覚せい剤譲渡しの未遂罪に問われたら
~ケース~
長久手市在住のAさんは、薬物の売人から覚せい剤を購入した。
以前から覚せい剤に興味があるといっていた友人のVさんに、一度覚せい剤を見せてあげるという約束をした。
AさんはVさんとの待ち合わせ場所である長久手市内の公園でVさんを待っていたところ、愛知県警察愛知警察署の警察官から職務質問を受け、任意での所持品検査でAさんの鞄から覚せい剤が見つかったため、愛知県警察愛知警察署に任意同行を求められた。
取り調べでは、AさんがVさんに覚せい剤を譲渡しようとしていたのではないかと執拗に聞かれたAさんは、覚せい剤所持だけではなく覚せい剤譲渡しについても罪に問われてしまうのではないかと不安になった。
その為、取り調べが終わった足でAさんは刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士の無料相談を受けに行った。
(事実を基にしたフィクションです)
~覚せい剤譲渡しに問われる要件とは~
覚せい剤の所持・譲渡し・譲受け に関しては、覚せい剤取締法第41条の2第1項において、「覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。」と規定されています。
また、同法第41条の2第3項において、「前二項の未遂罪は、罰する。」と規定されており、未遂罪も処罰の対象となります。
覚せい剤譲渡しの未遂罪は、行為者が覚せい剤譲渡し罪の実行に着手し、譲渡し罪が完成するに至っていない場合に成立します。
そのため、どこまでの行為が覚せい剤譲渡しの実行に着手したと評価されるのかが問題になります。
覚せい剤譲渡しの実行に着手したといえるためには、覚せい剤の処分権の付与に伴う所持の移転に密接した準備行為があれば足りると一般的に言われています。
この点、覚せい剤譲渡しに関する合意が成立し、その代金の授受があったというだけでは足りず、覚せい剤を購入後、これを他と区別して受け取りに来るのを待っていたりした場合には、実行の着手があるとして覚せい剤譲渡しの未遂罪の成立を認めた裁判例があります。
上記のケースのAさんの場合、実際にVさんに覚せい剤を譲渡することまでは約束しておらず、ただ見せるつもりであったため、覚せい剤譲渡しの実行には着手していないことになります。
~覚せい剤譲渡しの容疑を掛けられてしまったら~
ただし、Aさんは客観的に見ると覚せい剤譲渡しをしようとしているように見えてしまうため、捜査機関から嫌疑をもたれてしまっています。
このような場合、取り調べにおいていかにきちんとやっていないと説明出来るかどうかが重要です。
というのも、取り調べ時に作成される供述調書は、一度署名・押印すると裁判で重要な証拠として提出されます。
捜査機関としては嫌疑をかけているため、時には犯罪事実を認めるように誘導したり圧力をかけたりすることも考えられます。
その結果、事実と異なる内容や過剰な内容の供述調書が作成されてしまうという事例も中にはあります。
もし、犯罪事実を認めている内容の供述調書が作成されてしまった場合、警察に供述調書の取り直しを求めることは可能ですが、供述が変遷していると捉えられ被疑者・被告人の供述の信用性を落としてしまうことになりかねません。
また、裁判で供述内容の任意性を争うことも可能ですが、任意性が否定されるのは極めてまれです。
その為、あらぬ疑いをかけられてしまったような場合は、出来るだけ早く刑事事件に強い弁護士に相談し、取り調べ対応や供述内容についてアドバイスを受けることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は刑事事件に特化した弁護活動を行っておりますので、覚せい剤譲渡しなどの薬物事件も安心してご相談、ご依頼いただけます。
覚せい剤譲渡しの容疑を掛けられてお困りの方、取り調べ対応にお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
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