盗撮目的で住居侵入

盗撮目的で住居侵入

~ケース~

豊橋市内に住むAさんは、会社の別部署に配属されているVさんに好意を抱いていた。
Vさんの着替えているところを撮影したいと思ったAさんは、豊橋市内にあるVさんの家に小型カメラを設置しようとし、管理会社を装ってVさん宅を訪ねた。
Vさんは、最初はAさんを管理会社の人だと信じて家に入れたものの、後日再度管理会社を名乗り小型カメラの回収に来たAさんを不審に思い、愛知県警察豊橋警察署に通報した。
駆け付けた愛知県警察豊橋警察署の警察官によって、Aさんは盗撮の容疑で現行犯逮捕された。
このことを知ったAさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼した。
(このストーリーはフィクションです)

~住居での盗撮も迷惑防止条例違反の対象に~

盗撮に関しては、各都道府県が定める迷惑防止条例で規制されています。
例えば、愛知県では、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(いわゆる愛知県迷惑防止条例)第2条の2において、盗撮行為を規制しています。

以前は、いわゆる愛知県迷惑防止条例において規制の対象となっていた盗撮行為は、公共の場所での盗撮に限られていました。
しかし、平成31年1月1日の改正により、公共の場所という制限が大幅に緩和されました。
それにより、学校、会社の便所、更衣室、タクシー、貸切りバス、住居、ホテル、民泊施設の居室などにおいて盗撮をした場合も、いわゆる愛知県迷惑防止条例の規制対象となりました。

上記のケースでは、AさんはVさんの家で盗撮をしていますので、条例改正以前であれば軽犯罪法違反が成立しますが、条例改正以降はいわゆる愛知県迷惑防止条例が成立する可能性が高いです。
軽犯罪法違反ほ場合は拘留(1日以上30日未満の身柄拘束)又は科料(1,000円以上10,000円未満の罰金)ですが、いわゆる愛知県迷惑防止条例の場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と、より重い刑罰が科されることになります。

~盗撮だけでは済まないことも~

上記のケースにおいて、Aさんの目的はVさんの着替えているところを盗撮することですが、今回Aさんに成立する可能性があるのは盗撮だけではありません。

というのも、Aさんは住居者Vさんの同意なく住居内に立ち入った場合に成立する「住居侵入罪」で処罰される可能性があります。
判例では、同意をした場合でも、その同意が真意に基づかないものであれば住居侵入罪が成立を認めているものがあります。

上記のケースにおいても、Vさん自身がAさんを自宅に入れていますが、Aさんに騙されて真意に基づかない同意をしているため、住居侵入罪が成立する可能性が高いです。
住居侵入罪が成立した場合には、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処されますので、懲役刑に関してはいわゆる愛知県迷惑防止条例よりもずっと重くなります。

この場合、住居侵入罪にあたる行為と盗撮行為は、手段と目的の関係にあたりますので、牽連犯として処理されることになります。
牽連犯として処理された場合、その量刑はより重い方の刑罰が適用されますので、住居侵入罪盗撮の場合、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金となり、決して軽い刑とはいえません。
特に、被害者との示談がまとまっていないような場合、罰金刑以上の刑罰を科されてしまうことも十分考えられますので、出来るだけ早く刑事事件に強い弁護士に相談されることをおすすめします。

豊橋市での盗撮事件で住居侵入罪が成立するのではないかとお悩みの方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。
(愛知県警察豊橋警察署への初回接見費用 38,800円)

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