Archive for the ‘刑事事件’ Category

【解決事例】軽犯罪法違反事件で不起訴処分を獲得

2022-10-13

軽犯罪法違反事件で不起訴処分を獲得した事例につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案の概要】

Aさん(70代男性)は、釣りに出かけることが趣味でした。
ある日、Aさんはいつものように愛知県春日井市へ釣りに出かけましたが、全く釣れなかったため、以前からよく釣れると噂があった、立入り禁止区域にある池に入り、釣りをすることにしました。
しかし、付近をパトロールしていた愛知県春日井警察署の警察官に軽犯罪法違反の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんは取調べの後、すぐに釈放され、在宅事件として捜査が続けられることになりました。
Aさんは、「家族に申し訳ないことをした。警察官からは今回の件は書類送検すると聞かされたが、息子の将来に影響が出るようなことだけは避けたい。」と相談時にお話されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

【軽犯罪法とは】

軽犯罪法とは、様々な軽微な秩序違反に対して、拘留や科料の刑を定めた法律です。
今回の事案では、Aさんが鉄柵で囲まれた立入禁止区域に正当な理由がないのに侵入してしまったことから、軽犯罪法1条32号に該当するとして、現行犯逮捕されたものと考えられます。

軽犯罪法
第一条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
一~三十一(略)
三十二 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者

【弁護活動】

Aさんは今回の件を深く反省しておりました。
そこで、弁護士が検察庁に対して、Aさんの奥様の上申書を提出し、①Aさんについては今後Aさんの奥様が監督していくこと、②今後Aさんが釣りに出かける際には、必ず夫婦一緒に出かけ、釣り場も管理釣場に限定すること、③社会貢献ができる仕事に再就職をすること、などを適切に主張し、寛大な処分を求めました。
その結果、Aさんは不起訴処分となりました。

【まとめ】

軽犯罪法違反事件で、今回の事案のような違反態様が比較的軽微なものについては、弁護士が本人の反省と今後の指導をしっかりと行うことで、再犯の可能性が無いことや、事案の軽微性・非悪質性を訴えて、検察官に不起訴処分とすることを求めます。
今回の事案でも、弁護士が上申書によって、Aさんの再犯可能性がないこと、奥様が今後しっかりとAさんを監督することなどを適切に主張したことが、不起訴処分に繋がりました。

軽犯罪法違反で逮捕されてしまった、又は今後取調べを受ける予定がある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
今回の事案のような軽犯罪法違反事件も数多く取り扱ってまいりました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

【解決事例】建造物侵入と窃盗で、教員免許に影響がない処分を獲得

2022-10-10

建造物侵入、窃盗事件で示談が成立し、教員免許に影響がない処分を獲得した解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事件の概要】

Aさんは愛知県瀬戸市にあるアルバイト先の喫茶店に忍び込み、備品を盗んだとして、愛知県瀬戸警察署で逮捕、勾留されています。
Aさんの妻は「うちは借金が多くて生活が苦しく、やむを得ずやってしまったのだと思います。夫は来年度から私立の中学校で教師として働くことが決まっています。重い罰を受けることになると、働くどころか教員免許がなくなってしまいます。もう二度とこのようなことはさせませんので、どうか教員免許がなくならないようにしてください。」と相談時にお話されました。
(実際に起こった事件をもとに、一部変更を加えています。)

【教員免許と前科について】

Aさんの妻が言っていたように、教員は重い罰を受けることになると、教員免許がなくなる可能性があります。

詳しく説明していきましょう。
結論からお伝えしますと
教員は禁錮以上の前科がつくと、免許を剥奪される
ということです。
教員は逮捕されたというだけでは免許がはく奪されることはありませんが
教育職員免許法5条1号3項、10条1項1号には
禁錮以上の刑に処された者は、教員免許を剥奪される
とあるのです。

また、学校教育法9条1号には
禁錮以上の刑に処されたものは、教職につくことができない
とあるのです。

※禁錮以上の刑とは、懲役や禁錮の実刑判決、懲役や禁錮の執行猶予の判決のことをさします

逮捕されただけでは免許剥奪とはなりませんし、捜査の結果、不起訴となった場合には免許が剥奪されることはありません。

ただし、不起訴となっても懲戒処分を下されるケースももちろんあります。
公立学校の先生であれば、地方公務員法にある懲戒処分の規定に沿って処分を下されることもありますし
私立学校の先生でも、各学校ごとに就業規則で、懲戒処分に処す規定を定めている場合もあります。

とにかく、刑事事件で検挙されたが、教員免許を剥奪されたくない、という場合は
まず第一に、不起訴処分を目指していくことになるでしょう。

【弁護活動について】

窃盗事件においても、示談の成立がとても大切です。
窃盗事件における示談とは、被害額の弁償や慰謝料を払うことで、被害者様に窃盗事件を起こしたことに対して許してもらう契約のことです。
窃盗事件の示談の場合、加害者が被害品の弁償金等の支払いをし、被害者からは身柄の早期釈放や寛大な処分などといった、意思表示をしてもらうことが多いのです。
つまり、今回のように不起訴処分を目指していくのならば、示談の締結をまず目指すことが多いのです。
今回の場合は、Aさんは結局もう1件、同じ店舗で窃盗をしており、被害者様と、2件の事件につきAさんからは被害弁償をして、被害者様からは「Aさんを許します」という内容を頂く示談を締結させました。
示談が締結した旨を検察官に文章で提出したところ、Aさんは次の日には釈放され、同時に不起訴処分となり
Aさんは、教員免許を剥奪されることはなく、教壇に立つことができました。

窃盗事件の法律相談
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、窃盗事件に関する法律相談を無料で承っております。
東海地方の窃盗事件に関するご相談については

フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)

にてご予約を承っておりますので、お気軽にお電話ください。

【名古屋】器物損壊事件の裁判を紹介【放火】

2022-10-07

器物損壊事件として起訴された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案】

今年3月、愛知県で起きた連続放火事件の裁判で、資材置き場などに火をつけて燃やした罪に問われていた54歳の男に、名古屋地裁は懲役1年・執行猶予3年の執行猶予付きの判決を言い渡しました。
(東海テレビ「「苛立ち解消のため火をつけ悪質」資材置き場等にライターで火 54歳作業員の男に執行猶予付きの有罪判決」(2022年7月14日)より引用)。

【放火事件で器物損壊罪?】

本件で被告人は、器物損壊罪(刑法261条)によって起訴されています。
連続放火事件であるにも関わらず、なぜ放火罪ではなく器物損壊罪が適用されているのでしょうか。
本件は資材置場などに放火していることから、仮に放火罪が適用されるとすれば、放火罪の類型の中でも他人所有建造物等以外放火罪(110条1項)の成否が問題となります。
もっとも、同罪が成立するためには、「公共の危険」が生じたといえる必要があります。
「公共の危険」とは、刑法108条及び109条1項に規定する建造物等に対する延焼の危険のみに限られるものではなく、不特定又は多数の人の生命、身体又は前記建造物等以外の財産に対する危険も含まれる(最判平成15年4月14日)と解されています。
つまり、「建造物等以外」に放火したとしても、不特定又は多数人の生命、身体、財産が危険に晒されなければ「公共の危険」が発生したとはいえないのです。
したがって本件では、このような「公共の危険」の発生は認められないとして、器物損壊罪が成立するにとどまると判断したものと考えられます。

【放火事件における弁護活動】

上記他人所有非建造物等以外放火罪(110条1項)の法定刑は、「1年以上10年以下の懲役」であり、器物損壊罪(261条)の「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」とは歴然とした差が存在します。
本事案では執行猶予判決が下されており、実刑判決を回避することができています。
どのような罪名で起訴されるかは、起訴前の弁護活動によって左右される部分も少なくなく、早期の刑事弁護士による弁護活動の重要性は決して低くありません。
さらに、起訴前・起訴後におけるいわゆる情状弁護が量刑に与える影響も軽視できません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊等の放火事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
器物損壊事件で逮捕や起訴された方およびご家族は、24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにご連絡ください。

【解決事例】名古屋市守山区の麻薬及び向精神薬取締法違反事件で執行猶予処分を獲得

2022-10-04

名古屋市守山区の麻薬及び向精神薬取締法違反事件で執行猶予処分を獲得した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案の概要】

Aさんは、名古屋市守山区にあるコンビニエンスストアの駐車場に自家用車を停車させ、仮眠をとっていたところ、付近をパトロールしていた警察官に職務質問を受けました。
その際、Aさんが何かを隠すような素振りを見せたことを不審に思った愛知県守山警察署の警察官が、Aさんの許可を得て車内を検査したところ、LSD(麻薬の一種)が見つかりました。
その後守山警察署で取り調べを受けたAさんは、警察官に「鑑定の結果次第では再度取り調べを行うから、その際は出頭するように。」と言われました。
相談時、Aさんは、「自分は10年以上前に大麻取締法違反で執行猶予付き判決を受けている。既に執行猶予期間は明けているが、それを理由に今回の件が実刑判決にならないか心配です。」とお話されました。
(フィクションです)

【具体的な弁護活動】

Aさんはその後の捜査・取調べの結果、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴され、裁判となりました。
まず、弁護士が裁判において、被告人が薬物依存から脱却するため、自らの意思で通院治療や自助グループへ積極的に参加していることから、再度の執行猶予を与えることで、薬物依存脱却の機会を与えるべきだと主張しました。
また、Aさんは今回の件を理由に勤務していた会社を退職していましたが、執行猶予付き判決となれば再雇用することを当該会社が約束していることや、今後はAさんの父が監督をすること、薬物に関する人間関係を全て断絶するために当時使用していた携帯電話を解約していることなど、再犯防止・生活安定のための環境が整っていることも主張しました。
さらに、Aさんに同種前科があることについても、10年以上再犯に至ることなく生活していることから、再犯を理由に実刑に処するほどの非難に値せず、執行猶予付き判決が相当であると主張しました。
その結果、Aさんは執行猶予付き判決となりました。

【まとめ】

薬物犯罪で少しでも刑事処分を軽くしたいと考えている場合、被告人が深く反省していることだけでなく、薬物犯罪に手を染めない(再犯をしない)ための具体策実施と環境作りが十分にとられていることを裁判で適切に主張することが重要になります。
今回のケースでも、Aさんが薬物依存脱却へ向けて通院治療や自助グループへの参加をしていることや、Aさんだけでなく周りの人たちがAさんの社会復帰のための環境作りに尽力することを約束していることなどを適切に主張したことが、執行猶予付き判決の獲得に繋がったと考えられます。
また、同種前科があっても、今回のケースのように、既に執行猶予期間が経過し、その後数年間再犯がなかったような場合には、適切な弁護活動により実刑判決を回避できる可能性があります。

薬物犯罪で少しでも刑事処分を軽くしたいと考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
今回の事案のような麻薬及び向精神薬取締法違反事件も数多く取り扱ってまいりました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

シンナーを正当な目的で所持すること

2022-09-28

シンナーを正当な目的で所持することについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。 

【刑事事件例】

AさんはDIYが趣味で、自宅で塗料を希釈するために、ホームセンターでシンナーを購入し、帰途についていました。
帰宅途中、Aさんは名古屋市名東区の路上で、愛知県名東警察署の警察官から職務質問を受けました。
警察官は、Aさんが所持していたシンナーについて「吸うために持っているんだろう」と言い、Aさんが「DIYで使う」と説明しても納得してくれませんでした。
結局、Aさんは近くの交番へ行くことになり、毒物及び劇物取締法違反容疑で話を聞かれた後、Aさんには犯罪は成立しないとして開放されました。
(フィクションです)

【シンナーは持っているだけで犯罪になるのですか?】

シンナーは持っているだけで犯罪になるのか?と心配になった方もいらっしゃるかもしれません。

Aさんは塗料を希釈するためにシンナーを持っていた、というようにシンナーには溶剤としての使い道があります。
シンナーについては、あくまで「吸入目的」で所持していなければ、犯罪にはなりません。
ですので、事例のような場合は、毒物及び劇物取締法違反は成立しません。

参考に、シンナー関係の法定刑についてみていきましょう。
毒物及び劇物取締法に規定があり、広く犯罪行為が規定されていますが、代表的なものとして

①無登録販売等
3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこの併科

②(摂取・吸入・これら目的の所持を知情しての)販売、授与
2年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこの併科

③摂取・吸入・これら目的の所持
1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこの併科

などがあります。

【正当な目的で所持していたのに検挙されたら】

事例の場合、Aさんはその場で犯罪は成立しないと判断されました。
しかし、正当な目的でシンナーを所持していて、毒物及び劇物取締法違反として検挙されてしまったらどうしたらよいのでしょうか。

その時は、取調べで不利な調書を作られるなどされた結果の冤罪を防ぐためにも、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談してください。

正当な理由でシンナーを所持していたことを、弁護士から捜査機関に主張していくことや、
もちろん捜査の過程(職務質問・所持品検査・取り調べなど)で、重大な違法行為があれば、その旨を主張していくことも可能です。

シンナーなど、薬物事件で検挙されたけど、その理由や捜査に納得がいかない方は、これからどうするべきかを薬物事件や刑事事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、薬物事件を多く扱う刑事事件専門の法律事務所です。
シンナーを正当な目的で所持していたのに検挙されてしまった、検挙されたが捜査に納得がいかないという方は、年中無休で対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。

【解決事例】建造物侵入事件で不起訴処分を獲得

2022-09-25

勤務先に忍び込んだ建造物侵入事件で捜査されたものの、不起訴処分となった事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案】

Aさんは勤務先の名古屋市中川区にあるファーストフード店の更衣室に忍び込み、更衣室に置いてあった同僚女性Vさんの私物をスマートフォンで撮影したとして、愛知県中川警察署において建造物侵入容疑で任意の捜査を受けています。
Aさんは、「店長に撮影しているところを見られており、先日自主退職をしました。就職活動をしているのですが、前科がついてしまうと影響が出てしまいます。」と相談時にお話されました。
(守秘義務・個人情報保護のため、地名や事件内容などを一部変更しています。)

【弁護活動】

Aさんが撮影した私物の所有者Vさんに、示談のお話をさせていただけないかとお伝えしましたが、Vさんは「弁護士さんでも、Aさんからは謝罪のお手紙も賠償のお金も受け取りたくありません。」とお断りされました。
そこで弁護士は、日本弁護士連合会及び愛知県弁護士会に贖罪寄付を行いました。
その後検察庁にVさんに示談をお断りされたが、贖罪寄付を行い、Aさんのご両親がこれからAさんが二度とこのような事件を起こさないように監督していく、旨を書類で提出した結果、Aさんは前科とならない不起訴処分となりました。

【贖罪寄付とは?】

贖罪寄付とは、犯罪の疑いをかけられた加害者が、罪を認めて深く反省している思いを客観的にわかるようにするために、一定の金額を弁護士会などの団体に寄付することをいいます。
贖罪寄付を行うと、寄付先から贖罪寄付を行ったことの証明書が発行されます。
その証明書を検察官や裁判所に提出することにより、加害者が罪を認め、深く反省していることを客観的に証明することができるのです。
それは加害者に有利な事項として、起訴前ならば不起訴処分、起訴後ならば執行猶予判決や刑の軽減、身柄を拘束されているなら釈放や保釈の許可などの効果を得る可能性が高くなるのです。

ではどのような場合に贖罪寄付を検討すべきかというと
①被害者が存在しない罪に問われている場合
②被害者は存在するが、被害者が示談に応じない場合
があります。

①、②どちらの場合でも、贖罪寄付の手続きは基本的に弁護士が行います。
贖罪寄付を含め、処分の軽減を目指していくには、まずは弁護士に相談するのが良いでしょう。

被害者様と示談をしたい、処分を少しでも軽くしたい、贖罪寄付について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では無料相談を行っておりますので、
0120-631-881(24時間受付)のフリーダイヤルまで御連絡ください。

【解決事例】窃盗事案で事件にならない結果

2022-09-19

窃盗事案で事件にならなかった結果について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案】

Aさん(50代男性)は、勤務先の名古屋市南区にある飲食店から、数回店内の装飾品や備品などを盗んでネットオークションで転売していましたが、ある日店長に備品を盗んでいるところを発見され、その後店舗と「賠償金として500万円払う」という内容の示談を締結していました。
Aさんは相談時に「私が悪いので示談書にサインはしましたが、私が盗んだものの値段を考えると500万円はさすがに高すぎると思いました。500万円を払わなければ、愛知県南警察署に被害届を出すと店長は言っています。弁護士さんが間に入って、示談をやり直してほしいです」と相談時にお話されました。
(※守秘義務及び個人情報保護の観点から一部、事実と異なる記載をしています。)

【事件化前(警察が介入する前)の示談について】

窃盗事件においては、示談締結はとても重要です。
いくつか理由はあるのですが、そのうちの一つが
「警察が介入する前に、窃盗の被害者と示談を成立させることで、刑事事件化自体を防ぐことができる可能性が高まる」
からです。

【窃盗事件の示談金相場について】

まず、窃盗事件の示談とは、被害額の弁償や慰謝料(示談金)を払うことで、窃盗事件を起こしてしまったことに対して許してもらう契約の事です。
では、適正な示談金の相場はいくらなのですか?と思われるかもしれません。
示談金は、窃盗による被害金の大きさ、加害者の被害者に対する処罰感情、加害者の経済事情、加害者の処分見通し等の事情を考慮して、当事者同士の交渉で決定しますので、具体的にいくら、というのは難しいところです。

交渉で示談金が変動するので、交渉経験が豊富な弁護士が介入することで示談金の額が有利に変動する可能性もあります。
逆に、弁護士を入れない、または交渉経験が少ない弁護士が介入すると、示談金の額が不当に高額になるなど、不利になる可能性もあるのです。

【弁護活動】

被害店舗様に対し、再度示談交渉を行いたい旨お伝えしたところ、被害店舗様代理人と再度交渉することとなりました。
被害店舗様代理人と再度示談交渉を行った結果、当初500万円とした示談金を250万円として、示談を締結することができました。
示談が締結したことで、被害店舗様から被害届が提出されることがなく、事件化する前に解決することができました。


愛知県内において勤務先で窃盗をしたが、無茶な示談を締結されそうで困っている、示談について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では初回無料法律相談も行っておりますので、お困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。

不当な取調べに対する抗議

2022-09-16

今回は、身に覚えのない窃盗の疑いで恫喝的な取調べを受けた場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

~ケース~

Aさんの住んでいる名古屋市緑区では、連続侵入盗事件が起きており、今のところ犯人は検挙されていません。
Aさん自身も多発する窃盗事件に不安を覚えていたところでしたが、ある日、愛知県緑警察署から電話があり、「任意でお聞きしたいことがあるので愛知県緑警察署に出頭されたい」とのことでした。
愛知県緑警察署に出頭してみると、取調室に通され、冒頭の侵入盗事件についての関与の有無を問われました。
全く身に覚えが無い、と答えると、警察官らは「犯人はみんなそう言う、ウソをつくな」などと最初から犯人であると決めつけられ、耳元で大きな声で質問されるなど、恫喝的な取調べが遅くまで続きました。
その日、Aさんは家に帰ることができましたが、警察官からは「また呼び出すから出頭しろ」と告げられており、正直なところ気乗りしない心境です。
(フィクションです)

~ケースの問題点を考察~

(恫喝的な取調べが長時間行われている)
かつては、ケースのように被疑事実を否認する被疑者に対し、殴る蹴るなどの暴行を加える取調べが多々ありました。
近年ではこのような取調べがなされるケースは少なくなってきているものと思われますが、絶対に無いとはいえない、というのが現状です。

暴力が用いられないとしても、恫喝的、威圧的な取調べは現在でもよく行われているといわれています。
このような取調べの典型例として、
・認めれば早く出られる、罪が軽くなる、などと誘惑する
・黙秘するなら一生出られない、家族も逮捕することになる、などと告げる
・隠すのなら家族や知り合い、勤務先も捜索する必要がある、などと告げる
といったものがあります。

言うまでもありませんが、取調室で警察官に囲まれ、このような取調べを受け続けていれば、計り知れない負担を受けることになります。

(冤罪事件を生む危険性)
誘惑や恫喝は、被疑者を心理的に動揺させるため、あるいは、強引に被疑事実を認めさせるために行われます。
このような手法がとられる取調べには、とにかく事件を起こしたことを認めてしまえば現況から解放されて楽になる、と考え、自身が犯人であると自白する供述調書にサインをさせたり、自身に不利な供述をさせてしまう危険性があります。

調書は取調官が作成したものにサインをする、という形式や、取調官が「助言」した通りに自筆する、という形式がとられることが多いようです。
そのため、身に覚えのない被疑事実の自白はサインをするだけで簡単に、事件の詳細についてまですることができます。

~対処法はあるか~

(まずは弁護士に相談)
ケースのような取調べを受けた場合、どうすればよいのでしょうか。
まずは刑事事件に詳しい弁護士と相談し、アドバイスを受けることを強くおすすめします。

Aさんはすでに次回の取調べに臨むことが億劫になっています。
しかしながら、現段階で任意の取調べであるとしても、正当な理由なく取調べを拒否すれば、逮捕されてしまうリスクもあります。
逮捕されてしまうと、後に無実であることが判明しても、円滑な社会復帰は困難になります。

このような場合は、弁護士に事件解決を依頼し、捜査機関に対して抗議を行ってもらうことが必要です。
依頼された弁護士において、取調官本人やその上司、所轄の警察署長、検察官に対して違法・不当な取調べを行わないよう抗議します。
直接抗議するだけでなく、書面を郵送して抗議を行う場合もあります。
このような抗議を行うことによって、違法・不当な取調べを抑制できる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
身に覚えのない疑いで威圧的、恫喝的な取調べを受け、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

【解決事例】国家公務員の窃盗(万引き)事件 身分剥奪を回避した事例

2022-09-10

国家公務員の窃盗事件で、身分剥奪を回避した事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事件の概要】

国家公務員のAさん(20代男性)は、名古屋市瑞穂区にある100円均一ショップで、500円相当の商品を万引きしたところ警備員に捕まり、その後愛知県瑞穂警察署において在宅で取調べを受け、名古屋地方検察庁に事件を送致されていました。
Aさんは「私は万引きで捕まるのは2回目です。私は国家公務員ですので、もう今回の事件で仕事を辞めさせられるのでしょうか」と相談時にお話されました。
(実際に起こった事件をもとに、一部変更を加えています。)

【公務員の身分と事件について】

公務員の方は、事件で逮捕・検挙されたら公務員を辞めさせられてしまうのではと、不安に思われると思います。
しかし、法律上は逮捕・検挙されただけで直ちに公務員を辞めさせられることにはなっていないのです。

①国家公務員の場合
国家公務員の場合、国家公務員法76条・38条2号に規定があります。
そのなかには、起訴されて有罪判決を受け、禁錮以上の刑に処せられた場合、執行猶予付きの判決であってもその職を失うことになる、とあります。。
懲戒処分等の必要はなく、当然に失職することになっています。
また、起訴された場合は国家公務員法79条2項2号に規定があり、そのなかには、その意に反して休職させられることがあるとあります。

②地方公務員の場合
地方公務員の場合も、地方公務員法28条4項・16条2号に規定があります。
そのなかには、起訴されて有罪判決を受け、禁錮以上の刑に処せられた場合、執行猶予付きの判決であってもその職を失うこととなっています。
ただし、「条例に特別の定がある場合を除く外、」と定めがあり、条例に特例がある場合は、地方公務員の職を失わないことがあります(各都道府県の職員の分限に関する条例など)。
また、起訴された場合は、地方公務員法28条2項2号に規定があり、そのなかには、その意に反して休職させられることがあるとあります。

以上のように、国家公務員でも地方公務員でも、法律上は逮捕・検挙されただけで失職することはありません。

【事実上辞めなければならない可能性】

しかし逮捕、勾留されてしまうと、出勤することができなくなってしまいます。
逮捕されてもすぐに家族に連絡ができるとは限らないため、無断欠勤が続けば、公務員に必要な適格性を欠くと判断されて免職処分を受ける可能性もゼロではありません。
そもそも、逮捕されたことが勤務先に知られること自体が、その後の勤務を続けづらくする可能性があります。
さんは
逮捕されることが無くても、刑事事件を起こした疑いをもたれて、取調べを受けるなど捜査されていることが勤務先や学校などの周囲に知られてしまえば、周囲から疑いの目を向けられ、これまでのように仕事を続けることができなくなるかもしれません。

【弁護活動】

被害店舗様に示談の申し入れをしたところ、快く受けてくださりました。
その後、示談交渉を行った結果、「Aさんは被害店舗様に深く謝罪したうえで、示談金として6万円をお支払いし、被害店舗様はAさんを許す」という内容の示談を締結することができました。
その結果、Aさんは公訴を提起しない処分(不起訴処分)となりました。

不起訴処分は、起訴をされることなく(裁判に進むことなく)事件が終了する処分のことですので、Aさんは職を失うことは無く、休職となることもありませんでした。
また、事件については職場に知られることもなく、Aさんは事件後も以前と同じく仕事を続けていけることになりました。

窃盗(万引き)事件の法律相談
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、窃盗(万引き)事件に関する法律相談を無料で承っております。
東海三県や周辺地域の窃盗(万引き)事件に関するご相談については

フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)

にてご予約を承っておりますので、お気軽にお電話ください。

【ニュース紹介】俺コロナと嘘 偽計業務妨害罪で逮捕(名古屋)

2022-09-07

俺コロナと嘘の申告をして、偽計業務妨害罪で逮捕された事例につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【ニュース概要】

愛知県昭和警察署は、偽計業務妨害の疑いで、40代の男を逮捕しました。
記事によると、別の容疑で逮捕され取調べを受けていた男が、昭和警察署内で「俺コロナだからね。昨日病院で言われた。PCR検査でコロナ陽性」とうその申告をし、昭和警察署の警察官に消毒などをさせ、業務を妨害したということです。
男はその後のPCR検査で陰性が確認されており、認否を留保しているとのことです。
(6月21日中日新聞掲載の記事を参考に、一部変更したものです)

【偽計業務妨害罪とは】

偽計業務妨害罪とは、刑法第233条に規定されています。
「偽計を用いて」とは、人をだましたり、人の不知や勘違いを利用することをいいます。

刑法第233条 
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

今回の事案では、新型コロナウイルス感染症に感染していないのにもかかわらず、感染したとうその申告をし、これにより、昭和警察署の警察官にする必要のなかった昭和警察署内の消毒などを行わせているので、同罪が成立すると考えられます。

類似の事案としては、離陸前の航空機内で新型コロナウイルスに感染している旨の発言を行った事案、電車内において新型コロナウイルス感染症に罹患しており、自分に近付くと感染する旨の発言をした事案などがあります。
いずれも、新型コロナウイルス感染症に感染していないのにもかかわらず、「感染した」とうそをついたことで、飛行機や公共交通機関の運行を妨げたことが、「偽計を用いて、…その業務を妨害した」として、偽計業務妨害罪にあたると判断されたようです。

【事案の特殊性から不起訴獲得は難しい】

今回と類似する事案は、新型コロナウイルス感染症が流行して以降、たびたび報道されています。
そして、今回の事案のように、警察官(公務員)の業務を妨害した場合は、不起訴処分の獲得は非常に難しいです。
警察などの公的機関が被害者である場合、基本的に示談には応じてくれないことがほとんどです。
これは、警察官(公務員)の業務を妨害していますので、公務員の公務を侵害された「国」が被害者だと考えられるためです。
したがって、示談交渉による不起訴処分の獲得はほぼ見込めません。

さらに、起訴された場合には、裁判所による厳しい判決が下されることが予想されます。
裁判所は、類似する事案の判決理由に、「新型コロナウイルスが深刻な社会問題となっていたこと」から、「社会全体に及ぼした影響は大きく、発生した結果は相当に重大である」ことを挙げていることが多く、新型コロナウイルスに関連する刑事事件については、厳しい態度で臨んでいることがわかります。

【実刑を回避するためには適切な弁護活動が不可欠】

示談が出来ない場合であっても、罰金刑を求めたり、公判になったとしても執行猶予付き判決を求めるなど、実刑を回避する弁護活動は可能です。
具体例として、示談の申入れをしていた経緯を書面で残すことにより誠意をもって被害回復に努めたことや、直接被害弁償が出来なかった代わりに贖罪寄付をすることが考えられます。
また、情状証人による嘆願などの情状弁護により減刑を求めたり、きちんと反省をしている態度を示すことも大切です。

このように、刑事事件に強い弁護士が適切な弁護活動を行うことで、不起訴や執行猶予を獲得できる場合があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。偽計業務妨害罪事件に詳しい弁護士も在籍しております。是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

 

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