Archive for the ‘性犯罪・わいせつ事件’ Category

強制わいせつと示談

2020-11-02

強制わいせつと示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県東海市に住むAさんは、妻の不倫に始まるトラブルによって離婚調停中です。どうしても妻を許すことができないAさんは、妻に対して復讐したいと考えるようになりました。
Aさんは婚姻関係の継続を望む妻を「話しがしたい」と市内のホテルの一室に呼び出しました。Aさんは部屋に入ってきた妻を押し倒し無理矢理衣服を脱がせて、上半身が露出した状態の姿を撮影しました。後日、妻が警察に相談したことをきっかけにAさんは強制わいせつの容疑で東海警察署で取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

~強制わいせつ罪~

強制わいせつ罪については、刑法第176条に規定があります。

刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ罪におけるわいせつな行為とは、被害者の意思に反して身体的内密領域を侵害し、そのことによって被害者の性的羞恥心を害し、かつ一般人でも性的羞恥心を害されるであろうとされる行為のことをいいます。

具体的には、陰部・乳房・尻・太もも等に触れたりもてあそんだりする行為、裸にして写真を撮る行為、無理矢理キスしようとする行為などが挙げられます。
加えて、被害者に行為者自身の性器等に触れさせる行為もわいせつな行為に含まれます。

着衣の上から尻や乳房等を撫でまわしたりする行為は、各都道府県の迷惑防止条例違反として取り締まられていますが、その程度や執拗さ等によってはより重い強制わいせつ罪の適用も考えられます。

これらの行為の被害者は、女性のみならず男性もなり得ます。
また、加害者にも限定はありません。

被害者が13歳以上であった場合、わいせつな行為をする手段として暴行・脅迫がなければ強制わいせつ罪は成立しません。

強制わいせつ罪の成立に必要な暴行・脅迫は、被害者の反抗を著しく困難にする程度に強いものでなければなりません。

従来、強制わいせつ罪について判例は「犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図」(最判昭和45・1・29刑集24巻1号1頁)がなければ成立しないものとしていました。

この見解によると、今回のAさんのように専ら報復や侮辱の目的で女性を裸にして写真撮影する行為については強制わいせつ罪は成立しないことになります。

しかし、2017年に判例変更がなされ、これによれば必ずしも性的意図が必要ではなく、その行為が客観的に見て明らかに性的な意味の強いものであれば、行為者自身に性的意図がなくても強制わいせつ罪の成立に影響がないこととされました(最大判平成29・11・29刑集71巻9号467頁)。

したがって、現在では撮影行為であってもその内容が客観的に見て明らかに性的な意味の強いものであれば復讐や侮辱目的であっても強制わいせつ罪に問われる可能性があることになります。

~強制わいせつと示談~

強制わいせつ事件など被害者がいる刑事事件では、早期の示談成立が早期の事件解決につながります。
強制わいせつ罪は「6月以上10年以下の懲役」と罰金刑の規定もない比較的重い罪となっていますが、示談を締結することができれば、今回の事例のように事件化を防ぐことができるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所で示談交渉に慣れた弁護士が所属しています。
被害者との示談成立をご希望の方は、ぜひ弊所に一度ご相談ください。

示談締結によるメリットは以下のとおりです。
一つ目に、刑事事件化を防止できたり、不起訴処分につながることです。
被害者が警察に届け出る前に示談を成立させることができれば、事件が刑事事件化することを防止することができます。
また、仮に、本件のように被害届を提出された後でも、検察官による刑事処分前に示談を成立させることができれば不起訴処分を獲得できる可能性は高くなります。
二つ目に、減刑や執行猶予につながることです。
示談締結は、起訴された後の刑事裁判の段階でも被告人に有利な事情として働きます。
示談が成立している場合、懲役刑の刑期が短くなったり、執行猶予がついたりします。
三つ目に、釈放・保釈につながることです。
示談が成立している場合、多くの場合、当事者間では事件を終わらせたいという合意が成立していることを意味します。
そのため、その時点で身柄拘束の要件である被疑者・被告人が逃亡や証拠隠滅を図るおそれはないと判断されやすいのです。
四つ目に、民事裁判の防止なども実現できることです。
将来、被害者の損害賠償請求権の行使を禁止する条項を示談条項に加えることもできます、

今回みてきたように、示談にはさまざまなメリットがあります。
しかし、被害を受けた方と示談を締結することは簡単ではありませんので、示談交渉については専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。また、示談交渉は知識、経験が重要になってきますので、示談交渉の経験も豊富な刑事事件専門の弁護士に依頼することが後悔のない事件解決への最善策であるといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

常習痴漢と示談

2020-10-24

常習痴漢と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

会社員Aは、通勤途中の電車内で、Vさん(17歳)の衣服の上からVさんの体を触ったという、愛知県迷惑行為防止条例違反(以下「条例」)の疑いで昭和警察署の警察官に現行犯逮捕されました。Aさんは、過去5年以内2回、同じ痴漢で検挙され、1回は不起訴処分(起訴猶予)を受け、2回目は罰金刑(20万円)を受けていました。Aさんとしては今回限りは「常習犯として起訴されるだろう」「前回よりも重い刑を受けるだろう」と覚悟していたところ、選任された弁護士が被害者との示談を成立させてくれたおかげで不起訴処分(起訴猶予)を受けることができました。
(フィクションです)

~ 常習痴漢は刑が重いが・・ ~

常習として卑わいな行為を行った場合は、通常よりもさらに刑が重くなります。
では、いかにしてこの常習性は認定されるのでしょうか?
一番大きな要因としては、同種の前科・前歴があることでしょう。
しかも、本件と前科・前歴の時期(行為の時期、刑終了の時期)が近接していればいるほど常習性は認定されやすくなります。
ただ、認定の要因はは、前科・前歴だけではありません。
その他にも、犯行の動機・手口・態様・回数等も総合的に勘案して認定されます。

ところで、常習性が認定されたとしても、示談交渉が不可能、意味がないかといえばそうではありません。
常習性の認定と示談交渉は別個に考えた方がよいかと思われます。
この場合、示談交渉を進めるメリットとしては、仮に示談が成立した場合、起訴が見送られる(不起訴になる)、起訴されたとしても懲役刑ではなく罰金刑が選択される可能性があるということです。

~ 宥恕条項付き示談書とは? ~

痴漢事件のおいて、被害者との示談は、検察官の刑事処分の判断に大きな影響を与えます。法律上、検察官は情状、犯罪後の情況も考慮して刑事処分を決めるとなっており(刑事訴訟法248条)、情状、犯罪後の情況に「示談締結の事実」も含まれるからです。また、宥恕とは、単に被害者が被疑者(加害者)を許すというだけにとどまらず、刑事処罰を求めないという意思表示のことをいい、この宥恕条項がついた示談書を「宥恕付き示談書」といいます。もちろん、単なる示談書よりは、宥恕条項付き示談書の方が効果は高く、不起訴(起訴猶予)となる可能性も高まります。

~ 起訴猶予 ~

起訴猶予とは、刑事処分である不起訴処分の理由の一つです。検察官は、訴訟条件を具備し、犯罪事実は証拠上明白であるが、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の情況により起訴するのを見送ることができます。これを起訴便宜主義といい、検察官にだけ認められた権限です。情状、犯罪後の情況には、示談締結の他、被疑者の反省の程度や再犯防止に向けた環境等も挙げられます。不起訴(起訴猶予)の獲得を目指すならば、検察官が刑事処分を決める前に、示談締結の事実とともに、これらの事項も併せて主張する必要があります。

~ 不起訴処分となれば? ~

不起訴処分となれば、刑事裁判を受ける必要がありませんし、罰金刑・懲役刑を受けるおそれはなくなります。また、前科も付きません。ただし、前歴(検挙した旨を警察官が記録)としては残ります。また、再び、痴漢をすればその前歴があなたの不利な証拠として扱われるおそれもあります。

痴漢は立派な犯罪ですから二度とやらないという心構えを持つことがないより大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間体制で、無料法律相談・初回接見の予約を受け付けております。

援助交際で逮捕されたら初回接見

2020-10-23

初回接見のメリットなどについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

会社員のAさんは、ネットで知り合った少女とお金を払う約束をして、名古屋市千種区のホテルで性的関係を持ちました。その後、Aさんは約束通りお金を少女に支払い、その後お互いに連絡をとることはありませんでした。しかし、ある日、突然、愛知県千種警察署の警察官がAさん宅を訪れました。「援助交際の件で話が聞きたいから署まで来て欲しい」と言われたAさんは、児童買春の疑いで取調べを受けています。
(フィクションです)

~援助交際で問われる刑事責任とは?~

金銭等の対価を目的として、交際相手を募り、性行為などを行う売春の一種を「援助交際」と言います。
まず、18未満の者を相手として援助交際をした場合、児童買春罪に問われる可能性があります。
違反者には5年以下の懲役または300万円以下の罰金の刑が科される可能性があります。
なお、「児童買春」とは、「児童(18歳未満の者)、児童に対する性交等の周旋をした者、児童の保護者または児童をその支配下に置いている者に対して、対償を供与し、またはその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交もしくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、もしくは児童に自己の性器等を触らせること)をすること」と定義されています。
また、援助交際の相手が13歳未満であった場合、援助交際で相手の合意があったとしても、強制性交等罪や強制わいせつ罪が成立する可能性があります。
性交・肛門性交・口腔性交をした場合には、強制性交等罪として5年以上の有期懲役に、わいせつな行為をした場合には強制わいせつ罪で6月以上10年以下の懲役となることがあります。

このような援助交際が発覚する経緯としては、援助交際をしている児童側が、急に金遣いが荒くなったり、周囲に話してしまったりして、児童の両親・教師などが気付き、警察に相談するケースが見られます。
警察の捜査によって、過去の援助交際も発覚し、芋ずる式で逮捕される…ということもあるでしょう。
援助交際で逮捕されてしまったら、周囲にそのことがバレるのではと不安になってしまうかもしれません。
一刻も早い釈放を希望する場合は、早期に弁護士と接見したほうがよいです。

~初回接見のメリット~

初回接見(あるいは弁護人接見)を受けたことによるメリットとはどんな点が挙げられるのでしょうか?

= 逮捕期間中から接見可能 =

逮捕期間中とは「逮捕されてから検察官の元に送致されるまでの間」のことを指します。この間、時間で換算すると概ね72時間(=3日間)ありますが、弁護人であれば接見可能です。他方、ご家族など弁護人以外の方との接見は、通常認められません。

= 接見の曜日、時間に制限がない =

弁護人との接見であれば、土日・祝日関係ありませんし、早朝、深夜を問わず接見できます。また、一回の接見時間の制限もありません。他方、弁護人以外の方との接見は、通常、平日の決まった時間に限られており、一日につき、一回の接見時間は15分から20分と決められています。

= 立会人が付かない =

弁護人接見であれば立会人が付きません(刑事訴訟法39条1項)。ですから、弁護人と気兼ねなくなんでも話せます。他方、弁護人以外の方との接見では立会人が付きます。そうすると、「こんなこと話していいのだろうか」などと迷いが生じてしまい、なかなか話したくても話しづらい状況となります。

= 接見禁止決定が出ても接見ができる =

弁護人であれば接見禁止決定が出ても接見することができます。他方、弁護人以外の方との接見については、接見禁止が出ると解除されるまでは接見することができません。接見禁止決定は起訴後も出ることがあり、その場合でも同様です。

= 事件の内容(逮捕・勾留事実)を詳しく知ることができる =

接見では、弁護人が身柄拘束された方から、事件の概要をお聴きします。そして、接見後に、依頼者様に事件の概要をご報告させていただきます。

= 事件の見通し、対応(弁護方針、弁護活動)を知ることができる =
  
弁護人は、身柄拘束された方からお聴きした話の内容を基に、今後の弁護方針、弁護活動を決めます。例えば、罪を認める場合は、早期釈放、被害者様との示談交渉などに向けた弁護活動を始めることが肝要です。これらについても、依頼者様にご報告させていただきます。

= ご家族等からのご伝言をお伝えすることができる =
  
弁護人が接見に行く前に、ご家族様からご伝言を預かることが可能です。また、接見後のご報告では、身柄を拘束された方からお預かりしたご伝言をお伝えさせていただくことも可能です。

~ 初回接見後について ~

接見後は、依頼者様に接見のご報告をさせていただきます。遠方にお住まいの方であれば電話によるご報告も可能です。その後、ご希望であれば正式な契約を結ばさせていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、援助交際をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までご連絡いただければと思います。専門のスタッフが初回接見のためのご案内をさせていただきます。

盗撮で逮捕された後の流れ

2020-10-22

盗撮で逮捕された後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

名古屋市中村区内に住むAさんは盗撮した疑いで、愛知県中村警察署に愛知県迷惑行為防止条例違反で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~迷惑防止条例違反~

盗撮は愛知県迷惑行為防止条例違反に問われる可能性が極めて高いです、

愛知県迷惑行為防止条例第2条の2第3項1号は、
①住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所において、
②正当な理由なく、
③人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、
④人の姿態をのぞき見し、又は撮影すること
を禁止しています。

罰則は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

逮捕後は,被疑者(Aさん)は警察官の弁解録取という手続きを受けます。建前はAさんから弁解を聴く手続きですが,実質は取調べと同様です。ここでは罪を認めるのか,認めないのか聴かれ,その旨を書類にまとめられます。この書類は後々,裁判で証拠となり得ますから注意が必要です。被疑者をそのまま拘束する必要があると判断されたときは、逮捕から48時間以内に検察官の元に事件と身柄を送致する手続きが取られます。
検察官の元でも警察官と同様、弁解録取の手続きを受けます。検察官により被疑者を継続して拘束する必要があると判断されたときは、被疑者の送致を受けたときから24時間以内に裁判官に対し、勾留請求という手続きが取られます。
勾留請求された場合、Aさんは裁判所の勾留質問室というところへ連れていかれます。そして、今度は裁判官による勾留質問を受けます。ここでもこれまで同様、事件について聴かれ書類が作られます。勾留質問の結果などを踏まえてAさんを勾留するかどうか判断されます。

このように、逮捕から勾留決定までには警察官、検察官、裁判官の3段階の手続を踏んでいることが分かります。
これは人の身柄拘束は重大な人権侵害であるため、各段階で身柄拘束の理由・必要性をチェックし、不当な人権侵害を防止するためにあるのです。ですから、警察官、検察官は自らの権限で被疑者を釈放することができますし、裁判官は検察官の勾留請求を却下することができるのです。ですから、この間弁護人としては、早期釈放のために、警察官、検察官、裁判官に働きかけて行く必要があります。

~示談をし、有利な処分の獲得を目指す~

被害者との示談はさまざまなメリットをもたらします。
例えば、早期釈放、不起訴処分の獲得などです。
さらに、刑事事件とは別に、Vさんから損害賠償請求を受けるなど、民事紛争に巻き込まれるリスクを無くすことができます。
示談交渉は弁護士にお任せください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、盗撮をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております

児童買春と自首

2020-10-20

児童買春と自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市北区に住む会社員のAさんはSNSで知り合った当時17歳の少女Vさんとと出会うことになりました。そこで、Aさんはこの際にVさんと性行しまおうと財布に5万円を入れ出かけ、Vさんに援助交際を申し込んだところ、承諾されたためホテルへ行きました。そして、AさんはVさんに現金3万円を渡した上でVさんと性行しました。その後、AさんはVさんにメールを送り続けましたが、Vさんからの返信はありませんでした。「Vさんに何かあったのではないか?」「もちかしたら警察に逮捕されたのではないか?」と不安になったAさんは、「Vさんに対する児童買春の件が警察にばれ、逮捕されるかもしれない」などと不安になり、今後、どう行動、対応していけばよいか尋ねるため、弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです。)

~ 援助交際は児童買春の罪に当たる ~

児童買春の罪は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)の4条に規定されています。

第4条
 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

そして、法律2条2項で「児童買春」がどんな行為なのか定義されています。

第2条2項
 この法律において、児童買春とは、次にか掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的欲求好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう)をすることをいう

1号 児童
2号 児童に対する性交等の周旋をした者
3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者」

なお、児童買春の罪が成立するには、当該行為が「児童買春」に当たるっことが必要である他に、行為者(Aさん)が相手方(Vさん)を児童(18歳未満の者)と認識しておく必要があります。ただし、認識の程度は確定的なものである必要はなく、未必的なもの(かもしれない程度のもの)で足りるとされています。

~ 自首 ~

自首とは,捜査機関に犯罪事実又は犯人が発覚する前に,犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告してその処分を委ねる意思表示を言います。
自首の手段としては法律上特段の制限はありません。
自ら捜査機関に出頭するのが通常の形態だと思われますが,書面による自首も有効です。

自首が成立すれば,法律上の効果として,量刑(刑の重さ)が減軽されることがあります(任意的減軽)。
また,自首が成立しなくても,自ら警察に出頭したことが有利な事実(情状)として考慮されることもあります。
ただ,そもそも自首に当たるのか,当たるとして具体的にどのような行動をとればいいのかについては弁護士に相談した方がよさそうです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部には,児童買春等の刑事事件を専門に取り扱う弁護士が所属しております。
児童買春を犯して,自首をお考えの方,そもそも自首に当たるのか判断に迷われている方は,ぜひ一度,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

児童買春で失職回避

2020-10-19

児童買春と失職回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。 

名古屋市熱田区に住む国家公務員のAさんは、SNSでVさん(17歳)と連絡を取り合うようになりました。Aさんは、Vさんが家出を希望していたことから、Vさんに自宅に来るよう誘い、自宅に泊まらせ、食事をご馳走した上でVさんとセックス(性交)をしました。Aさんは、後日、Vさんからの被害届を受けて捜査をしていた愛知県熱田警察署に児童買春の罪で逮捕されました。Aさんは、接見に来た弁護士に失職を回避できないか相談しました。
(フィクションです)

~ 児童買春の罪 ~

児童買春とは、児童(18歳未満の者)等に対し、対償(お金など)を供与し、又はその約束をして、当該児童に対し、性交等(性交類似行為等を含む)をすることをいいます(児童買春法2条2項)。
罰則は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」です(児童買春法4条)。

ちなみに、「対償」とは、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいいます。
現金のみならず、物の交付や債務の免除もこれに含まれます。

したがって、イヤリングやバッグを買ってあげてセックスした場合、家出している児童に食事や宿泊場所を提供してセックスした場合にも児童買春罪が成立し得ることになります。
金額やプレゼントの価値の大小は問いません。

~「失職」を回避するには!?~

まず、国家公務員の場合「禁錮以上の刑に処せられ(執行猶予を含む)」れば、「当然に」失職します。
他方、地方公務員の場合は、「禁錮以上の刑に処せられ(執行猶予を含む)」ても、条例に例外がある場合には失職しません。

ちなみに、「禁錮以上の刑」とは、懲役刑、禁錮刑のことを言い、罰金刑は含みません。
また、「刑に処せられ」とは、裁判で判決を受け、その判決が確定したことを言います。
ですから、上訴中の場合は「刑に処せられ」とは言えません。

上記のように、児童買春罪の場合、法定刑に懲役刑がありますから、検察に起訴され、裁判で懲役刑を求刑されれば、懲役刑の判決を受ける恐れが出てきます。
そのため、失職を回避するには、まずは起訴されるのを回避する、すなわち、不起訴処分を獲得することが必要です。

そして、不起訴処分を獲得するには、被害者側と示談を成立させることが重要です。
もちろん、示談することが必要条件ではありませんが、検察官が刑事処分を決めるにあたって重要な要素となります。

また、示談不成立となり起訴されたとしても、裁判で罰金刑が相当である旨を主張していくことも可能です。

※もっとも、起訴や懲役刑を回避できたとしても分限や懲戒の対象となることがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、児童買春をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

強制わいせつ等致傷罪で逮捕

2020-10-13

強制わいせつ等致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

男性であるAさん(30歳)は、深夜に女性Vさん(20歳)の自宅前でVさんが帰宅するのを待ち伏せし、帰宅したVさんの後ろから顔にタオルを押し当てて引き倒し、体を触るなどした際に顔などに全治1週間の軽いけがをさせたとして、愛知県東海警察署の警察官により強制わいせつ等致傷罪の容疑で逮捕されてしまいました。

Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。

(事実を基にしたフィクションです。)

~ 強制わいせつ等致傷罪 ~

強制わいせつ罪(刑法第176条)、準強制わいせつ罪(刑法第178条第1項)、監護者わいせつ罪(刑法第179条第1項)の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を傷害した場合には、強制わいせつ致傷罪が成立します。

まず、強制わいせつ罪は、①13歳以上の者に対して暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をすること、又は、②13歳未満の者に対してはわいせつな行為をすることによって成立する犯罪です。

次に、準強制わいせつ罪は、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心身を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせてわいせつな行為をすることによって成立する犯罪です。

最後に、監護者わいせつ罪は、平成29年刑法改正によって新設された犯罪であり、18歳未満の者に対し、その者を現に看護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をしたことによって成立する犯罪です。

上の事案のAさんは、13歳以上である20歳のVさんに対して、後ろから顔にタオルを押し当てて引き倒すという暴行を加えたうえで、体を触るというわいせつ行為をしているとして、上の3つのわいせつ罪のうち強制わいせつ罪の成立が考えられるということになります。

13歳以上の者に対する強制わいせつ罪が成立するためには、①暴行又は脅迫を用いて、②わいせつな行為をすることが必要となります。

強制わいせつ罪のいう「暴行」・「脅迫」は、暴行罪(刑法第208条)の「暴行」や脅迫罪(刑法第222条)の「脅迫」とは異なり、被害者の反抗を著しく困難にする程度の身体に対する有形力の行使・害悪の告知をいいます。

被害者の反抗を著しく困難にする程度か否かの判断は、加害者と被害者との体格差や性差、暴行・脅迫の態様・内容など様々な事情を考慮して行われます。

例えば、相手の肩をトントンと叩くような行為では、被害者の反抗を著しく困難にする程度とまでは言えないとして、強制わいせつ罪の「暴行」には当たらない可能性が高いです。

また、相手を後ろから羽交い絞めにしたうえで胸を揉むなど、暴行自体がわいせつ行為である場合も、相手方の反抗を著しく困難にする程度のものであれば、強制わいせつ罪の「暴行」に当たる可能性があります。

上の事案では、Vさんは女性であり、一般的に女性よりも力のある成人男性から顔にタオルを押し当てて引き倒されているため、このような暴行を受けた場合には抵抗することはもちろん、逃走することも困難であるといえます。

そうすると、Aさんの行為はVさんの反抗を著しく困難にする程度の「暴行」であるとして、強制わいせつ罪の言う「暴行」に当たると考えられます。

そして、AさんはVさんの体を触っており、胸やお尻などの人の正常な性的羞恥心を害する部位を触ったというばあいには、「わいせつな行為」として、Aさんの行為は強制わいせつ罪に当たると考えられます。

次に、「よって人を傷害した」といえるのかについて、強制わいせつ等致傷罪における致傷結果は、わいせつの機会に行われた密接関連行為・随伴行為から生じたもので足りると考えられています。

つまり、強制わいせつ等致傷罪における傷害結果は、わいせつの機会に行われた暴行・脅迫から生じていれば十分であるということになります。

上の事案でいえば、Vさんは顔などに全治1週間の軽いけがをするという「傷害」を負っていますが、これが引き倒された際に生じたものであっても、体を触られた際に生じたものであっても、「よって人を傷害した」といえるということになります。

そうすると、上の事案のAさんには強制わいせつ等致傷罪が成立する可能性があります。

強制わいせつ等致傷罪が成立した場合、無期または3年以上の懲役に処せられることがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

児童買春と逮捕後の流れ

2020-10-12

児童買春と逮捕後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市中村区に住むAさん(40歳)は、SNSで女子中学生のVさん(15歳)と知り合いました。そして、AさんはVさんが18歳未満であることを認識しながらVさんと会い、ホテルでVさんに現金3万円を渡してVさんと性交しました。その後、Aさんは愛知県中村警察署に児童買春の罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~児童買春の罪~

児童買春の罪は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。

法律4条
 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

児童買春とは、児童(18歳未満の者)等に対し、対償(お金など)を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう)をすることをいうとされています(法律2条2項)。
「対償」とは、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいいます。現金のみならず、物の交付や債務の免除もこれに含まれます。

Aさんは現金をという「対償」を渡した上で、Vさんと性交していますから、Aさんの当該行為は児童買春の罪に当たることは明らかです。

~逮捕後の手続きの流れ~

犯罪をしたとして警察に逮捕されると留置場に収容され、取調べ等を受けます。
その後、身柄と事件は検察庁へ送致され、検察官が逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断して勾留請求し、裁判官がこれを許可すれば10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束を受けます。。この勾留期間はさらに最大で10日間延長されることもあります。逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されれば、途中で釈放になる場合もあります。

弁護士としては、ご本人が反省していること、前科がない(少ない)こと、家族が監督していけることなど、ご本人に有利な事情をできる限り主張し、早期釈放や軽い判決が出ることを目指します。
あなたやご家族が何らかの犯罪で逮捕されたり取調べを受けると、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのかなど、不安が大きいと思います。

事件内容に応じてアドバイスいたしますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、援助交際・児童買春をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。どうぞ、お気軽にご相談ください。

強制わいせつ罪と送検前の釈放

2020-10-11

強制わいせつ罪と送検前の釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市熱田区に住むAさん(22歳)は、援助交際の目的で、出会い系サイトで知り合った女子高生のVさんと会うことにしました。Aさんは、Vさんと会いホテルに入りましたが、Vさんから援助交際を断られてしまいました。そこで、Aさんは部屋から出ていこうとするVさんの腕を引っ張り、ベットに羽交い絞めにして胸を揉むなどしました。Aさんは、さらに陰部を触ろうとしましたがVさんから抵抗されたことから、それ以上Vさんに手を出すことはできませんでした。後日、Aさんは愛知県熱田警察署に強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~強制わいせつ罪と送検前の釈放~

強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。

刑法176条
 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。 

強制わいせつ罪は罰金刑の設けられていない比較的重たい罪の部類に入ります。
発覚すれば逮捕される可能性が高いといえます。

警察に逮捕され、身柄拘束を継続する必要があると判断された場合、その後検察庁へ送致される(送検)手続きが取られます。
ところが、警察の判断でこの送検前に釈放されることもしばしばあります。

そもそも、

罪証隠滅のおそれ
逃亡のおそれ

がある認められる場合に身柄を拘束されるわけですから、反対にこれらの事情が認められない場合は身柄を拘束することはできず直ちに身柄を釈放しなければなりません。

現行犯逮捕の場合は、盗撮行為を見ず知らずの第三者に現認されていることが多いでしょうし、犯行に使用したスマートフォンなどは捜査機関に押収されるでしょう。したがって、被疑者が罪証隠滅行為を図る客観的可能性は低いと考えられます。
また、定職に就いている、適切な監督者がいる、ご家族と同居している、前科前歴がない(初犯である)、監護・介護を要する方がいるなどの事情が認められる場合には逃亡のおそれがないと判断されやすいでしょう。

~弁護士に接見を依頼しても弁護活動してくれない?~

弁護士と身柄を拘束された方との初めての接見を「初回接見」といいます。
通常、初回接見という場合、弁護士が身柄を拘束された方と「接見」をすることを内容とするものであって、その後の弁護活動は含まれないことに注意が必要です。弊所の場合も同様です。
したがって、初回接見後に、弁護士に弁護活動を依頼する場合は、弁護士が所属する法律事務所(あるいは弁護士)との間で新たに委任契約を結ぶ必要があります。
今回、Bさんは初回接見後の弁護活動につき委任契約を結ばれていませんが、たまたま捜査機関の判断でAさんが釈放された、という結果となっているわけです。

仮に、今回、Aさんの身柄拘束が継続され、Aさんが勾留されたとしたら、Bさんがそれまでに私選の弁護人を選任しない限り、Aさんに国選弁護人が選任されていたはずです。
しかし、今回、Aさんは勾留前に釈放されていますから、Aさんに国選弁護人が選任されることはありません。

在宅事件でも身柄事件と同様に厳しい取調べを受けることが予想されます。また、ご自身で示談交渉しようとしても捜査機関は加害者に被害者の連絡先などを教えません。したがって、厳しい取調べに対応してほしい、被害者と示談交渉してほしい、などという場合は私選の弁護人を選任するしかありません。

お困りの際はお気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、盗撮をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。盗撮でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

ストーカー規制法の警告と禁止命令等

2020-10-08

ストーカー規制法の警告と禁止命令等について、弁護人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県瀬戸市に住むAさんは、元交際相手のVさん宅付近でVさんを待ち伏せしたり、うろついたり、ときには住居に押し掛けたりしていました。そうしたところ、Aさんは瀬戸警察署から、これ以上、Vさん宅付近でVさんを待ち伏せたり、うろついたり、住居に押し掛けるなどのつきまとい等をしてはならない旨の警告を文書で受けました。それにもかかわらず、Aさんは、執拗に上記ストーカー行為を繰り返したため、今度は、愛知県公安委員会から更につきまとい等をしてはならないこと、更に反復して当該行為が行われることを防止するために必要な事項の禁止命令等を文書で受けました。Aさんは、今後のことが不安になって、ストーカー事案に詳しい弁護士に無料相談を申込みました。
(フィクションです)

~ ストーカー規制法と警告 ~

ストーカー規制法4条では、

1 被害者等の身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるつきまとい等があって
2 上記つきまとい等をした者が、さらに反復して当該つきまとい等をするおそれがあると認められ
3 警察が、被害者等(被害者の配偶者、親族等を含む)から当該つきまとい等に係る警告の申し出を受けた

場合に、警察本部長等は、当該つきまとい等をした者に対し「警告」することができると定めています。
警告に反したこと自体に罰則規定はありません。しかし、つきまとい等を繰り返すと「ストーカー行為」とみなされ、さらに「ストーカー行為」をした者に対しては罰則規定が設けられています(ストーカー規制法18条)。

被害者等の申し出は、被害者等が「警告申出書」に記入する方法によるとされています(口頭の申し出の場合は、警察職員が同申出書に代筆)。警告の方法は、原則、警告書を交付して行われますが、警告書を交付するいとまがないと認められるときは口頭で行われる場合もあります。

なお、さきほどから出てきている「つきまとい等」とは、以下の要件を満たす行為をいいます。

(目的)
・特定の者(Vさん)に対する恋愛感情その他の好意の感情を充足する目的
・上記が満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的

(相手)
・特定の人(Vさん)
・その人の配偶者(Vさんの夫)、直系若しくは同居の親族(Vさんの親など)
・その人と社会生活において密接な関係を有する者(Vさんの交際相手、友人など)

(行為)
・ストーカー規制法2条1項1号から8号に掲げられた行為(例:つきまとい、待ち伏せ、住居等に押し掛けなどは1号に該当)

~ ストーカー規制法と禁止命令等 ~

ストーカー規制法5条1項では、

・被害者等の身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるつきまとい等があって
・上記つきまとい等をした者が、さらに反復して当該つきまとい等をするおそれがあると認められ
・都道府県公安委員会が、被害者等からの申出、又は職権

により、都道府県公安委員会が、当該つきまとい行為をした者に対し、

・更に反復して当該行為をしてはならないこと
・更に反復して当該行為が行われることを防止するための必要な事項

を命じる(禁止命令等)ことができると定めています。

禁止命令等は、上記の警告を経なくても発することができます。
また、警告と異なり、被害者等の申し出によらず、職権(公安委員会の判断)で発することも可能とされています。
禁止命令等の効力は、禁止命令等をした日から起算して1年ですが、期間を延長されることがあります。
禁止命令等は行政処分の一種ですから、禁止命令等が発せられるにあたって聴聞の機会が与えられますが、緊急の場合には聴聞又は弁明の機会を与えなくてもよいとされています。

なお、警告の場合と異なり、

・禁止命令等に違反してストーカー行為をした場合は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金
・禁止命令等に違反してつきまとい等をすることにより、ストーカー行為をした場合は、上記同様
・禁止命令等に違反した場合は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金

に処せられるおそれがあることから注意が必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

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