【裁判紹介】業務上横領事件についての裁判例を紹介

業務上横領事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案】

社内システムで現金の精査結果に関するデータを操作する権限を利用し、顧客から回収した売上金計約6500万円を着服したとして、業務上横領の罪に問われた被告人に、名古屋地裁は懲役5年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。
(産経新聞「6500円着服の元社員に懲役5年」(2022/5/26)を引用・参照)。

【業務上横領罪】

刑法は、252条以下において、(委託物)横領罪、業務上横領罪、遺失物等横領罪について処罰規定を置いています。
(委託物)横領罪が「5年以下の懲役」と定めているのに対して、遺失物等横領罪は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料」と法定刑は軽くなっています。
これに対し、業務上横領罪は「10年以下の懲役」と法定刑が重くなっていることに注意が必要です。
特に横領罪が成立することに争いはない場合は、「業務」性が認められるか否かによって罪の重さが変わってくることになります。

【業務上横領事件の弁護活動】

本事案では、上述のとおり被告人は「懲役5年」の実刑判決を受けています。
財産犯の場合、事後的な被害回復である被害弁償が刑事処分を大きく左右する情状となり、こと横領罪においては極めて重要性が高いと考えられています。
例えば、会社から1400万円を横領したとして、業務上横領の罪に問われた事件においては、一部被害弁償の事実が考慮され、「懲役3年、執行猶予5年」の執行猶予判決が下されています。
以上のように被害額が多額であっても、被害弁償や被害者との示談が成立の有無によってその刑事処分は大きく異なってくる可能性があり、弁護士を通じた示談交渉等が事件の命運を分けるといっても過言ではありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、業務上横領事件を含む刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
業務上横領事件で逮捕・起訴された方のご家族等は、365日いつでも繋がるフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

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