自転車の人身事故で過失傷害罪に

2020-02-17

自転車による人身事故で過失傷害罪が成立しうるケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【ケース】

大学生のAさん(21歳)は,自宅から大学まで自転車で通学していました。
ある日,Aさんがいつもどおり自転車を漕いでいたところ,LINEの通知音が鳴りました。
そこで,Aさんはポケットからスマートフォンを取り出し,LINEを読もうとスマートフォンの画面を見ながら運転を続けました。
そのとき,曲がり角で自転車に乗ったVさんが右折してきて,AさんはVさんの存在に気付くのが遅れてぶつかってしまいました。
その現場を偶然瀬戸警察署の警察官が通りかかり,Aさんは過失傷害罪の疑いで取調べを受けることになりました。
Aさんから相談を受けた弁護士は,最終的な処分の見込みについて説明しました。
(フィクションです。)

【過失傷害罪について】

過失傷害罪は,その名のとおり「過失」により他人に怪我などを負わせた場合に成立する可能性のある罪です。
一般にも知れ渡っているかと思いますが,「過失」という言葉の意味は,簡単に言えば不注意のことを指します。
犯罪の認定に際して「過失」の有無を検討する際には,結果(怪我など)の発生が予想できたか,その結果を回避するのが可能かつ容易だったかどうか,といった点が主に考慮されます。

上記事例では,Aさんがスマートフォンの画面を注視しながら自転車を運転しており,右折してきたVさんをかわし切れずに衝突しています。
自転車の運転に際して周囲に気を配るのは言うまでもないことであり,事故の予測および事故を回避するための対策は可能かつ容易であったと考えられます。
そうであれば,Aさんには「過失」が認められ,Vさんに怪我をさせていることから過失傷害罪が成立する可能性が高いでしょう。
なお,「過失」の程度が著しい場合,すなわち少し注意するだけで容易に結果の発生を回避できたような場合については,重過失傷害罪として過失傷害罪より重く罰せられる可能性が出てきます。
最も重い刑で比較すると,過失傷害罪30万円の罰金重過失傷害罪5年の懲役となっており,重過失と言えるかどうかで事件は大きく異なってくることになります。

【過失傷害事件において想定される処分】

刑事事件の捜査が終わると,検察官が事件を起訴するか不起訴にするか決めることになります。

まず,不起訴になった場合については,基本的にその時点で事件が終了することになります。
不起訴というのは起訴しない,すなわち事件を裁判にかけないということなので,有罪となって刑罰が科されることもありません。

一方,起訴された場合については,有罪か無罪か,有罪としてどの程度の量刑が妥当かが裁判によって決められることになります。
ただし,100万円以下の罰金を科すのが妥当な事案については,略式起訴という特殊な手続で迅速に事件が終了することがありえます。
この略式起訴は,裁判を法廷ではなく書面で行う手続で,被告人にとっては通常の裁判に伴う負担を回避できる点で有益と言えるものです。
過失傷害罪であれば,最も重い刑でも30万円以下の罰金となっているので,略式起訴の対象になると言えます。

また,上記とは別に,検察庁へ事件を送致せず警察署限りで終了させる微罪処分というものもあります。
過失傷害罪のように軽い罪であれば,この微罪処分もありえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件に強い弁護士が,知識と経験を武器に的確な処分の見込みをお伝えします。
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