盗撮と前科①

2020-03-16

盗撮前科について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
今回の記事では,盗撮について詳しく見ていきます。

【ケース】

愛知県愛西市に住むAさんは,買い物をしようと近所のショッピングモールへ行きました。
そうしたところ,店内でスカートを履いた女性Vさんがエスカレーターに向かって歩くのが目に入りました。
そこで,Aさんはエスカレーターに乗ってVさんの背後に立ち,自身のスマートフォンをVさんのスカートに差し入れて下着を盗撮しました。
ところが,撮影の際にAさんのスマートフォンがVさんの太ももに当たり,Vさんから「ちょっと,何してるんですか」と声を掛けられました。
その場から逃走を図ったAさんでしたが,近くにいた買い物客に腕を掴まれ,結局津島警察署にて愛知県迷惑行為防止条例違反の疑いで取調べを受けることになりました。
Aさんから相談を受けた弁護士は,Aさんに盗撮前科があることを聞きました。
(フィクションです)

【刑事事件としての盗撮】

一般に,盗撮とは,カメラなどを用いて他人を密かに撮影する行為を指します。
こうした盗撮が全て犯罪に当たるとお思いの方がいらっしゃるかもしれませんが,実際のところそういうわけではありません。
不法行為として民事上の責任を負う可能性があるのはさておき,犯罪として刑事上の責任を負うのは,特定の場所における特定の物を対象とする盗撮に限られています。

性犯罪としての盗撮については,基本的に以下の2つの法令により処罰されることが見込まれます。

①各都道府県の迷惑防止条例
社会における様々な迷惑行為を規制すべく,都道府県毎に迷惑防止条例(自治体により名称差異あり)というものが定められています。
愛知県では,「愛知県迷惑行為防止条例」がそれに該当します。
愛知県迷惑行為防止条例2条の2では,「公共の場所又は公共の乗物」における「衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し,又は撮影すること」が禁止されています。

上記規定に違反して盗撮を行った場合,1年以下の懲役または100万円以下の罰金(常習であれば2年以下の懲役または100万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。
盗撮の罰則は改正により以前より重くなっており,特に常習の盗撮については,条例において科すことができる刑の上限に達しています。
このことから,盗撮に対する社会の問題意識が高まっており,その扱いは決して軽いものではないことが窺えます。

なお,以上のような盗撮の規制は全国の自治体で見られますが,愛知県を含む一部の自治体では,更にカメラなどを設置して先述の対象に向けることをも規制しています。

②軽犯罪法
①で紹介した盗撮の規制は,公共の場所または公共の乗物における盗撮にのみ及ぶものです。
そのため,少なくとも愛知県においては,住居など一部の場所における盗撮が条例では処罰されないということになります。
その場合,軽犯罪法の適用が見込まれます。
軽犯罪法1条は,「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」(23号)に拘留または科料を科すとしています。
裁判例によれば,「のぞき見た」にカメラなどによる撮影も含まれると解釈されているので,愛知県内の住居などにおける盗撮にはこちらが適用されることになるでしょう。
たは,拘留は1日以上30日未満の拘置,科料は1000円以上1万円未満の金銭の徴収なので,①で紹介した盗撮の規制に比べると罰則は軽いと言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件に強い弁護士が,盗撮として処罰されるかどうかについて的確な回答を致します。
ご家族などが盗撮の疑いで逮捕されたら,刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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