも可能です)。
①から⑦まで概ね3日間を要します。
なお、②の段階、③の段階、⑥の段階で釈放されることがあり、Aさんは④あるいは⑥の段階で釈放されています。
なお、⑦勾留決定があった場合は、逮捕された際に収容された留置場へ収容されるでしょう。
⑦勾留に代わる観護措置決定があった場合は指定された少年鑑別所へ収容されます。
勾留の期間は、検察官の勾留請求があった日から「10日間」で、その後、やむを得ない事由がある場合は最大「10日間」延長されることがあります。
観護措置の期間も請求の日から「10日間」ですが、延長は認められていません。
拘束された少年は上記の期間内に警察や検察の捜査を受け、事件を⑤家庭裁判所へ送致される手続を取られます。
~釈放されても安心はできない~
お子さんが逮捕されてしまったら、大きく混乱し、不安に思われる親御さんが多いでしょう。
だからこそ、その後、釈放されたとなればその時点で安心してしまい「これで事件は終わった」と考えてしまうことも無理はありません。
もっとも、釈放されたからといって事件が終わったということではなく、安心はできません。
逮捕直後に釈放された場合でも、その後、警察、検察庁から呼出しを受け、出頭して取調べを受ける必要があります。
捜査が終わった後は、事件が家庭裁判所へ送致され、家庭調査官の調査などを経た上で、少年審判を受けなければならない可能性もあります。
少年審判では、基本的に、保護観察、少年院送致などの保護処分が下されます。
保護処分を受けた後は、処分に応じた対応が必要となります。
このように、釈放されたら事件は終わりではないということは肝に銘じておくべきでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
強盗罪と自首
強盗罪と自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市天白区に住むAさんは,ある日の夜中,人通りの少ない路上を歩いていたVさんの背後から,Vさんに対し,左手に持っていた刃物を突き付け,「金を出せ,騒ぐと殺すぞ」などと言いました。Aさんはそのまま刃物を突き付けながら,Vさんから現金2万円入りの財布を右手で受け取り,その場から逃走しました。その後、Aさんは逮捕が怖くなって自首しようかどうか悩んでいます。
(フィクションです)
~ 強盗罪 ~
強盗罪は刑法236条に規定されています。
刑法236条
1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は,強盗の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。
2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,前項と同様とする。
一般に,「暴行」とは人の身体に対する有形力の行使,「脅迫」とは人に畏怖させるに足りる害悪の告知のことをいいますが,強盗罪の「暴行」「脅迫」の程度は,
相手方の反抗を抑圧する程度
に強いものでなければならないとされています。そして,程度であるか否かは,
・犯行の時刻・場所その他周囲の状況
・凶器使用の有無
・凶器の形状性質
・凶器の用い方など犯行の手段方法
・犯人,相手方の性別,年齢,体力
などを総合的に考慮して判断されます。
「強取」とは,上記の「暴行」「脅迫」により,相手方の反抗を抑圧して財物を自己又は第三者に移すことをいいます。
通常は,犯人が被害者自身から直接財物を奪取することが多いと思いますが,必ずしもその必要はなく,反抗を抑圧された被害者から交付を受けてもよいとされています。
~自首とは~
一般に、罪を犯した者が、捜査機関に犯罪、犯人が発覚する前に、自ら捜査機関へ出向くことを自首、出頭といいます。
このうち、自首については刑法に明文の規定があります。
ここで言う「自首」とは、捜査機関に自らの犯罪事実を申告し、その処分を委ねる意思表示を指します。
自首は任意的減軽事由として考慮されます。
つまり、裁判官が量刑を判断するにあたり、裁量で刑の減軽をするかしないか、減軽するとしてどの程度減軽するか決めることができるということです。
自首による刑の減軽を目指すに当たっては、ぜひとも留意しておくべき点が1つあります。
それは、事件が知られていないか、事件の被疑者が特定されていない状態で捜査機関へ出向かなければ「自首」として扱われないということです。
たとえば、被疑者が誰か分かっているものの居場所が掴めないというケースでは、被疑者が特定できている以上「自首」にはならないと考えられます。
ただし、この場合であっても、自ら捜査機関へ出向くことが反省の態度を示す一事情として量刑上考慮されることはあります。
単に自首すればOKという話ではないことは肝に銘じておくべきでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、強盗罪をはじめとする刑事事件、少年事件専門の法律事務所です。刑事事件、少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。
盗撮事件で前科を回避するためには
盗撮事件で前科を回避したい場合を弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
愛知県津島市に住む会社員のAさん(34歳)は、駅構内のエスカレーターで、前に座っていた女性のスカート内を盗撮したとして、迷惑行為防止条例違反で現行犯逮捕されました。そこで、逮捕の通知を受けたAさんの妻Bさんは、弁護士XにAさんとの接見を依頼しました。その後、弁護士Xから接見の報告を受けたBさんは、弁護士報酬が高いことに驚きその場で契約はしませんでした。ところが、Aさんは検察庁へ送検される前に釈放され、「在宅」被疑者として捜査を受けることになりました。AさんとBさんは話し合った結果、接見を依頼した弁護士に刑事弁護を依頼することに決めました。
(フィクションです。)
~盗撮が見つかってしまったら~
盗撮をして見つかってしまった場合、その場で警察に通報され、警察署で事情を聞かれることが多いでしょう。
このような場合に、その場から逃げようとせずに警察の指示に素直にしたがえば、逮捕されずにその日の内に釈放されるということもあります。
しかし、逃げようとしてしまうと、逃亡・証拠隠滅のおそれが高いと判断され、逮捕・勾留といった身柄拘束に繋がってしまう可能性が高くなります。
その為、盗撮が見つかってしまった場合には逃げようとせずに素直に警察の指示にしたがう事が身柄拘束をされないためには重要となります。
~盗撮の場合の刑事手続き~
警察に盗撮で逮捕された後は警察の留置場に収容されます。
その後、警察官の弁解録取という、あなたから事件についての弁解を聴く手続を受けます(実質は取調べと同じです)。
この後、釈放されることもあります。
釈放されない場合は、逮捕のときから48時間以内に検察庁へ事件と身柄を送致(送検)されます。
検察庁でも同じく弁解録取の手続を受けます。この後、釈放されることもあります。
釈放されない場合は、被疑者を受け取ったときから24時間以内に勾留請求の手続が取られます。
勾留請求されると今度は、裁判官による勾留質問の手続を受けます。ここでも事件のことについて聴かれます。この後釈放されることもあります。釈放されない場合は、勾留請求が許可された、つまり勾留決定が出たと考えて間違いありません。
最終的には警察官から勾留状という令状を示されます。勾留状には被疑者がどんな事実のどんな罪で勾留されるかなどが記載されています。
最初の勾留期間は、検察官が勾留請求をした日から10日間です。その後、「やむを得ない事由」がある場合は、最大10日間期間を延長されます。
~盗撮の場合の示談交渉~
盗撮事件では示談を成立させることが出来れば不起訴処分を獲得できる可能性が高いです。
もっとも、盗撮をした本人が被害者の方と直接示談をするのはほぼ不可能でしょう。
というのも、盗撮の場合、そもそも加害者と被害者の面識がない場合が多く、被害者とコンタクトをつけることすら難しいからです。
また、仮に何らかの方法で連絡が取れたとしても、盗撮などの被害者は不信感や恐怖心などにより会ってくれないことが多いでしょう。
逆に加害者が直接連絡を取ることで、却って被害者の方を怒らせてしまう可能性もあります。
他方で、刑事事件の弁護の依頼を受けた弁護士であれば、検察官から被害者の方の連絡先を取り次いでいただき連絡を取れる場合が多いです。
被害者の方も弁護士が相手であれば話を聞いてみようと考えて頂けることが多いようです。
被害者の方に話を聞いていただき示談を成立させることができれば今回のAさんのケースのような盗撮事件では不起訴処分となる可能性が高いでしょう。
また、示談を断られてしまった場合でも示談を試みたということは若干ではありますが有利な情状として扱ってもらえる場合もあります。
不起訴となれば前科がつくこともありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、盗撮をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。お気軽にご相談ください。
脅迫罪と弁護活動
脅迫罪と弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市守山区の自営業者Aさんは、仲の悪い同僚に腹を立て「お前、殺すぞ」と言ってしまいました。以前にも同様のことを言われており、身体への危険を感じたVさんは、守山警察署に通報し、被害届を出しました。後日、Aさん宅にの守山警察署の警察官が訪れ、Aさんは脅迫罪の容疑で逮捕されました。Aさん逮捕に驚いたAさんの奥さんは、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
~ 脅迫罪 ~
脅迫罪は刑法222条に規定されています。
1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫したものは、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
害悪の告知は、一般に人を畏怖させる程度のものでなければなりません。
ただし、本罪は危険犯と言われ、人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知があれば足り、それによって現実に相手方が畏怖したことは必要ではないと解されています。
また、害悪を告知する方法には制限がありません。その程度に達しているかどうかは、その内容を四囲の状況に照らして判断すべきとされています。しかし、これが真意にでたこと(本当に家を焼き払う気があったか、など)、相手が現実に畏怖したことなどを必要とするものではありません。
害悪告知の手段には制限はありません。直接言葉で伝えることはもとより、文書の掲示、郵送、最近では、事例のようにメール送信の他、SNS・ブログなどネット上への投稿で脅迫罪に問われた例もあります。
なお、脅迫罪に似た犯罪ととして強要罪があります。
脅迫罪は人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知があれば成立します。他方、強要罪は脅迫行為等の結果として、相手方に義務なきことを行わせ、又は行うべき権利を妨害したことで成立するという点に違いがあります。また、強要罪の法定刑は3年以下の懲役と、脅迫罪と異なり罰金刑が設けられていないことも大きな違いです。
~脅迫罪と弁護活動~
脅迫罪に対する弁護活動は、被疑者が罪を認めるのか否認するのかで大きく変わります。
罪を認める場合、被害者への謝罪や示談の締結、再発防止のための取組みを主張し、不起訴処分や執行猶予、軽い罪を獲得するよう動きます。
他方、脅迫行為を否認する場合、脅迫電話や文章、メール等の客観的証拠の有無を争います。
また、捜査機関の取調べにおいて、不当な自白をしないよう対処したり、被害者の供述の矛盾や変化を私的するなど活動します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、脅迫罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
性感染で傷害
性感染と傷害について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市緑区に住むAさんは出会い系サイトで知り合ったVさん(当時20歳)と市内のホテルで性交に及びました。その際、Aさんは自身がHIVに感染していましたが、1回の性交で感染させることはないだろうと考え、Vさんには隠していました。後日、Vさんはエイズを発症し、Aさんを告訴しました。告訴を受けた緑警察署はAさんを取調べることにしました。
(フィクションです)
~傷害罪~
刑法第204条は「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処す」と規定しています。
傷害と聞くと、ナイフなどで人を傷つけたり、殴って怪我をさせたりといったことを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
傷害罪にいう傷害とは、人の生理的機能に障害を与えることをいいます。
つまり、殴ったりするなどして人を傷つけずとも、病気にかからせたりした場合には傷害罪が成立し得るということです。
また、傷害罪は暴行罪(刑法第208条)の結果的加重犯としての性質も有しています。
結果的加重犯とは、基本となる犯罪(基本犯)から重い結果(加重結果)が生じたときに成立する犯罪です。
例えば、強盗致死傷罪(刑法第240条)、強制性交等致死傷罪(刑法第181条第2項)などがあります。
これらでは強盗罪(刑法第236条)や強制性交等罪(刑法第177条)が基本犯で、これらの犯罪の機会に人に死傷結果が生じた場合に強盗致死傷罪や強制性交等致死傷罪が成立するということになります。
強盗罪と強制性交等罪の法定刑が5年以上20年以下の懲役であるのに対して、強盗致傷罪と強制性交等致死傷罪の法定刑は無期または6年以上20年以下の懲役で、強盗致死罪に至っては死刑または無期懲役とかなり重い刑が設定されています。
原則として、過失犯を除いて犯罪が成立するためには故意が必要とされます。
しかし、結果的加重犯については、基本犯の故意のみが要求されているにすぎず、加重結果が生じたことについて故意は必要とされません。
傷害罪については、暴行の故意しかないにもかかわらず、傷害結果が生じた場合は傷害罪が成立しうるということになります。
さらに言えば、傷害罪の結果的加重犯である傷害致死罪(刑法第205条)と暴行罪は二重の結果的加重犯の関係になり、暴行の故意のみで行った暴行で人が死亡した場合は傷害致死罪が成立する可能性があるということにもなります。
ちなみに、暴行罪の法定刑は2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料で、傷害致死罪の法定刑は3年以上20年以下の懲役です。
~傷害と示談~
傷害罪で被害者と示談したいという方にとって、一番関心が高いのは
示談金いったいはいくらかかるのか(示談金の相場は)?
慰謝料はいくらかかるのか(慰謝料の相場は)?
ということではないでしょうか?
まず、前提として慰謝料は示談金の一部であるということです。
示談金は正確には「損害賠償金」のことであり、慰謝料はその損害賠償金の一部です。
暴行・傷害行為は民法上の不法行為に当たり、加害者は暴行・傷害行為によって被害者に生じさせた「損害」を賠償する義務を負います(民法709条)。
この損害については「身体的損害」と「精神的損害」に分けることができます。
身体的損害は、治療費などの積極損害から休業損害などの消極損害まで様々です。
他方、精神的損害に当たるのが慰謝料というわけです。
なお、示談金(損害賠償金)の相場というものはありません。
なぜなら、示談金は傷害事件で現れた諸情状により変動するからです。
「情状」には
・被害者の怪我の程度
・被害者の処罰感情
・犯行態様(武器使用か否か)
・犯行に至るまでの経緯、動機(計画的か偶発的か)
などがありますが、このうち傷害罪で最も重要視されるのは「被害者の怪我の程度」です。
なぜなら、被害者の怪我の程度が重たければ重たいほど、上記でご紹介した治療費、休業損害、慰謝料も大きくなり、結果として損害賠償金(示談金)も大きくなるからです。
示談とは被害者側との話し合いです。
しかし、傷害罪の場合、加害者が示談交渉に乗り出しても、ほとんどの場合、被害者は示談交渉のテーブルには乗ってくれないでしょう。
また、どこまでの損害を賠償をするのか被害者側とよく話し合わなければなりません。
それには大変な知識と経験が必要ですし、労力・時間もかかります。
傷害罪で示談をご検討中の方は傷害罪に詳しい弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
強制わいせつと示談
強制わいせつと示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
愛知県東海市に住むAさんは、妻の不倫に始まるトラブルによって離婚調停中です。どうしても妻を許すことができないAさんは、妻に対して復讐したいと考えるようになりました。
Aさんは婚姻関係の継続を望む妻を「話しがしたい」と市内のホテルの一室に呼び出しました。Aさんは部屋に入ってきた妻を押し倒し無理矢理衣服を脱がせて、上半身が露出した状態の姿を撮影しました。後日、妻が警察に相談したことをきっかけにAさんは強制わいせつの容疑で東海警察署で取調べを受けることになりました。
(フィクションです)
~強制わいせつ罪~
強制わいせつ罪については、刑法第176条に規定があります。
刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪におけるわいせつな行為とは、被害者の意思に反して身体的内密領域を侵害し、そのことによって被害者の性的羞恥心を害し、かつ一般人でも性的羞恥心を害されるであろうとされる行為のことをいいます。
具体的には、陰部・乳房・尻・太もも等に触れたりもてあそんだりする行為、裸にして写真を撮る行為、無理矢理キスしようとする行為などが挙げられます。
加えて、被害者に行為者自身の性器等に触れさせる行為もわいせつな行為に含まれます。
着衣の上から尻や乳房等を撫でまわしたりする行為は、各都道府県の迷惑防止条例違反として取り締まられていますが、その程度や執拗さ等によってはより重い強制わいせつ罪の適用も考えられます。
これらの行為の被害者は、女性のみならず男性もなり得ます。
また、加害者にも限定はありません。
被害者が13歳以上であった場合、わいせつな行為をする手段として暴行・脅迫がなければ強制わいせつ罪は成立しません。
強制わいせつ罪の成立に必要な暴行・脅迫は、被害者の反抗を著しく困難にする程度に強いものでなければなりません。
従来、強制わいせつ罪について判例は「犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図」(最判昭和45・1・29刑集24巻1号1頁)がなければ成立しないものとしていました。
この見解によると、今回のAさんのように専ら報復や侮辱の目的で女性を裸にして写真撮影する行為については強制わいせつ罪は成立しないことになります。
しかし、2017年に判例変更がなされ、これによれば必ずしも性的意図が必要ではなく、その行為が客観的に見て明らかに性的な意味の強いものであれば、行為者自身に性的意図がなくても強制わいせつ罪の成立に影響がないこととされました(最大判平成29・11・29刑集71巻9号467頁)。
したがって、現在では撮影行為であってもその内容が客観的に見て明らかに性的な意味の強いものであれば復讐や侮辱目的であっても強制わいせつ罪に問われる可能性があることになります。
~強制わいせつと示談~
強制わいせつ事件など被害者がいる刑事事件では、早期の示談成立が早期の事件解決につながります。
強制わいせつ罪は「6月以上10年以下の懲役」と罰金刑の規定もない比較的重い罪となっていますが、示談を締結することができれば、今回の事例のように事件化を防ぐことができるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所で示談交渉に慣れた弁護士が所属しています。
被害者との示談成立をご希望の方は、ぜひ弊所に一度ご相談ください。
示談締結によるメリットは以下のとおりです。
一つ目に、刑事事件化を防止できたり、不起訴処分につながることです。
被害者が警察に届け出る前に示談を成立させることができれば、事件が刑事事件化することを防止することができます。
また、仮に、本件のように被害届を提出された後でも、検察官による刑事処分前に示談を成立させることができれば不起訴処分を獲得できる可能性は高くなります。
二つ目に、減刑や執行猶予につながることです。
示談締結は、起訴された後の刑事裁判の段階でも被告人に有利な事情として働きます。
示談が成立している場合、懲役刑の刑期が短くなったり、執行猶予がついたりします。
三つ目に、釈放・保釈につながることです。
示談が成立している場合、多くの場合、当事者間では事件を終わらせたいという合意が成立していることを意味します。
そのため、その時点で身柄拘束の要件である被疑者・被告人が逃亡や証拠隠滅を図るおそれはないと判断されやすいのです。
四つ目に、民事裁判の防止なども実現できることです。
将来、被害者の損害賠償請求権の行使を禁止する条項を示談条項に加えることもできます、
今回みてきたように、示談にはさまざまなメリットがあります。
しかし、被害を受けた方と示談を締結することは簡単ではありませんので、示談交渉については専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。また、示談交渉は知識、経験が重要になってきますので、示談交渉の経験も豊富な刑事事件専門の弁護士に依頼することが後悔のない事件解決への最善策であるといえるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
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