Archive for the ‘財産犯・経済事件’ Category
置引きと逮捕回避
置引きと逮捕回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
愛知県春日井市に住むAさんは、スーパーマーケットのトイレ内に忘れてあった財布から現金を盗み取りました。Aさんは現場からすぐに立ち去りましたが、警察に発覚するのではないかと不安な日々を過ごしています。Aさんは逮捕を回避することはできないかと考え、弁護士に相談することにしました
(フィクションです。)
~置引きはどんな罪に当たる?~
置引きとは、置いてある他人の財物を持ち去る行為をいいます。
置引きは、「万引き」や「車上狙い」などと同様、窃盗の手口の一部です。
置引きは窃盗罪(刑法235条)あるいは占有離脱物横領罪(刑法254条)に当たります。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
窃盗罪と占有離脱物横領罪では法定刑に大きな開きがありますから、内を基準に両者の適用が区別されるのか気になるところではにあでしょうか?この点、両者を区別するポイントは
被害者の財物(本件ではバッグ)に対する支配が及んでいるかどうか
という点につきます。支配が及んでいる場合にその財物を奪えば窃盗罪、支配が及んでいない場合にその財物を奪えば占有離脱物横領罪が適用されます。
そして、被害者の支配が及んでいるかどうかは、
・財物の特性
・被害者の支配の意思の強弱
・被害者が置き忘れた場所から取り戻しに行くまでの時間、距離関係
などを総合考慮して決められます。
本件では、Vさんのすぐ横にバッグが置かれていたということですから、Vさんのバッグ(やその中身)に対する支配は及んでいるといえるでしょう。したがって、これを持ち去る行為は窃盗罪に当たります(本件では、Vさんが酔いつぶれて意識を失っていた点は考慮する必要はないでしょう。)
~逮捕を回避するには~
確実に逮捕されない方法はありませんが、逮捕される可能性を大きく下げる方法はあります。
= 被害者と示談する =
被害者と示談することができれば、被害者が警察に被害届を提出しない可能性が高まります。また、可能であれば、示談書に「被害届」を提出しない旨の条項を盛り込みましょう。警察に被害届が提出されなければ、警察があなたが援助交際をした事実を認知することはなく、捜査に動きだすことはありません。したがって、逮捕を回避することができます。なお、示談交渉を円滑に進めるためには刑事事件における示談交渉に慣れた弁護士に任せましょう。
= 警察に出頭(自首)する =
警察に出頭(自首)すれば、捜査機関側から「捜査に協力的な人間だ」と思われ、事件は在宅のまま、つまり逮捕されないまま捜査が進められる可能性が高まります。出頭(自首)の際には、身元引受人等の上申書を提出するなどして逮捕回避に努めなければなりません。また、出頭(自首)するといっても様々な不安が出てきますから、そのような場合は弁護士からアドバイスをもらい、不安であれば弁護士に付き添ってもらいましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間体制で、無料法律相談・初回接見の予約を受け付けております。
万引きと早期釈放
万引きと早期釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
愛知県犬山市在住のAさんは、同市内のコンビニで、万引きをする意思で菓子類を数点ポケットの中に入れました。そして、Aさんがコンビニを出ようとしたとき、店員に止められ、Aさんのポケットに菓子類がはいっていることが発覚しました。その後、店員の通報により駆け付けた犬山警察署の警察官によって、Aさんは窃盗罪の曜日で現行犯逮捕されました。Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの家族は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)
~窃盗罪はいつ成立するのか~
窃盗罪については、刑法第235条において、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
条文の通り、窃盗罪は「他人の財物を窃取」すれば成立しますが、どの時点で「財物を窃取」したと言えるのでしょうか。
上記のケースでは、Aさんは菓子類をポケットの中に入れただけで、偽の外には出ていない為、財物を窃取したと言えるのかどうかが問題となります。
この点、窃盗罪は財物を自己の支配内に入れた時点で成立すると考えられています。
上記のケースで言えば、ポケットの中に物を入れた場合、ポケットの中に入れている時間や、ポケットの中に入れる際の行為態様によっても変わってきますが、その人の支配下に置かれていると評価される可能性があります。
また、Aさんは店の外に出ようとしたところを止められていますので、例えまだ店外に出ていなかったとしても窃盗罪に問われる可能性が高いです。
~事件の早期解決のために~
上記のケースのAさんのように、現行犯逮捕された場合、一定期間身柄を捜査機関に拘束されることになります。
逮捕後、72時間以内に勾留されるかどうかの判断がなされ、仮に勾留されるとなった場合、最短で10日間、延長されれば追加で10日間身柄拘束を受けることになります。
仮に、逮捕や勾留といった身体拘束を受けてしまった場合、長期間仕事や学校に行くことが出来なくなってしまうため、被疑者の方に負担が大きいのはもちろんのこと、その家族の方にとっても大きな負担になります。
また、さらに刑事手続きが進み、起訴されてしまうと今度は裁判が行われることになりますので、被告人や家族の負担はどんどん大きくなってしまいます。
その為、被疑者の方の負担を少しでも減らすため、事件の早期解決を目指すことが重要ですし、そのために弁護士の果たす役割は大きいです。
刑事事件の早期解決の手段の1つには、不起訴処分の獲得があります。
不起訴処分となるために有効な弁護活動としては、被害者の方に謝罪をし、示談交渉を行うこと。また、再犯防止のための措置を具体的に用意することなどが考えられます。
上記のような弁護活動を通して、弁護士は検察官に被疑者の方が反省していること、被害の回復や処罰感情が減退していることを主張し、で不起訴処分の獲得を目指します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が多数在籍しております。その為、弊所の弁護士は刑事事件における示談交渉も多数経験しております。万引き(窃盗)事件で、不起訴処分の獲得をご希望の方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。無料法律相談や初回接見サービスのご予約は、0120-631-881で365日24時間承っております。まずはお気軽にお電話下さい。
詐欺罪で示談なら
詐欺罪で示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市内の企業に勤めるAさんは、一宮市を中心にサプリメントの営業を行っていました。AさんはV薬局に売り込みに行った際、実際にはそのような効果はないにも関わらず売り上げを伸ばしたい一心で「疲労回復に効く」と偽って商品の説明をしました。Vさんは、疲労回復の効果があるという点に魅力を感じ、値段も手頃だったことからサプリメントを購入しました。その後、Aさんの説明が嘘だと知ったVさんは、中村警察署に被害届を提出し、Aさんは詐欺罪の容疑で任意での取り調べを受けました。何とか不起訴処分と思ったAさんは、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)
~詐欺罪が成立するためには~
詐欺罪については、刑法第246条1項において、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と規定されています。
刑法246条
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 (略)
詐欺罪は、客観的には、
①欺罔行為(騙す行為)→②錯誤→③錯誤に基づく処分行為による財物の移転(交付行為)→④財産上の損害
の一連の流れがあり、主観的には、
犯人の①~④までの「故意(認識)」
が必要ということになります。
本件では、Aさんが、疲労回復の効果がないものの「疲労回復に効く」と偽る行為が①欺罔行為に当たります。そして、Aさんの欺罔行為により、Vさんは「疲労回復に効く」という点に魅力を感じてサプリメントを購入していますので②錯誤があったといえ、その錯誤に基づきAさんにお金を手渡していますから④財産上の損害もあるといえます。そして、Aさんがこの一連の流れにつき認識している場合には、故意があるといえ、Aさんには詐欺罪が成立すると考えられます。
~不起訴処分獲得には示談が重要~
詐欺罪は罰金刑が規定されていませんので,起訴された場合には公判が開かれることになります。
上記のようなケースの場合,公判になったとしても前科や余罪がなければ執行猶予付きの判決となるケースも多いです。
ただし,執行猶予といえども前科となりますし,執行猶予期間中に交通事故を起こしてしまった場合などに執行猶予が取り消され実刑となってしまうなどといった不利益があります。
したがって,まずは不起訴処分を目指すことが重要となります。
そして、詐欺事件において不起訴処分を目指すうえで重要となるのは、被害者との間で示談が出来ているかどうかです。
示談を締結することで、詐欺行為によって与えた被害をきちんと弁償し、被害者の処罰感情が和らいでいることを検察官に主張することが出来れば、不起訴処分の可能性を高めることに繋がります。
ただし,示談交渉を本人が行うのは非常に難しく,知人間の事件でもなければ連絡先などもわかりません。
弁護士であれば検察官などから連絡先を取り次いで頂き示談交渉をすることが可能です。
まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。
万引きと弁護活動
万引きと弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
Aさんは名古屋市天白区にあるコンビニでお酒など計2000円分の商品を万引きしました。不審な動きを見せるAさんに店員が声をかけたことで事件が発覚し、Aさんは警察に通報されてしまいました。この際、Aさんは逃走を試みたことを理由に天白警察署に逮捕され、取調べを受けることになりました。
(フィクションです)
~万引き~
万引きは警察による認知件数が多い犯罪で、1度の万引きでの被害額も少額である場合が多いことから他の犯罪より心理的抵抗も少なく行われやすいのが特徴です。
行われやすいといっても万引きが犯罪であることには変わりありません。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
万引きはこの窃盗罪に当たります。
万引きで検挙されたからといって、毎回逮捕されることはありませんが、被疑者の前科前歴などによっては逮捕されることもあります。
逮捕された場合、警察署などの留置場に身柄を置かれます。
このとき、基本的には家族などと面会することはできないでしょう。
さらに検察官が勾留請求を行い勾留状が裁判所から発付されれば最大で10日間、勾留延長が認められれば最大20日間、留置場に勾留されます。
他方で、万引きの場合、たとえ逮捕されても勾留前に釈放される場合が多いです。
送検された場合、起訴されてししまうと、ほとんどのケースで有罪判決となってしまうので不起訴処分や執行猶予の獲得を目指していくことになります。
たかが万引きであってもされど万引きです。
ちょっとした出来心からでも自身の将来に重大な影響を及ぼす結果になりかねませんので、もし万引き・窃盗の被疑者となってしまった場合はお早めに刑事事件に強い弁護士に相談あるいは事件を依頼することをおすすめします。
~弁護活動~
万引きで逮捕された被疑者から事件を依頼された弁護士はどのような活動を行うのでしょうか。
逮捕やそれに続く勾留の条件は、被疑者が住所不定であったり、証拠の隠滅や逃走を図るおそれがある場合となっています。
弁護士はこれらのおそれがない証拠を示し主張することで、勾留状請求や勾留決定の阻止を狙います。
また取調べを受ける被疑者に黙秘権等の法的なアドバイスなどを行うことによって被疑者に不当に不利益となる調書の作成を防ぎます。
万引きは窃盗症という精神障害からなされる場合もあります。
この場合は治療や改善に向けた計画を考え検察や裁判所に示すことによって不起訴や執行猶予の獲得を目指します。
被害が少額であったり、たった一回の万引きでも、犯罪は犯罪です。
逮捕や勾留、起訴、有罪判決の言い渡しと事態が悪化する前に、弁護士に事件を依頼することで不当な不利益を被ることを回避できる可能性を高めることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、万引きをはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
名古屋市中川区で横領罪
横領罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
Aさんは、会社の従業員が交通費や郵送費などに使用する現金の管理を任されていました。Aさんは複数の消費者金融から合計500万円の借金を背負っており、お金に困っていました。そこで、Aさんは生活費の足しにしようと、管理を任されていた現金が入った金庫から毎週2万円ずつ抜き取り、その穴を消費者金融で借りたお金で埋め合わせしていました。しかし、Aさんの借金は膨らむ一方で自転車操業となったことから、Aさんはついに会社の上司にこれまでの経緯を報告しました。その後、Aさんは、会社から業務上横領罪で告訴されてしまいました。
~業務上横領罪とは?~
例えば,Bさんから宝石を預かったAさんが,Bさんに無断でその宝石を質屋に売った場合のように,横領罪は,他人(Bさん)から委託されて,自ら(Aさんが)占有保管している他人の物(宝石)を不法に取得する犯罪です。次に、業務上横領罪の「業務」とは、ある一定の社会的地位に基づいて反復継続して行う事務のことをいいます。なんだか難しく聞こえますが、要は、自治会やサークルの会費の管理、新聞代金の集金、荷物の配送など私たちにとって身近な事務も「業務」に当たります。
業務上横領罪は、横領罪の加重類型と言われています。すなわち、物・財物の保管、管理が「業務」上の委託信任関係に基づくことにより横領罪よりも法定刑が重くなっています。業務を任されている人はその分だけ責任が重いということですね!業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役、単純横領罪の法定刑は5年以下の懲役です。
~業務上横領罪が成立する典型例~
業務上横領罪でよくある事例を以下の通りまとめてみました。
= 集金業務を担当する従業員による横領 =
顧客から集金した現金を横領し、会社には、未収金として報告するケースなど
= 店長、支店長クラスによる横領 =
売上金の管理など金銭管理を担当する店長や支店長が、会社に売上額を少なく申告したうえで、差額を横領するケースなど
= 経理の従業員による横領 =
経理を担当する従業員が会社の預金口座から自分の口座に振り込んで横領するケース、あるいは第三者と共謀して架空の請求書を出してもらい会社の預金口座から第三者の口座に送金し自身に還流させるケースなど
= 会社の郵便切手管理者が切手を横領 =
会社で購入して保管している郵便切手の管理者が、使用済みと偽って、郵便切手を横領して、換金するケースなど
~業務上横領罪と量刑~
業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役と罰金刑は規定されていません。では、起訴され、裁判で「有罪」となった場合、どれくらいの刑が科されるのでしょうか(量刑)?
まず、業務上横領罪をはじめとする財産犯の場合、量刑を決める上で一番重きを置かれる事実は「横領額(被害金額)」です。概ね、横領額が100万円以下であれば執行猶予付きの判決を得られることが多いようです。しかし、横領額が100万円以下であれば必ず執行猶予付きの判決を受けられるのかといえばそうではなく、犯行態様、被害弁償の有無、処罰感情、前科前歴の有無などその他の事情も併せて考慮されます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,業務上横領罪など刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件を起こしお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談,初回接見サービスを受け付けております。
美人局で逮捕
美人局で逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
Aさんは不倫相手を探していると称して出会い系サイトに投稿し、その投稿にVさんが反応しました。AさんはVさんと何通かメールのやりとりをし、会う約束をしました。
AさんとVさんが名古屋市内のラブホテルから出てきたところに、Aさんの夫を名乗るBさんが現れ、慰謝料として10万円を支払うよう恐喝しました。
被害に遭ったVさんが警察に相談し、AさんとBさんは恐喝の容疑で千種警察署で取調べを受けることになりました。
(フィクションです)
~美人局と刑事責任~
美人局とは、夫婦が共謀し、妻が「かも」になる男性を誘って性交等をし、行為の最中または終わった瞬間に夫が現れて、妻と性交等をしたことに因縁をつけ、法外な金銭を脅し取る行為のことをいうとされています。
しかし、実際には、婚姻関係にないにもかかわらず、それがあるかのように装ったり、交際中の女性を利用するなどして美人局に似た手口で金銭を脅し取ったり、騙し取ったりする行為も美人局と呼ばれていることがあります。
美人局を行った場合、恐喝罪、詐欺罪に問われる可能性があります。
恐喝罪は刑法249条に規定されています。
刑法249条
1項 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
「恐喝」とは、財物の交付又は財産上不法の利益を得るために行われる「暴行」又は「脅迫」のことをいいますが、恐喝罪の場合、一般的に「脅迫」行為が行われることが多いと思われます。「脅迫」とは、人を畏怖させる足りる害悪の告知をいいます。具体的には、相手方(Vさん)またはこれと密接な連帯感情にある者の生命、身体、自由、財産に対する危害を加える旨を言うことをいいます。
もし、財物や財産上不法の利益を得る手段として行った暴行または脅迫が相手方の反抗を抑圧する程度のものであった場合には、恐喝罪ではなく強盗罪(刑法第236条)が成立する可能性があります。
強盗罪の法定刑は5年以上の懲役となっています。
また、同じような行為であっても害悪を告知して畏怖させた行為であるとして脅迫罪(刑法第222条)が適用されたり、威迫して人に義務のないことを行わせたとして強要罪(刑法第223条)が適用されたりすることも考えられます。
次に、詐欺罪は刑法246条に規定されています。
刑法246条
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
例えば、BさんがVさんに対して、Aさんが性病にかかった事実がないのにかかった事実があるかのように装って金銭を要求したり、18歳未満であると偽り児童買春が成立するとして慰謝料や示談金の名目で金銭を要求するなどの場合です。
~Aさんが共犯で逮捕される可能性も~
ここまでに挙げたどの罪名が適用されるかは、美人局を行った具体的な状況などによってさまざまで、断定することは難しいです。
もし被疑者となってしまった場合、逮捕や処罰を回避するためには容疑の具体的な内容にしたがって適切な対処を行うことが必要となります。
また、美人局では、実際の犯罪行為を行った者(今回の場合、Bさん)のみならず、それに加担した共犯者(今回の場合、Aさん)もBさんと同様に罪に問われる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、恐喝罪、詐欺罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
恐喝罪と初回接見
名古屋市守山区に住むAさんは、名古屋市内でA自身が経営する性風俗店において、従業員Vさんが辞めると言ったことでトラブルとなりました。
その際、AさんはVさんに対して、Vさんがシフトに穴を空けてしまうことによる損害金を払うよう強く求め、もし払わなければ、「バックの暴力団が黙っていない」などと言いました。すると、Aさんは、後日、愛知県守山警察署に恐喝未遂罪逮捕されてしまいました。Aは、以前から付き合いのあったB弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです)
~恐喝罪とは~
恐喝罪は刑法249条に規定されています。
刑法249条
1項 人を恐喝して財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。
恐喝罪が成立するためには、まず、相手をから財物をとるために暴行や脅迫を利用していることが必要になります。
例えば、相手を殴って怯えさせてり、「金を出さないとぶっ殺すぞ」と、脅迫することなどが考えられます。
この点、強盗罪も暴行または脅迫を用いた場合に成立すると規定されています(刑法236条1項)。
したがって、恐喝罪も強盗罪も、暴行・脅迫によって財物を取る犯罪という意味では同じです。
その違いは、暴行・脅迫の程度です。強度な暴行・脅迫の場合に強盗罪が成立し、それより弱い程度の場合に恐喝罪となります。
恐喝罪と強盗罪の境界線については、被害者が抵抗することが著しく困難になる場合が強盗罪で、そこまでではない場合が恐喝罪と考えるのが一般的です。
また、恐喝行為によって被害者が畏怖する(恐怖を感じる)ことが恐喝罪の要件の一つです。
その為、どれだけ暴行・脅迫をしたとしても、相手が気にも留めていなければっ恐喝罪は成立しません。
そして、被害者が畏怖により金銭や財産上の利益などを処分することが必要です。
~ 初回接見の重要性 ~
刑事事件においては、弁護士による初回接見が非常に重要とされています。
まず、逮捕後は、当然のことながら警察官や検察官による取調べが始まります。そして、そこで作成された書類(供述調書と呼ばれます)は被疑者にとって有利、不利を問わず裁判での証拠となる可能性があります。そして、一度、話した内容を後で覆すことはなかなか容易ではありません。そこで、なるべく早く弁護士と接見して
・黙秘するのかしないのか
・黙秘しないとしてどこまで、どんな内容を話すのか
・話すとしてどんな権利を行使することができるのか
などといった点につき弁護士からアドバイスを受ける必要があるのです。
また、弁護士としても、被疑者の方からお聴きしたお話の内容を基に今後の弁護活動を決める必要があります。例えば、罪を否認するのであればそれに沿った弁護活動が必要です。他方で、罪を認めるのであれば、被害者の方への謝罪、慰謝料の支払い(示談)などの弁護活動を検討する必要があります。このように、被疑者の方からお聴きしたお話の内容によって今後の弁護活動も異なってきますから、なるべく早めの接見をお勧めいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,恐喝罪等の刑事事件・少年事件を専門の法律事務所です。お困りの方は,まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
下着の窃盗
下着の窃盗について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
愛知県豊橋市に住むAさんは、近所に住む面識のないVさんに好意を抱いていました。ある日、AさんはVさんが自宅の鍵をポストに入れて外出しようとするところに出くわしました。そこで、Aさんはたまたま鍵のかかっていなかったポストから鍵をとってVさん宅に侵入し、タンスにあった下着を懐に入れてVさん宅を出ました。そうしたところ、AさんはVさんの交際相手である男性Wと出くわし、その場で、現行犯逮捕されてしまいました。Aさんの母親は、豊橋警察署からAさん逮捕の連絡を受け、弁護士にAさんとの初回の接見依頼しました。
(フィクションです)
~窃盗罪~
窃盗罪は、ご存知のように他人の財物を窃取した場合に成立する可能性のある罪です。
窃盗罪が成立するには、他人の財物を「窃取」したこと、および「不法領得の意思」があったことが必要です。
まず、「窃取」とは、他人の意思に反して物の支配を移転することを指します。
この支配の移転が完遂できれば窃盗罪は既遂となる一方、移転に着手したものの完遂できなければ未遂にとどまります。
問題はどの時点で完遂したと言えるかですが、それは対象物の特性や周囲の状況などにより異なります。
上記事例のように下着を盗んだ場合であれば、懐に入れた時点で自己が支配するに至ったとして、窃盗罪は既遂になる可能性が高いでしょう。
次に、「不法領得の意思」とは、権利者(他人)を排除し、対象物をその経済的・本来的用法に従い利用・処分する意思を指します。
こうした要件が要求される趣旨は、物を一時的に借りるだけの行為や、隠したり壊したりして物の利用を妨げる行為との区別をすることにあります。
この点、AさんはVさんの下着を盗んでいる以上、権利者排除意思が認められることは明らかです。次に、経済的利用処分意思についてですが、下着については、本来、それを身に着けることが経済的な利用処分ということになるでしょう。もっとも、こうした意図で下着を盗む人は少ないです。むしろ、下着を盗むことで自己の性的欲求を満たそうというのが本心ではないでしょうか?ただ、その場合でも、不法領得の意思は認められると考えられると考えられています。
~不起訴の獲得は可能か~
刑事事件では、その全てが裁判にかけられて刑罰を科されるわけではありません。
ある事件について刑事裁判を行うかどうかは検察官が判断し、検察官の判断次第では不起訴となってそのまま事件が終了することもあります。
この点は逮捕されようがされまいが変わらないので、逮捕されたからといって必ず起訴されるかというとそういうわけではありません。
不起訴の理由には様々なものがありますが、そのうちの一つとして起訴猶予というものがあります。
起訴猶予とは、被疑者の境遇、犯罪の内容、犯罪後の事情などの多種多様な事情を考慮し、有罪立証の見込みがある場合でも敢えて起訴を見送ることです。
犯罪の疑いが晴れるわけではありませんが、不起訴であることには変わりないことから、前科が付くのを回避できます。
窃盗事件には様々な態様のものがありますが、たとえば少額の万引きとは異なり、住居侵入・窃盗事件というのは決して軽いものではありません。
ただ、被害者との示談が締結するなど、事情次第では不起訴となることもありえます。
ですので、もし不起訴を目指したいということであれば、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。
万引きで逮捕
万引きで逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
Aさんは、帰宅途中、愛知県春日井市の自宅近くにあるドラッグストアに行き、出来心で万引きをしてしまいました。
しかし、万引きの状況を見ていた従業員が110番通報し、駆けつけた愛知県春日井警察署の警察官によって警察署に連れて行かれ、その後、万引きを行った容疑で逮捕されてしまいました。
その後、春日井警察署から連絡を受けたAさんの夫は、刑事事件に強い弁護士に相談することに決めました。
(フィクションです。)
~万引きとは~
みなさんも、「万引き」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
この「万引き」という行為は、刑法235条の「窃盗罪」に当たります。
(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
警察庁の統計によれば、「万引き」の認知件数は刑法犯の中でも最多です。
上記のとおり、万引きの罰則は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
初犯であれば起訴猶予による不起訴、略式罰金で終わることも多い犯罪ですが、常習的に繰り返すと懲役、実刑を科されることも否定はできません。
窃盗罪の量刑はケースバイケースで、被害金額、行為態様、常習性、前科・前歴の有無などが勘案されて決まります。
~万引きの弁護活動~
万引きで起訴猶予による不起訴処分となるには、被害者の方への被害弁償、示談の成立が重要です。
これは万引きに限らず、他の犯罪も同様に当てはまることです。
なお、身柄が拘束されていない在宅事件であれば被害者と直接示談交渉をすることも不可能ではありません。
他方で、身柄を拘束された身柄事件の場合は、物理的に示談交渉することができなくなってしまいます。
そのため、不起訴処分を目指すには窃盗罪で逮捕されてしまった段階で弁護士を依頼し身柄拘束の回避や迅速な被害者対応をすることが重要になります。
勾留されてしまった場合には準抗告を申立て、認められれば釈放され在宅事件となることもあります。
万が一、直接の示談交渉が可能となった場合でも、被害者の方は加害者に対し不信感や警戒心など持っていますので直接示談をしたいと連絡したとしても応じてくれないことがほとんどでしょう。
弁護士が相手であれば窃盗の被害者の方も話を聞いていただける場合も多いでしょう。
また、万引きの場合、被害者である店舗は示談交渉などを受け入れてくれないことも多いですが、弁護士を間に入れることによって被害の弁償金だけでも受け取って頂ける場合もあります。
示談成立とまでいかなくとも万引きによる被害を弁償をすることは有利な情状となり、検察官が事件を不起訴処分とする可能性もあります。
万引きをしてしまった場合、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事・少年事件専門の法律事務所です。無料法律相談、初回接見サービスのご予約を0120-631-881で24時間受け付けております。
万引きから強盗罪
万引きから強盗罪
万引と強盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市南区に住むAさんは、ギャンブルで消費者金融に手を出したことをきっかけにに借金返済に追われ、お金に困っていました。ある日、Aさんは、名古屋市内のデパートへ立ち寄ったところ、ブランドのバッグを目にしました。Aさんはこれを見て「売ればお金になる」「盗もう」と思い、万引きすることに決めました。そこで、Aさんは、X店の店員が目を離している隙に高級バッグ3点を手に取り、退店しました。そうしたところ、Aさんの行動を見ていた他の店員から「泥棒!」と叫ばれてしまいました。辺りは騒然となりましたが、Aさんは予め確認していた非常階段を使ってデパートの外に出ようとしたところ、警備員Vさんと鉢合わせとなりました。Aさんは高級バッグ3点を手にしていたため、無線で万引「き事案が起きた」との通報を受けていたVさんから、「万引きしましたね。」「事務所まで来ていただけますか。」と言われました。しかし、警察に逮捕されたくなかったAさんは、Aさんの行く手を阻むVさんの腹部を1回、顔面を2回殴った上、Vさんが怯んだ隙に出口から外へ出ようとしましたが、現場に駆け付けた警察官に窃盗罪で逮捕されてしまいました。その後、捜査の結果、Vさんに対する暴行の事実が明らかとなり、Aさんに対する容疑は事後強盗罪へと切り替わりました。
(フィクションです。)
~ 万引きから強盗罪 ~
Aさんの高級バッグを盗む行為は「万引き」と呼ばれ窃盗罪に当たります。
窃盗罪は刑法235条に規定されています。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
しかし、今回、Aさんは万引きした後に、Aさんの逃走を制止しようとしたVさんに暴行を振るっています。
実は、この行為は「強盗罪」に当たる可能性があります。
通常、強盗罪といえば、
・相手にナイフを突きつけて(暴行)物を奪い取る
・相手を脅して(脅迫)物を奪い取る
などというように、物を奪い取る行為に先行して「暴行」又は「脅迫」行為が選考します。
しかし、今回は、まずはじめに物を奪い取る行為(万引き)が行われ、その後に「暴行」を行っています。このように、物を奪い取った後、事後的に「暴行」「脅迫」を行う罪を
事後強盗罪
といいます。
事後強盗罪(刑法238条)も強盗罪(刑法236条)の一種で法定刑は同じです。
刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
刑法238条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
刑法238に規定されているように、事後強盗罪が成立するには「窃盗」を犯したことが必要とされていますが、窃盗の既遂、未遂は問いません。暴行、脅迫の相手方は、窃盗の直接の被害者のみならず、窃盗犯人の逃走を阻止したり、身柄を確保しようとする目撃者、警備員なども含まれます。
~ 怪我をさせた場合、死亡させた場合はさらに重たい罪 ~
万引き→強盗→人に怪我をさせた場合は「強盗致傷罪」、人を死亡させた場合は「強盗致死罪」に問われる可能性があります。
刑法240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
このように、強盗致傷罪、強盗致死傷罪は大変重たい罪です。
万引きも立派な犯罪ですが、それからさらにエスカレートすると、こうした重たい罪に問われかねないということは知っておくべきでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
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