愛知県名古屋市天白区の特殊詐欺(窃盗)事件で逮捕
愛知県名古屋市天白区の特殊詐欺(窃盗)事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、知人であるBさん・Cさんと共謀し、金融機関職員を装い愛知県名古屋市天白区にあるVさんの自宅を訪れ、「あなたの名義の銀行口座が不正使用された」「あなたが持っているキャッシュカードを封筒に入れて厳重に保管して欲しい」などと言いました。
そして、Vさんが目を離しているうちに偽のキャッシュカードとすり替え、Vさんのキャッシュカードを盗み取りました。
その後、Aさんは愛知県警天白警察署により窃盗罪の容疑で逮捕されました。
AさんはVさんからキャッシュカードを受け取る係、いわゆる特殊詐欺の「受け子」とみられ、窃盗罪の容疑を認めています。
窃盗罪の容疑での逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、愛知県名古屋市天白区に近い刑事事件に強い法律事務所への法律相談を検討しています。
(フィクションです。)
【特殊詐欺(すり替え型)とは】
特殊詐欺(すり替え型)とは、以下の方法などにより特殊詐欺の被害者からキャッシュカードを盗み取る犯罪をいいます。
①金融機関職員などを装い、特殊詐欺の被害者に対して、銀行口座が不正使用されたためキャッシュカードを厳重に保管して欲しいなどと嘘を言います。
②キャッシュカードを受け取る係、いわゆる特殊詐欺の「受け子」が、キャッシュカードを厳重に保管されていることを確認するなどという名目で特殊詐欺の被害者の自宅に訪問します。
③特殊詐欺の被害者が目を離しているうちに準備していた偽のキャッシュカードとすり替えます。
④あたかも特殊詐欺の被害者から預かったキャッシュカードであるかのように偽のキャッシュカードを特殊詐欺の被害者に返還します。
以下では、特殊詐欺の「受け子」にいかなる犯罪が成立するかを検討します。
【窃盗罪とは】
「他人の財物を窃取した者」には、窃盗罪が成立します(刑法235条)。
窃盗罪の法律に定められた刑(法定刑)は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
特殊詐欺の刑事事件例におけるVさんのキャッシュカードが窃盗罪における「財物」に該当することは明らかです。
また、窃盗罪における「窃取」とは、財物の占有(事実上の支配)者の意思に反して、その占有(事実上の支配)を侵害し、自己又は第三者の占有(事実上の支配)へ移すことをいいます。
特殊詐欺の刑事事件例において、Aさんは、キャッシュカードを占有(事実上支配)していたVさんの意思に反して、Vさんのキャッシュカードに対する占有(事実上の支配)を侵害し、キャッシュカードをAさんの占有(事実上の支配)に移しています。
よって、Aさんの行為は窃盗罪における「窃取」に該当すると考えられます。
以上より、Aさんには窃盗罪が成立すると考えられます。
【窃盗罪と特殊詐欺】
ところで、特殊詐欺はその名称から詐欺罪が成立するのではないかと疑問に思うのではないでしょうか。
詐欺罪は「人を欺いて財物を交付させた者」に成立します(刑法246条)。
詐欺罪の法律に定められた刑(法定刑)は、10年以下の懲役です。
詐欺罪は、①詐欺罪の被害者を欺いて②錯誤に陥らせ、その錯誤に基づき③財物を交付させ、④財物を取得するという一連の行為により成立します。
詐欺罪における③財物の交付行為があるというためには、詐欺罪の被害者の瑕疵ある意思に基づき財物の占有(事実上の支配)が終局的に移転したということが必要です。
また、詐欺罪における③財物の交付行為があるというためには、詐欺罪の被害者が財物を相手方に移転させるという認識があったことが必要です。
特殊詐欺の刑事事件例において、確かにAさんはVさんに対して銀行口座が不正使用されたと嘘を言うことでVさんを欺いています。
ここに詐欺罪における①詐欺罪の被害者を欺く行為があったと考えられます。
また、Vさんは銀行口座が不正使用されたためキャッシュカードの厳重な保管が必要であるという錯誤に陥っています。
ここに詐欺罪における被害者の②錯誤があったと考えられます。
しかし、Vさんはその錯誤に基づきキャッシュカードを交付しておらず、詐欺罪における財物の終局的な処分はありません。
また、Vさんに詐欺罪における財物の終局的な処分の意思もありません。
すなわち特殊詐欺の刑事事件例には、詐欺罪における③財物の交付行為がなかったと考えられます。
よって、Aさんには詐欺罪が成立しないと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
特殊詐欺(窃盗)事件を起こした方の刑事弁護活動を行った実績のある刑事弁護士も在籍しております。
愛知県名古屋市天白区の特殊詐欺(窃盗)事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。

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交通事故、性犯罪、薬物事件、暴力事件、財産事件など、多岐にわたる案件を手掛けており、示談交渉や早期釈放に向けた活動を行っています。また、裁判員裁判対象事件にも対応し、執行猶予判決の獲得実績もあります。依頼者様とのコミュニケーションを大切にし、丁寧な説明と報告を心掛けています。
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