Archive for the ‘刑事事件’ Category

清須市の礼拝所不敬罪なら

2019-05-14

清須市の礼拝所不敬罪なら

~ケース~

清須市在住の塗装会社に勤めるAさんは,ある日仕事でミスをしてしまい上司に叱責された。
深夜の帰宅途中,Aさんは仕事のミスを責められたことに怒りが込み上げてきた。
Aさんは八つ当たりとして,道の脇に祀られていた地蔵に,持っていた仕事道具の塗料で落書きをした。
後日,通行車のドライブレコーダーに落書きしているAさんの姿が写っていたため、Aさんは愛知県警察西枇杷島警察署において、礼拝所不敬罪の容疑で取り調べを受けることになった。
(フィクションです)

~Aさんに成立する罪~で

◇器物損壊罪◇

Aさんは地蔵に落書きをしていますので少なくとも器物損壊罪(刑法261条)が成立しそうです。
器物損壊罪の法定刑は3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料となっています。
なお器物損壊罪は親告罪となっていますので所有者による告訴が必要となります。

◇礼拝所不敬罪◇

また,Aさんは地蔵に落書きをしているため、礼拝所不敬罪(刑法188条)に問われる可能性もあります。
礼拝所不敬罪の条文は以下のとおりです

第188条
1項 神祠,仏堂,墓所その他の礼拝所に対し,公然と不敬な行為をした者は、6月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。
2項 説教,礼拝又は葬式を妨害した者は,1年以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。

神祠とは,神道において神を祀った施設のことです。
仏堂とは,仏教における寺院などの礼拝の施設のことです。
墓所とは,人の遺体・遺骨を埋葬・安置して,死者を祭祀・記念する場所とされており墓地などが代表的です。
その他の礼拝所とは,神道や仏教以外の宗教の礼拝所であり,キリスト教の教会やイスラム教のモスクなどが代表的です。
また,保護法益は宗教的敬虔感情とされていますので,宗教とは関係のない施設であっても,宗教的感情から崇拝の対象となっている場所は礼拝所に該当するという見解もあります。
この見解によると,例えば,沖縄のひめゆりの塔や広島の原爆死没者慰霊碑などは国民の宗教的感情から崇拝されていますので礼拝所に該当します。
なお,礼拝所に対する不敬行為を罰する趣旨から,礼拝の対象となっていない,社務所や寺院の宿舎などは対象となっていません。

さて,今回Aさんは地蔵に対して落書きをしていますが礼拝所不敬罪となるのでしょうか。
地蔵は正確には地蔵菩薩という仏教の信仰対象の菩薩の一尊です。
また,日本では仏教的観点のみならず民間信仰で道祖神として広く親しまれています。
また地蔵と共に祠なども一緒に建てられていることも多く,礼拝所であるとみなされる可能性が高いでしょう。

不敬な行為とは例えば,お寺の本堂で本尊である仏像や教会でキリスト像,マリア像等に対して中指を立てるといった行為などをいいます。
また,礼拝所を破壊する行為も当然,礼拝所に対する不敬な行為といえるでしょう。
Aさんは深夜に落書きをしており,人目もなかったので「公然と」不敬な行為をしていないと思われるかもしれません。
しかし,地蔵に対する落書きは朝になっても残りますのでそれを見た人たちの宗教的感情が害されることになります。
したがって,Aさんの落書き行為は礼拝所不敬罪に当たるといえるでしょう。

~礼拝所不敬罪における弁護活動~

礼拝所不敬罪は6月以下の懲役または10万円以下の罰金と比較的刑罰が軽く,前科等がなければ起訴された場合でも罰金刑となることが多いでしょう。
ただし,今回のAさんのように破壊を伴う礼拝所不敬罪の場合には器物損壊罪も成立してしまいます。
器物損壊罪は被害弁償など示談を成立させることによって告訴の取下げや告訴をしないことを約束してもらえる場合も多くあります。
今回のようなケースでも,地蔵の設置者(所有者)と思われる町内会や市区町村などと示談ができれば器物損壊罪については問われない可能性もあります。
しかし,礼拝所などの器物損壊の場合,宗教的感情から示談に応じてもらえない場合や被害弁償などは受け取るが刑事告訴は取り下げないという場合もあります。
その場合でも,示談が成立していれば示談書などを検察官や裁判所に提出することで量刑などに有利な情状となります。
その為、まずは弁護士にご相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
さまざまな刑事事件での示談経験の豊富な弁護士が多数所属しております。
礼拝所不敬罪やそれに伴う器物損壊罪などに問われお困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料法律相談のご予約を24時間受付けています。
愛知県警察西枇杷島警察署の初回接見費用 35,700円)

証人等威迫罪で不起訴処分なら

2019-05-12

証人等威迫罪で不起訴処分なら

~ケース~

Aさんは,家族であるBさんが被告人である刑事裁判の傍聴に行ったところ,Vさんが証人尋問でBさんにとって不利な証言をしているところを見た。
それを聞いたAさんは、Bさんが有罪になってしまうのではないかと心配になり、偶然裁判所内で見かけたVさんに声を掛け,強い口調でBさんにとって不利な証言を止めるよう申し向けた。
後日,Vさんが愛知県警察小牧警察署に被害届を提出したため,Aさんは証人等威迫罪の容疑で愛知県警察小牧警察署で取調べを受けることになった。
今度は自分が罪に問われてしまうことになるのかと不安になったAさんは,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に相談することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~証人等威迫罪とは~

証人等威迫罪は,「自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し,当該事件に関して,正当な理由がないのに面会を強請し,又は強談威迫の行為をした場合」に成立する犯罪です。
これは,いわゆる「お礼参り」を防止するために,刑事事件の証人や参考人等に対する面会強請,強談威迫の行為を処罰して,刑事司法の適正な運用を確保しようとするとともに,証人等の私生活の平穏ないし自由という個人的法益の保護をも図ることを目的として創設された犯罪です。
証人等威迫罪の法定刑は,1年以下の懲役又は20万円以下の罰金と定められています。

証人等威迫罪の対象は、自己または他人の刑事事件の捜査・審判に必要な知識を有すると認められる者とその親族です。
まず、証人等威迫罪では、証拠隠滅等罪では自己の刑事事件に関する証拠は対象にならないのとは異なり、自己の刑事事件に関しても対象となります。
また、証人等威迫罪において、民事事件については対象外で、刑事事件が対象になることについては、証拠隠滅等罪と同様です。
そして、捜査開始前であっても、「刑事事件」に含まれます。
次に、「捜査・審判に必要な知識を有する」とは、犯罪の成否・量刑事情・証拠発見に役立つ知識・鑑定に必要な知識を有することをいいます。
そして、証人等威迫罪は抽象的危険犯とされておいます。
従って、実際に証人等威迫罪に当たるような為が行われれば、相手方が面会に応じたり、証言を翻したりせずとも、犯罪として成立します。
 
上記のケースでは、証人として出廷しているVさんに対して、Bさんにとって不利な証言をしないよう迫っているため、実際にVさんが証言を翻していなくとも証人等威迫罪が成立する可能雄性が高いです。

~不起訴処分獲得に向けた弁護活動~

上記のケースのように、証人等威迫罪の成立に争いのない場合,刑事事件化阻止や不起訴処分を目指すためには、弁護士を通じて被害者への被害弁償及び示談交渉を行うことが急務となります。
仮に、被害届が捜査機関に提出される前に被害者に対して被害を弁償して示談を成立させることができれば,捜査機関未介入のまま前科をつけずに事件を解決できる可能性があります。

また,警察等の捜査機関が介入した場合でも,証人等威迫事件については被害総額が大きくなく,また同種前科がなければ被害者との示談成立により起訴猶予といった不起訴処分を目指すことも可能です。
もし,裁判になってしまった場合でも,被害者との間で被害弁償及び示談を成立させていたり,犯行態様が悪質でないこと,組織性や計画性な弱いといったような事実があれば,これを適切に主張することによって,大幅な減刑や執行猶予付き判決を目指すこともできます。
本件でも,証人等威迫罪が起訴される前に,刑事弁護に優れた能力を持つ弁護士に対して示談交渉などの弁護活動をお任せするべきでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に強い弁護士が多数在籍しております,
不起訴処分獲得や刑事事件化阻止へ向けた刑事弁護活動も多数承っております。
証人等威迫罪に問われてお困りの方、不起訴処分を目指される方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
(愛知県警察小牧警察署への初回接見費用 39,600円)

捜査の流れ(検挙、逮捕)

2019-05-04

捜査の流れ(検挙、逮捕)

~捜査の端緒~

刑事警察の主要な任務は捜査にあります。
捜査とは基本的には裁判の準備作業と言えるでしょう。
そして,この捜査という作業を始めるきっかけのことを捜査の端緒といいます。
捜査の端緒としては,被害者の届出,第三者の届出,告訴・告発,職務質問,取調べ,現認・被害発見,自首などがあります。
この中でも被害者の届出が圧倒的に多く,9割程度が被害者の届出となっています。
また,警備会社などの第三者による届出も増加傾向にあります。
一方で,告訴・告発は1%もなく,取調べの際に余罪が判明するという場合も数%程度,職務質問によるものが5%程度であり,自首は非常に少なく0.01%程度です。

~捜査の実行~

捜査の主な目的は狭義の証拠収集・確保と被疑者の特定となっています。
証拠収集の具体例としては,交通事故があった場合にブレーキ痕の写真を撮る,自動車の塗料の破片を探す,付近の聞き込みによって目撃者を探すなどが考えられます。
また,被疑者は裁判の当事者になりますので,捜査が裁判の準備作業である以上,裁判の当事者である被疑者を特定することは裁判を開始する上で必須となります。

~検挙と逮捕~

警察による捜査において,検挙逮捕という言葉は明確に区別されています。
検挙とは捜査機関である警察が犯罪事実を認識し,行為者を特定し,被疑者とすることをいいます。
検挙逮捕というイメージを持たれるかもしれませんが,検挙された後も逮捕されずに在宅での捜査となる場合の方が多くなっています。

~逮捕の種類~

日本国憲法33条は「何人も,現行犯として逮捕される場合を除いては,権限を有する司法官憲が発し,且つ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ,逮捕されない。」と規定されています。
緊急逮捕という例外はありますが,裁判所の発付する逮捕状がなければ現行犯でなければ逮捕されません。
現行犯とは「現に罪を行い,または現に罪を行い終わった者」(刑事訴訟法第212条1項)をいいます。
現行犯逮捕の場合,誤認逮捕のおそれが少ないこと,及び逮捕の必要性・緊急性から逮捕状は不要とされています。
なお,「現に罪を行い・・・」という規定ですので犯罪が特定されている必要があります。
警察官の職務質問のように何らかの犯罪に関係していると疑われるからといって現行犯逮捕することはできません。

また,刑事訴訟法第212条2項では一定の条件に当てはまる場合は罪を行い終わってから間がないと明らかに認められる場合には現行犯人とみなすとしており,準現行犯と呼ばれます。
具体的には,犯人として追呼されている場合,犯罪に使用された凶器などを所持している場合,身体や衣服などに血痕など犯罪の顕著な証拠がある場合,誰何されて逃走しようとする場合になります。
ただし,現行犯の場合と同じく犯罪が特定されている必要があります。
現行犯および準現行犯は何人でも,すなわち一般私人にも逮捕権があります(刑事訴訟法第213条)。

なお,「30万円以下の罰金,拘留又は科料に当たる罪」は軽微な事件であるとして、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限り現行犯逮捕が可能となっています(刑事訴訟法第217条)。
軽微な事件の現行犯逮捕が問題となるケースはあまりありませんが,軽犯罪法違反の場合に問題となることもあります。
特に,「覗き」行為については軽犯罪法や都道府県の定める迷惑防止条例に規定がありますが,行為様態や場所によっては軽犯罪法違反に留まる場合もあります。
その場合,軽犯罪法違反は軽微な事件ですので現行犯逮捕できないことになります。

次回は通常逮捕と緊急逮捕逮捕後の手続きの流れを説明していきたいと思います。

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愛知県警察中警察署の初回接見費用 35,600円)

捜査の流れ(逮捕、勾留)

2019-05-03

捜査の流れ(逮捕、勾留)

~通常逮捕と緊急逮捕~

逮捕状による逮捕は通常逮捕と呼ばれています。
逮捕状は検察官や司法警察員が裁判所に請求することによって発付されます。
裁判官は逮捕の理由があれば,明らかに逮捕の必要がない場合を除き,逮捕状を発付しなければなりません。
実体的な要件は,逮捕の理由と必要性の存在です。
逮捕の理由とは,罪を犯したと疑うに足りる相当な理由(相当の嫌疑)が存在していることです。
逮捕の必要性とは,逃亡または罪証隠滅のおそれがあることをいい,被疑者の年齢・境遇,犯罪の軽重などから判断されます。
なお,軽微な事件については被疑者が定まった住居を有しない場合,または正当な理由なく出頭の求めに応じない場合に限って逮捕することができます。

緊急逮捕は「死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由」があり,「急速を要し,裁判官の逮捕状を求めることができない」場合に逮捕状の発付を待たずに被疑者に理由を告げて逮捕するものです。
具体的には,指名手配犯などを発見した場合には,その場で逮捕しなければ逃げられてしまう可能性が高く,裁判所に逮捕状を請求している時間はありませんので,緊急逮捕をすることになります。
緊急逮捕の場合,直ちに裁判官に逮捕状を求める手続きをしなければならず,逮捕状が発付されない場合にはただちに釈放しなければなりません。

~逮捕後の手続き~

警察が被疑者を逮捕した場合には48時間以内に釈放もしくは書類及び証拠物とともに検察官に送致する必要があります。
送致を受けた検察官は送致を受けてから原則,24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求するか釈放する必要があります。

そして、勾留を決定する前に被疑者に弁解を与える手続きがあり,これを勾留質問といいます。
裁判官は,被疑者に対して被疑事実を告げ,これに関する陳述を聞いて,勾留の可否を判断します。

裁判官は,勾留の要件が満たされているかどうかを判断し,要件が満たされていると判断した場合には,勾留状を発付し,検察官がこれを執行します。
一方,勾留の要件が満たされていないと判断した場合には,勾留状を発付せず,ただちに被疑者の釈放を命じなければいけません。
勾留の要件とは勾留の理由と勾留の必要性をいいます。
勾留の理由とは,被疑者に相当の嫌疑があり,刑事訴訟法第60条1項各号に掲げる,①被疑者が住居不定である,②被疑者に罪証隠滅のおそれがある,③被疑者に逃亡のおそれがある,のいずれかに該当することです。
勾留の必要性とは,起訴の可能性,捜査の進展状況,被疑者の年齢や健康状態等から判断した勾留の相当性をいいます。

そして、勾留決定がなされた場合、被疑者の勾留期間は,原則として勾留の請求をした日から10日間となっています。
被疑者の利益を考え,初日を算入し,末日が休日であっても期間に算入されます。
この期間内に公訴を提起(起訴)しない場合には,検察官はただちに被疑者を釈放しなければいけません。
ただし,やむを得ない事情がある場合に裁判官は,検察官の請求により,10日を超えない限度で勾留期間を延長することができます。

仮に、勾留決定が出てしまったとしても、勾留の決定に対しては準抗告を申し立てることができます(刑事訴訟法第429条)。
勾留決定に対する準抗告が認容されると勾留が取り消されますので被疑者は釈放されます。

次回は逮捕および勾留されなかった場合の手続,不起訴処分,起訴後の手続きについて解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
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愛知県警察来た警察署の初回接見費用 36,000円)

名古屋市千種区で詐欺罪なら

2019-05-02

名古屋市千種区で詐欺罪なら

~ケース~

名古屋市千種区在住のAさんは、銀行員を名乗り,「新しい元号になったので現在使用しているキャッシュカードが使えなくなる。切替えの手続が必要だ。身体の不自由な高齢者の方の代わりに手続きをする」と一人暮らしの高齢者を対象に電話をかけていた。
一人暮らしで脚の悪いVさんはAさんの言葉を信じ,Aさんにキャッシュカード,通帳,印鑑を渡した。
Aさんは受け取った通帳および印鑑を使い、Vさんの口座から預金を引き出した。
数日経っても,キャッシュカード等が返って来ないので不審に思ったVさんは、詐欺だったのではなかと思い愛知県警察千種警察署に相談した。
後日、銀行の防犯カメラの映像などから、Aさんは詐欺罪の疑いで愛知県警察千種警察署に逮捕された。
警察からAさんが逮捕されたと連絡を受けたAさんの両親は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~詐欺罪の要件~

詐欺罪は刑法246条に「人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。」と定められています。
詐欺罪の詳しい構成要件としては,行為者の欺罔行為・錯誤行為によって,相手方が錯誤に陥り,錯誤に陥った相手方がその意思に基づいて処分行為をし,財物や財産上の利益が行為者ないし第三者に移転することです。
これらの間に因果関係が認められ,行為者に行為時において故意および不法領得の意思があったと認められることが、詐欺罪の成立には必要です。

平成から令和に元号が変わり,それに目を付けた詐欺事件が発生する可能性があります。
銀行のキャッシュカードなどは特に有効期限等は定められていませんので元号が変わるからといって使えなくなることはありませんので騙されないように注意してください。
また,クレジットカードには有効期限が設定されていますが,こちらも元号が変わるからといって原則,新しいクレジットカード等へ切り替えが必要ということはありません。

~詐欺罪における身柄解放活動~

今回のケースにおいて、Aさんに詐欺罪が成立することには争いはないでしょう。
現行犯でない通常逮捕の場合,逮捕状が発付されますが,逮捕状が発布されるためには、逃亡・罪証隠滅のおそれがあるという逮捕の必要性が要求されます。
逮捕段階において逃亡・罪証隠滅のおそれがあると判断された場合、その後事情の変化がない限り、引き続き勾留の必要性もあると判断される場合が多いでしょう。
逮捕後,勾留されてしまった場合には勾留延長を含めると最長で23日間身柄拘束をされることになります。
長期に渡る身柄拘束は、被疑者にとって過酷なものとなりますので、依頼を受けた弁護士はまず身柄解放に向けて活動をするケースが多いです。
逮捕直後であれば検察官に勾留請求しないように意見書を提出したり,勾留されてしまった場合には勾留に対する準抗告を申し立てます。
これらが認められれば依頼者の身柄は解放されることになります。

また,詐欺罪の法定刑10年以下の懲役のみですので起訴された場合には刑事裁判が開かれることになります。
詐欺罪の場合,被害金額や被害者の人数にもよりますが,前科がなく被害者の方と示談が成立しているれば起訴猶予の不起訴処分となることもあります。
そのため,被害者の方と示談交渉をすることは非常に重要となってきます。

勾留後,起訴されて被告人として引き続き勾留されてしまった場合には保釈請求をすることによって身柄解放を目指します。
保釈請求は勾留に対する準抗告に比べて認められる場合が多くなっています。

また,示談が成立していれば刑事裁判においても有利な情状証拠として提出することができ,詐欺罪の場合でも執行猶予付きの判決となる可能性が高くなります。
ただし、示談交渉をご自身で行うことは困難なことが多く,場合によっては話をする機会すらもらえない場合があります。
その点,弁護士であれば検察官などから被害者の方の同意のもと,連絡先を取り次いでもらい示談交渉ができる場合が多くあります。
また,被害者の方も,弁護士が相手であれば安心して示談交渉に応じていただける場合が多いようです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
詐欺罪に問われて逮捕・捜査されてしまいお困り,お悩みの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
警察署等での初回接見・事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
愛知県警察千種警察署の初回接見費用 35,200円)

職務強要罪で不起訴処分獲得

2019-04-28

職務強要罪で不起訴処分獲得

~ケース~

名古屋市昭和区在住のAさんは、課税処分の手続きでA宅を訪れた名古屋市税務署の職員に対して,「断ったら帰さない」と脅迫して、Aさんにとって有利な課税上の取扱いを強要した。
後日,Aさんは上記行為について職務強要罪の疑いで愛知県警察昭和警察署にて取り調べるため,出頭要請を受けた。
Aさんとしては,sくまで冗談で脅迫したつもりはなかったが,結果的に悪い行為を行ってしまい反省している。
今後どのような刑事処分を受けることになるのか心配になったAさんは,警察署での取調べに対してアドバイスをもらえないかと,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所を訪れ,弁護士に初回無料相談をした。
(事実を基にしたフィクションです)

~職務強要罪とは~

職務強要罪については,刑法第95条2項において、「公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。」と規定されています。
職務強要罪の法定刑は、公務執行妨害罪と同じく,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金と,決して軽いものではありません。

職務強要罪は、公務員に対し、一定の処分をさせるため、一定の処分をさせないため、辞職させるためという目的があることが必要(目的犯)です。
ただし、職務強要罪の成立には、結果としてその目的が達成されたことは必要ありません。
つまり、職務強要罪の場合、結果として失敗しても未遂犯ではなく既遂犯が成立します。

また、職務強要罪の目的にある「処分」については、公務員が職務上できる行為を広く含むものと考えられています。
判例では、その公務員の職務権限外の行為であっても、公務員の職務に関係する行為であれば、それを強要する目的があれば、職務強要罪が成立するものと解されています。

~不起訴処分獲得に向けた弁護活動~

上記のケースのように,職務強要罪に該当する行為を行ったからといって,必ず刑事裁判にかけられてしまうわけではありません。
例えば,不起訴処分を獲得することが出来れば,職務強要罪に該当する行為を行ったとしても刑事裁判にかけられることなく事件を終了させることができます。

ここで、不起訴処分とは,被疑者をいかに処分するかを決める権限を有する検察官が,法廷で裁判を受けなくてもよいとの判断をした決定のことをいいます。
もし、不起訴処分が下されると刑事裁判が開かれることなく事件が終了することになりますので,刑事罰が科されることがない,つまり前科は付かないことになります。

このような不起訴処分を獲得するためには,刑事事件について被疑者を不起訴処分にするのが相当であるという主張を検察官にしていくことが重要となります。
こうした活動のためには,事件を吟味し的確にどのような主張をすべきか判断することが求められますので,まずは刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士刑事事件のみを日頃受任しておりますので,不起訴処分獲得のための刑事弁護活動も多数承っております。

弊所ではこれらの弁護士による初回無料法律相談を行っております。

ご予約の際はフリーダイヤル(0120-631-881)にて、専門スタッフがご案内させていただきます。

職務強要罪に問われてお困りの方、今後の刑事処分の見通しについて心配な方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。
愛知県警察昭和警察署への初回接見費用 36,200円)

覚せい剤取締法違反で保護観察

2019-04-21

覚せい剤取締法違反で少年事件なら

~ケース~

名古屋市西区在住のAさんは,覚せい剤を使用したとして愛知県警察西警察署の警察官に覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕された。
今回の逮捕の際に押収された薬物が相当の量あったため,厳しい判決も予想された。
しかし,Aさんについていた刑事事件に強い弁護士による弁護活動の結果,Aさんは保護観察付きの執行猶予付き判決を獲得することができ,ただちに刑務所に行かずに済んだ。
その後、Aさんは保護観察について,弁護士の目から見て特に注意しておくべき点などについて話を聞いた。
(事実を基にしたフィクションです)

~保護観察とは~

保護観察とは,犯罪をした人又は非行のある少年が,実社会の中でその健全な一員として更生するように,国の責任において指導監督及び補導援護を行うことをいいます。
保護観察にも類型があり、保護観察処分少年,少年院仮退院者,仮釈放者,保護観察付執行猶予者及び婦人補導院仮退院者の計5種の人が保護観察の対象になります。
(法務省HP参照)

そして、保護観察を行う趣旨は,保護観察官や保護司の方が,保護観察の間,遵守事項を遵守するように対象者の指導・監督を行うなどして,対象者の改善・更生を図ることです。

上記のケースのAさんのように,保護観察付執行猶予者の場合は,その執行猶予の期間が保護観察の期間になります。

保護観察においては,指導の一環として,薬物使用の犯罪的傾向を改善するため,体系化された手順による専門的なプログラムも行われています。
例えば,刑の一部の執行猶予制度の施工に伴い平成28年6月から実施されている「薬物再乱用防止プログラム」があります。
その中では、改善の対象となる犯罪的傾向の範囲を,覚せい剤の使用・所持から,依存性薬物の使用・所持に拡大し,それらの再乱用を防止するため,ワークブックを用いるなどして行う教育課程と、簡易薬物検出検査を合わせて行うこととしています。
他にも,全国の保護観察所において,「覚せい剤事犯対象者」の累計認定者や薬物依存のある保護観察対象者等の引受人・家族等の関係者に対する講習会や座談会等を内容とした引受人会・家族会が実施されています。
さらに、社会生活に適応させるための必要な生活指導を,薬物依存症リハビリテーション施設等に対して薬物依存回復訓練を委託して実施したりもしています。

このように、保護観察は犯罪を犯した人や少年に対して更生を促すためにも、重要な役割を担う制度です。

~保護観察中の遵守事項~

保護観察中,保護観察対象者には必ず守らなければならないルール「遵守事項」が課されます。
保護観察官や保護司が対象者を指導監督するときには,まず,この遵守事項に違反していないかどうかを確認します。

仮に、保護観察対象者が遵守事項を守らなかった場合、保護観察官から面接調査などが行われ,違反に対する措置が検討されます。
場合によっては,保護観察官が身柄を拘束し,刑務所や少年院に収容するための手続をとることがありますので、注意が必要です。

こうした保護観察の内容については,被告人や少年本人の更生に向けて具体的な法的アドバイスも併せてできる刑事事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士刑事事件少年事件のみ日頃受任しておりますので,覚せい剤取締法違反といった刑事弁護活動も多数承っております。
覚せい剤取締法違反に問われてお困りの方、実刑は少年院送致ではなく保護観察処分を目指したいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。
愛知県警察西警察署への初回接見費用 36,100円)

器物損壊罪で刑事事件化阻止なら

2019-04-18

器物損壊罪で刑事事件化阻止なら

~ケース~

友人ら複数名と名古屋市名東区内のレストランで飲食をしていたAさんは、酒に酔って気が大きくなり、仲間内で口論となった。
友人の一人から馬鹿にされたことに激高したAさんは、テーブルの上にに置いてあった花瓶を床に叩きつけ、割ってしまった。
Aさんらが騒いでいることに気付いた店長Vがすぐに駆け付け、Aさんらの仲裁に入った。
その後、花瓶が割れていることに気付いたVさんは、Aさんらの連絡先を聞いた上で、警察に被害届を出すかどうかはAさんら次第だと伝え、Aさんらに退転するよう求めた。
店を出たAさんらは、割ってしまった花瓶がいくらのものか見当もつかなかったし、当事者同士での話し合いはもしかしたら悪い方向に流れてしまうのではないかと不安に思った。
そこで、Aさんらは刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に初回無料相談をすることにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~親告罪とは~

器物損壊罪については、刑法第261条において、「…他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と規定されています。
上記のケースにおいて、Aさんは名古屋市名東区内のレストラン店舗内の花瓶を、叩きつけて割るという行為によって損壊していますので、この器物損壊罪が成立します。

ただし、花瓶を壊したからといってAさんは直ちに器物損壊罪罪に問われるわけではありません。
その理由として、器物損壊罪は親告罪であるからです。
親告罪とは、告訴権者による告訴がなければ、検察官は事件を起訴することができないという制度です。
上記のケースにおいて、Aさんによる器物損壊行為について、Vさんからはまだ捜査機関に対して告訴が出されておりません。
その為、告訴が出されていない現状では、Aさんによる器物損壊について、検察官は起訴することはできません。

~刑事事件化阻止に向けた弁護活動~

器物損壊罪のような親告罪において、告訴がされていない段階においては、少しでも早く弁護士に示談交渉を行ってもらうことをおすすめします。
適切な内容での示談をまとめ上げることにより、被害者に対して真摯に謝罪と被害弁償を行い、被害者の方からは告訴を出さないことについて約束をしていただくことが出来れば、警察から捜査を受けることなく、当事者同士で事件を解決することが期待できます。
仮に、告訴が出されてしまった場合であっても、示談交渉次第で、告訴の取消しをしてもらうことも十分に期待できます。
上記のケースのように、器物損壊罪の成立について争いがない場合、弁護士に依頼して、示談交渉をまとめ上げることによって、穏便に当事者同士で事件を解決することを期待することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、日頃刑事事件のみを受任しておりますので,器物損壊罪についての刑事弁護活動も多数承っております。
また、器物損壊罪のような親告罪についても、示談交渉により刑事事件化阻止、あるいは不起訴処分の獲得となったケースも数多くあります。
名古屋市名東区で警察に届けられる前に刑事事件を解決したいとお考えの方、またはご家族の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談下さい。

0120-631-881にて、24時間365日、初回接見サービスや初回無料相談の予約を受け付けております。
初回接見サービスや初回無料相談に関してご不明点がありましたら、相談予約担当の者がお答えさせて頂きますので、まずはお気軽にお電話下さい。
愛知県警察名東警察署への初回接見費用 37,100円)

穂積市の銃刀法違反事件

2019-04-17

穂積市の銃刀法違反事件

~ケース~

穂積市在住のAさんは、日頃から自家用車のトランク内に包丁を保管していた。
ある日、コンビニの駐車場の車内で休憩していたところ、岐阜県警察北方警察署の警察官2名に職務質問され、銃刀法違反の疑いで任意同行された。
そして、また後日呼び出しをすることを警察官から言われた。
今後どうなるのか不安に思ったAさんは、銃刀法違反事件で検索したところヒットした弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士へ初回無料相談することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~銃刀法違反に問われたら~

銃刀法は、正式な法律名を銃砲刀剣類所持等取締法と言います。
上記のケースのAさんの場合、問題となるのは、銃刀法の22条です。
銃刀法第22では、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない」と規定されています。
仮にこれに違反した場合、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられることとなります。

次に、銃刀法22条に違反して刑罰を受ける場合、上記の法定刑の範囲内で現実的にどのような刑罰が科されるかが問題となります。
銃刀法22条に違反した場合、その刑罰の軽重は
①刃体の長さ
②所持していたときの状況
③過去の前科前歴
等によって、変動はありますが判断されます。
例えば、包丁のような場合、罰金10万円又は20万円といったこところが多いようです。

ただし、上記の条文から読み取れるように「正当な理由」があれば、銃刀法違反の罪に問われることはありません。
例えば、たった今包丁をスーパーで買ってきたばかりであったり、料理人として業務上必要な為所持していたような場合は、正当な理由があるといえます。

~捜査への対応方法~

上記のケースのように、銃刀法違反事件が発覚するのは、警察官による職務質問が端緒となることが多いです。
警察官から職務質問を受けた際、慌てて証拠隠滅を図ったり、警察官に暴行を加えたりすれば、状況をさらに悪化させてしまったり、公務執行妨害罪に問われてしまう恐れもあるため、注意が必要です。

仮に、職務質問を受けることになった場合、まずは落ち着いて対応し、弁護士に相談できる状況になったら、速やかに刑事事件に強い法律事務所にご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、日頃刑事事件のみを受任しております。
その為、銃刀法違反事件に関しても安心してご相談ください。
また、上記のケースのように、警察から呼び出しを受けたという場合は、どのような取り調べを受けるのか、またどのように対応すべきなのか等、不安も大きいと思います。
そんな時は、弊所では朝9時から無料相談の予約を入れることが可能ですので、警察署で取調べを受ける前に弁護士と話をしておくということも可能です。
初回無料法律相談のご予約や、初回接見サービスのお申し込みは、24時間いつでも可能です(0120‐631‐881)。
銃刀法違反に問われてお困りの方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談下さい。
初回相談は無料ですのでお気軽にご相談ください。
岐阜県警察北方警察署への初回接見費用 43,500円)

愛知県迷惑行為防止条例⑧(迷惑ビラ)

2019-04-11

愛知県迷惑行為防止条例⑧(迷惑ビラ)

~迷惑行為防止条例~

迷惑行為防止条例とは各都道府県が定めている条例です。
都道府県によっては「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」という場合もありますが,近年,迷惑行為防止条例に名称が変更されている都道府県も多いです。
愛知県は改正条例が平成31年1月1日に施行され,名称も愛知県迷惑行為防止条例となりました。
愛知県迷惑行為防止条例は全21条から構成され,その内,第2条から第9条までが規制される行為を定めています。
今回は第8条およびその他の規則を解説していきます。
(以上は前回と同様)

~迷惑ビラ等の配布行為等の禁止~

第8条 何人も,公共の場所において,不特定の者に対し,次の各号のいずれかに該当する写真,絵又は文言を掲載し,かつ,電話番号その他の連絡先を記載したビラ等(以下「迷惑ビラ等」という。)を配布してはならない。
一 人の性的好奇心をそそる,衣服を脱いだ人の姿態の写真又は絵
二 人の性的好奇心をそそる,水着,制服等を着用した人の姿態の写真又は絵であつて,人の性的好奇心に応じて人に接触する役務又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなして飲食をさせる役務(卑わい行為を伴うものに限る。次号において同じ。)の提供を表すもの
三 人の性的好奇心に応じて人に接触する役務又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなして飲食をさせる役務を提供することを表す文言
四 前条第一項第六号に規定する役務又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす役務(卑わい行為を伴うものに限る。)に従事する者の募集を表す文言
2 何人も,公衆電話ボックス内,公衆便所内その他公衆が出入りすることができる建築物内又は公衆の見やすい屋外の場所に,迷惑ビラ等をはり付けその他の方法により掲示し,又は配置してはならない。
3 何人も,正当な理由なく,人の住居,店舗,事務所その他の建築物に迷惑ビラ等を配り,又は差し入れてはならない。
4 何人も,前三項のいずれかに該当する行為をする目的で,迷惑ビラ等を所持してはならない。

この条文はいわゆるピンクチラシ,ピンクビラの配布等を規制しています。
ピンクビラは昔,公衆電話ボックスや駅構内の便所などに多く貼られていました(もちろん愛知県迷惑行為防止条例違反です)。
現在では携帯電話の発達により公衆電話を使う機会が少なくなり,また公衆電話ボックス自体が少なくなったこと,駅構内の便所などの見回り等の強化により,街中でピンクビラをみかけることは少なくなりました。

また,風俗店やキャバクラなどがチラシを配布する行為もこの規定により禁止されています。
ただ,この規定の規制対象は「ビラ等」のため,店舗前に看板などを立てる行為は規制されていません。
ただし,愛知県迷惑行為防止条例で規制されていないといっても,看板の内容によっては刑法のわいせつ物陳列罪に問われる可能性もあります。

~再発防止命令~

第10条と第11条は7条2項および3項(客引き行為,4月2日のコラムを参照)についての再発防止命令を規定しています。
第10条では第7条2項および3項に違反する行為をしてはならない旨命令を出すことができると規定されており,効力は最初の午前6時までとなります。
第11条では反復して7条2項および3項の違反する行為をするおそれがあると認める場合には6か月を超えない範囲で違反してはならないと命ずることができると規定されています。
第12条では第7条1項違反および第8条違反の場合に,事業者に再発防止のために必要な措置を指示することが出来ます。
第13条は事業者が第12条の規定に違反した場合,従業員などが第7条,第8条に違反した場合に6か月を超えない範囲で事業停止の命令を出すことができると定めています。
また,第11条および第13条による命令を出す場合には,聴聞を行わなければならないと第14条で定められています。

今回で愛知県迷惑行為防止条例の解説は終了となります。
愛知県迷惑行為防止条例違反となる行為は痴漢や盗撮が多いですが,それ以外にも愛知県迷惑行為防止条例違反となってしまう場合もあります。
愛知県迷惑行為防止条例違反に問われてしまった場合,お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
0120-631-881で警察署などでの初回接見・事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
(初回法律相談:無料)

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