犬山市の軽犯罪法違反(虚偽通報)なら

2019-09-07

犬山市の軽犯罪法違反(虚偽通報)なら

~ケース~

犬山市在住の大学4年生Aさんは、就職活動のストレスを嘘の110番をすることで解消していた。
愛知県警察犬山警察署は,虚偽の110番が多いことを受け犯人捜しに躍起になっていた。
そんな中,Aさんが虚偽の110番通報をしていることが発覚しAさんは愛知県警察犬山警察署で事情を聞かれることになった。
(フィクションです)

~虚偽の通報~

虚偽の110番通報はどのような罪に問われるのでしょうか。
まず虚偽の通報そのものが明示的に規定されているのは軽犯罪法1条16号があり,条文は以下の様になっています。

軽犯罪法第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
16.虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者

各都道府県警は当然公務員であり,110番を受けるのも警察官すなわち公務員なります。
そのため,嘘の110番は原則,虚構の犯罪を公務員に申し出たことになりますので軽犯罪法違反となります。
なお軽犯罪法の罰則は科料または拘留と法定刑が最も軽くなっています。
科料は1000円以上1万円未満の金銭を強制的に徴収する財産刑で,拘留は1日以上30日未満刑事施設に収容する自由刑で労務作業は課せられません。
なお,金額が徴収する1万円以上の場合は「罰金」,収容する期間が1カ月以上の場合には「禁錮」となります。
法定刑として拘留が選択されることはほぼなく,基本的に科料が選択されます(2018年では科料が1,834件に対し拘留は1件のみ)。
科料は最大でも9000円(実際にはそのような運用はされず9000円が最高と思われます)を納入すれば刑の執行は終了となります。
金額としては大したものではないですが,検察庁保管の前科調書に記載されますので前科となってしまうので,可能であれば回避したいところです。
なお,科料は検察から市区町村への通知はなく,市町村役場の犯罪人名簿には記載されません。

~業務妨害~

虚偽の通報により警察官が出動した場合,それによって警察の正常な業務が妨害されたとして業務妨害罪(233条および234条)となる場合もあり,罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
平成14年9月5日横浜地方裁判所の判決では海上保安庁に対する虚偽通報が偽計業務妨害にあたると判示されています。
また,平成21年3月21日東京高等裁判所の判決では,インターネット掲示板に対する虚偽の書き込みに対し,徒労の出動および警戒を余儀なくされたとして偽計業務妨害罪の成立を認めています。
裁判所は徒労の出動をさせる目的で虚構の通報をし,実際に徒労の出動があった場合に業務妨害罪の成立を認める傾向があるように考えられます。
なお,消防署に虚偽の火災発生の通報をした場合には消防法44条に30万円以下の罰金または拘留という軽犯罪法1条16号よりも重い法定刑が別に規定されています。

~弁護活動~

公務員に対する虚偽通報は少なくとも軽犯罪法1条16号を構成します。
一方で,裁判例から考えると業務妨害罪が成立するためには徒労となる出動などが必要であると思われます。
また,業務妨害について軽犯罪法1条31号「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」にとどまるのは,業務妨害罪が成立しないような違法性の低い場合に限ると解されています。
したがって,弁護士は依頼者から具体的な通報内容などを聞き取り,業務妨害罪が成立するのか,軽犯罪法違反にとどまるかを検討します。
軽犯罪法違反にとどまると考えられる場合には意見書などを検察官に提出し,寛大な処分,すなわち起訴猶予を求めていきます。
また,起訴する場合にも業務妨害罪ではなく軽犯罪法違反にとどめるように働きかけていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
110番などにいたずら通報をし,発覚してしまったというような場合には0120-631-881までご相談ください。
具体的な事情から事件の見通しなどを事務所で無料にて相談を承っています。