Archive for the ‘財産犯・経済事件’ Category
愛知県名古屋市緑区の強盗事件で逮捕
愛知県名古屋市緑区の強盗事件で逮捕
愛知県名古屋市緑区の強盗事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、愛知県名古屋市緑区においてタクシー運転手であるVさんの胸倉を掴んだうえ顔面を殴って逃走し、料金約7000円を踏み倒したとして強盗罪の容疑で逮捕されました。
強盗罪の容疑での逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、愛知県名古屋市緑区に近い刑事事件に強い法律事務所への法律相談を検討しています。
(8月31日FNNニュースに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【強盗罪とは】
「暴行又は脅迫を用いて財産上不法の利益を得た者」には、強盗罪が成立します(刑法236条2項)。
強盗罪の法律に定められた刑(法定刑)は、5年以上の有期懲役です。
強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて「他人の財物」を強取した者に成立する(刑法236条1項)だけでなく、暴行又は脅迫を用いて「財産上不法の利益」を得、又は他人にこれを得させた者にも成立します。
そのため、「他人の財物」を目的とする通常の強盗罪と区別して、「財産上不法の利益」を対象とする強盗罪を利益強盗罪と呼ぶことがあります。
強盗罪の手段である「暴行又は脅迫」は、強盗事件の被害者の反抗を抑圧するに足りるものである必要があります。
そして、強盗事件の被害者の反抗を抑圧するに足りるか否かは、強盗事件の犯人および強盗事件の被害者の性別・年齢、強盗事件の犯行の状況、凶器の有無等の具体的事情を考慮して客観的に判断されると考えられています。
刑事事件例において、AさんはVさんの胸倉を掴んだうえ顔面を殴っています。
一般人であれば胸倉を掴まれ顔面を殴られると生命ないし身体に危害が加えられると畏怖し、反抗を抑圧されると考えられます。
よって、Aさんの暴行は、強盗罪における「暴行」に該当すると考えられます。
また、強盗罪における「財産上不法な利益」とは、財産上の利益を不法に移転させることを意味します。
具体的には、強盗罪における財産上の利益には、債務の免除や履行期の延長、債務負担の約束などが該当すると考えられています。
刑事事件例において、AさんはVさんに対してタクシー代金の支払債務を負っています。
よって、AさんのVさんに対する債務は強盗罪における財産上の利益に該当すると考えられます。
そして、AさんはVさんに対する債務を不法に免れています。
よって、AさんがVさんに対する債務を不法に免れたことは、強盗罪における「財産上不法な利益」に該当すると考えられます。
以上より、Aさんには強盗罪が成立すると考えられます。
【強盗罪と刑事裁判】
Aさんは現在強盗罪の容疑で逮捕されているところ、Aさんが強盗罪で刑事裁判に提訴(起訴)された場合、上述の通り、Aさんには5年以上の有期懲役が科せられる可能性があります。
実刑が科せられると刑務所に服役することが強いられ、通常の社会生活が送ることができなくなるという不利益を被ることになります。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役と範囲が広く、具体的にいかなる期間の懲役が処断されるのかは刑事事件によって様々であるということができると考えられます。
弁護士としては、強盗事件の被告人の方に利益となるような量刑を獲得できるよう、強盗事件の被害者と示談交渉を行うことなどが考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強盗罪のような財産犯罪を犯した方の刑事弁護活動を行った実績のある刑事弁護士も多数在籍しております。
愛知県名古屋市緑区の強盗事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
愛知県名古屋市天白区の特殊詐欺(窃盗)事件で逮捕
愛知県名古屋市天白区の特殊詐欺(窃盗)事件で逮捕
愛知県名古屋市天白区の特殊詐欺(窃盗)事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、知人であるBさん・Cさんと共謀し、金融機関職員を装い愛知県名古屋市天白区にあるVさんの自宅を訪れ、「あなたの名義の銀行口座が不正使用された」「あなたが持っているキャッシュカードを封筒に入れて厳重に保管して欲しい」などと言いました。
そして、Vさんが目を離しているうちに偽のキャッシュカードとすり替え、Vさんのキャッシュカードを盗み取りました。
その後、Aさんは愛知県警天白警察署により窃盗罪の容疑で逮捕されました。
AさんはVさんからキャッシュカードを受け取る係、いわゆる特殊詐欺の「受け子」とみられ、窃盗罪の容疑を認めています。
窃盗罪の容疑での逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、愛知県名古屋市天白区に近い刑事事件に強い法律事務所への法律相談を検討しています。
(フィクションです。)
【特殊詐欺(すり替え型)とは】
特殊詐欺(すり替え型)とは、以下の方法などにより特殊詐欺の被害者からキャッシュカードを盗み取る犯罪をいいます。
①金融機関職員などを装い、特殊詐欺の被害者に対して、銀行口座が不正使用されたためキャッシュカードを厳重に保管して欲しいなどと嘘を言います。
②キャッシュカードを受け取る係、いわゆる特殊詐欺の「受け子」が、キャッシュカードを厳重に保管されていることを確認するなどという名目で特殊詐欺の被害者の自宅に訪問します。
③特殊詐欺の被害者が目を離しているうちに準備していた偽のキャッシュカードとすり替えます。
④あたかも特殊詐欺の被害者から預かったキャッシュカードであるかのように偽のキャッシュカードを特殊詐欺の被害者に返還します。
以下では、特殊詐欺の「受け子」にいかなる犯罪が成立するかを検討します。
【窃盗罪とは】
「他人の財物を窃取した者」には、窃盗罪が成立します(刑法235条)。
窃盗罪の法律に定められた刑(法定刑)は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
特殊詐欺の刑事事件例におけるVさんのキャッシュカードが窃盗罪における「財物」に該当することは明らかです。
また、窃盗罪における「窃取」とは、財物の占有(事実上の支配)者の意思に反して、その占有(事実上の支配)を侵害し、自己又は第三者の占有(事実上の支配)へ移すことをいいます。
特殊詐欺の刑事事件例において、Aさんは、キャッシュカードを占有(事実上支配)していたVさんの意思に反して、Vさんのキャッシュカードに対する占有(事実上の支配)を侵害し、キャッシュカードをAさんの占有(事実上の支配)に移しています。
よって、Aさんの行為は窃盗罪における「窃取」に該当すると考えられます。
以上より、Aさんには窃盗罪が成立すると考えられます。
【窃盗罪と特殊詐欺】
ところで、特殊詐欺はその名称から詐欺罪が成立するのではないかと疑問に思うのではないでしょうか。
詐欺罪は「人を欺いて財物を交付させた者」に成立します(刑法246条)。
詐欺罪の法律に定められた刑(法定刑)は、10年以下の懲役です。
詐欺罪は、①詐欺罪の被害者を欺いて②錯誤に陥らせ、その錯誤に基づき③財物を交付させ、④財物を取得するという一連の行為により成立します。
詐欺罪における③財物の交付行為があるというためには、詐欺罪の被害者の瑕疵ある意思に基づき財物の占有(事実上の支配)が終局的に移転したということが必要です。
また、詐欺罪における③財物の交付行為があるというためには、詐欺罪の被害者が財物を相手方に移転させるという認識があったことが必要です。
特殊詐欺の刑事事件例において、確かにAさんはVさんに対して銀行口座が不正使用されたと嘘を言うことでVさんを欺いています。
ここに詐欺罪における①詐欺罪の被害者を欺く行為があったと考えられます。
また、Vさんは銀行口座が不正使用されたためキャッシュカードの厳重な保管が必要であるという錯誤に陥っています。
ここに詐欺罪における被害者の②錯誤があったと考えられます。
しかし、Vさんはその錯誤に基づきキャッシュカードを交付しておらず、詐欺罪における財物の終局的な処分はありません。
また、Vさんに詐欺罪における財物の終局的な処分の意思もありません。
すなわち特殊詐欺の刑事事件例には、詐欺罪における③財物の交付行為がなかったと考えられます。
よって、Aさんには詐欺罪が成立しないと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
特殊詐欺(窃盗)事件を起こした方の刑事弁護活動を行った実績のある刑事弁護士も在籍しております。
愛知県名古屋市天白区の特殊詐欺(窃盗)事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
愛知県名古屋市港区の住居侵入・強盗事件で逮捕
愛知県名古屋市港区の住居侵入・強盗事件で逮捕
愛知県名古屋市港区の住居侵入・強盗事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさん(22歳)は、愛知県名古屋市港区において、ガスの点検作業員を装いVさん(80歳)の家に押し入って粘着テープで縛るなどの暴行を加え現金2万円や預金通帳を奪ったとして、愛知県港警察署の警察官により住居侵入罪及び強盗罪の容疑で逮捕されました。
愛知県港警察署の警察官による住居侵入罪及び強盗罪の容疑での取調べに対し、Aさんは住居侵入罪及び強盗罪の容疑を認めています。
住居侵入罪及び強盗罪の容疑での逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、愛知県名古屋市港区に近い刑事事件に強い法律事務所への法律相談を検討しています。
(2020年9月11日に千葉日報に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【住居侵入罪とは】
「正当な理由がないのに、人の住居」「に侵入し」た者には、住居侵入罪が成立します(刑法130条)。
住居侵入罪の法律に定められた刑(法定刑)は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金です。
住居侵入罪における「侵入」とは、住居の居住者・看守者(住居権者・管理権者)の意思に反する立入りを意味すると考えられています。
そして、住居の居住者・看守者(住居権者・管理権者)の意思とは、具体的には「住居に誰を立ち入らせ、誰の滞留を許すか」という意思であると考えられています。
刑事事件例において、Aさんは強盗目的でガスの点検作業員を装いVさんの住居に侵入しています。
真実のところガスの点検作員でない強盗目的を有する者(Aさん)を自身の住居に立ち入らせる意思をVさんが有していたとは通常考えられません。
よって、Aさんの立入りは住居侵入罪における「侵入」に該当すると考えられます。
また、Vさんの住居が住居侵入罪における「住居」に該当すること、Aさんの立入りに住居侵入罪における「正当な理由がない」ことは明らかです。
以上より、Aさんには住居侵入罪が成立すると考えられます。
【強盗罪とは】
「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」には、強盗罪が成立します(刑法236条)。
強盗罪の法律に定められた刑(法定刑)は、5年以上の有期懲役です。
強盗罪における「暴行」とは、強盗事件の被害者の意思を制圧して財物を奪取するに足りるものである必要があります。
そのため、強盗罪における「暴行」とは、強盗事件の被害者の反抗を抑圧するに足りるものである必要があると考えられています。
刑事事件例において、Aさん(22歳)はVさん(80歳)の家に押し入って粘着テープで縛るなどの暴行を加えています。
この粘着テープを持って縛り上げるなどの行為は、若年で体力のあるAさんが高齢で体力のないVさんに対してなしたものです。
よって、Aさんの暴行行為はVさんの反抗を抑圧するに足りるものであり、強盗罪における「暴行」に該当すると考えられます。
そして、強盗罪における「強取」とは、強盗罪における「暴行又は脅迫」を手段として、財物に対する事実上の支配(占有)を所得することをいいます。
刑事事件例において、Aさんは(前述の通り)強盗罪における「暴行」を行い、強盗罪における「財物」に該当する現金2万円や預金通帳を取得しています(Aさんの事実的支配下に置いています)。
よって、Aさんの取得行為は強盗罪における「強取」に該当すると考えられます。
以上より、Aさんには強盗罪が成立すると考えられます。
【住居侵入罪及び強盗罪と示談】
住居侵入・強盗事件の被害者であるVさんと示談締結をした場合、住居侵入罪及び強盗罪での刑事裁判でなされる量刑判断において、一般情状として斟酌される可能性があります。
刑事弁護士としては、住居侵入・強盗事件の被害者であるVさんとの間で正式な謝罪や被害の弁償をすることができるよう、示談交渉を開始することができると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
住居侵入罪及び強盗罪を犯した方の刑事弁護活動を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
愛知県名古屋市港区の住居侵入・強盗事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
愛知県北名古屋市の詐欺事件で逮捕
愛知県北名古屋市の詐欺事件で逮捕
愛知県北名古屋市の詐欺事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、仮想通貨を巡って詐欺罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは、Vさんに対し「仮想通貨を自動で売買するシステムを用いれば、知識がなくても利益が出せる」などと全くのウソを言い、そのシステム購入代金とサポート料として現金およそ100万円を騙し取りました。
Aさんはインターネットの掲示板などを通じて知り合った仮想通貨に関する知識のない若者やお年寄りを詐欺罪の犯行の対象にしていました。
愛知県警西枇杷島警察署はAさんには詐欺罪の他に余罪があるとみて厳しく取調べをする方針です。
詐欺罪の容疑での取調べを受けたAさんは、愛知県北名古屋市に近い刑事事件に強い法律事務所への法律相談を検討しています。
(フィクションです。)
【詐欺罪とは】
「人を欺いて財物を交付させた者」には、詐欺罪が成立します(刑法246条1項)。
詐欺罪の法律に定められた刑(法定刑)は、10年以下の懲役です。
詐欺罪は、①行為者の欺く行為、②被害者の錯誤、③被害者の交付行為、④行為者の取得行為により構成される財産犯罪です。
そして、詐欺罪における①行為者の欺く行為とは、取引の相手方が真実を知っていれば財産の交付行為を行わないような重要な事実を偽ることをいうと考えられています。
しかし、商品を売買する場合など経済活動の場面において、売り手が多少の駆け引きや誇張した広告・宣伝文句を用いることは、日常生活においてよく見受けられることです。
そのため、このような行為が取引上における信義則に反しないと認められる場合には、詐欺罪における①行為者の欺く行為には該当しないと考えられています(東京高等裁判所判決昭和27年2月9日)。
そして、取引上の信義則に反し詐欺罪が成立するか否かの判断の際には、取引の相手方(詐欺事件の被害者)の知識・経験、行為者(詐欺事件の被疑者)の申し付けた文言・その場所など、具体的な事情が考慮されると考えられます。
刑事事件例において、Aさんは、「仮想通貨を自動で売買するシステムを用いれば、知識がなくても利益が出せる」という全くのウソの文言を仮想通貨に関する知識や経験のないVさんに告げています。
そして、Vさんは、仮想通貨を自動で売買するシステムを用いても、利益を出せないという真実を知っていれば、システム購入代金とサポート料として現金100万円を交付するようなことはなかったと考えられます。
よって、Aさんの行為は詐欺罪における①行為者の欺く行為に該当すると考えられます。
また、Vさんは真実のところ仮想通貨を自動で売買するシステムを用いても、利益を出せないにも関わらず、Aさんの欺く行為により騙されています。
よって、Vさんには詐欺罪における②被害者の錯誤があったと考えられます。
そして、Vさんは、Aさんにシステム購入代金とサポート料として現金100万円を交付していることから、詐欺罪における③被害者の交付行為と④行為者の取得行為があります。
よって、Aさんには詐欺罪が成立すると考えられるのです。
【詐欺罪と余罪】
Aさんは現在愛知県警西枇杷島警察署の警察官により詐欺罪の容疑で取調べを受けています。
しかし、愛知県警西枇杷島警察署の警察官は、Aさんが本件詐欺事件の他に同様の手口による詐欺事件を起こしているのではないかと疑っています。
そして、愛知県警西枇杷島警察署の警察官が、Aさんを別件の詐欺罪で逮捕をする必要性があると考えた場合、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕される可能性があります。
逮捕をする必要性としては罪証隠滅のおそれがあることや逃亡のおそれがあること等が挙げられます(刑事訴訟法199条2項、刑事訴訟規則143条の3参照)。
逮捕されるとそれに引き続く最大20日にも及ぶ勾留が請求されることが多く、また被疑事実の重大性によっては実名報道がされるケースもあります。
こうした不利益を避けるためには、在宅事件として任意の取調べが行われている間に領置を行ったり、場合によっては別件の詐欺事件の被疑事実を認めたりする刑事弁護方針も考えられます。
ただし、これには高度な刑事事件に関する専門的知識が必要となるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
詐欺罪のような財産犯罪を犯した方の刑事弁護活動を行った実績のある刑事弁護士も多数在籍しております。
愛知県北名古屋市の詐欺事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
常習累犯窃盗事件で逮捕
常習累犯窃盗事件で逮捕
常習累犯窃盗事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
愛知県知立市に住むAさんは、同市内のドラッグストアにて3000円相当の化粧品を万引きしたところを、店員に通報されました。
Aさんは臨場した愛知県安城警察署の警察官により、窃盗罪の容疑で現行犯逮捕されました。
その後、愛知県安城警察署の警察官の取調べの結果、Aさんに多数の窃盗の前科があることが判明しました。
Aさんは愛知県安城警察署の警察官から「常習累犯窃盗罪」になると言われました。
(2020年7月28日に産経新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【常習累犯窃盗罪とは】
常習累犯窃盗罪は、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律3条に規定されている犯罪です。
盗犯等の防止及処分に関する法律3条(※読みやすさに配慮し、カタカナをひらがなに直しています。)
常習として前条に掲げたる刑法各条の罪(※刑法235条、236条、238条、239条を指します。)又は其の未遂罪を犯したる者にして其の行為前10年内に此等の罪又は此等の罪と他の罪との併合罪に付3回以上6月の懲役以上の刑の執行を受け又は其の執行の免除を得たるものに対し刑を科すべきときは前条の例に依る。
常習累犯窃盗罪は、常習として窃盗罪(刑法235条)を犯した場合であって、その窃盗行為の前の10年内に窃盗罪(又は窃盗罪と他の罪との併合罪)に付き3回以上6月の懲役以上の刑の執行を受けたか、又はその執行の免除を得ていたときに成立します。
常習累犯窃盗罪の法定刑(法律に定められた刑)は、3年以上の有期懲役です(盗犯等の防止及処分に関する法律2条)。
常習累犯窃盗罪の「常習として」とは、反復して盗犯等の防止及処分に関する法律所定の条件による窃盗をなす習癖をいいます。
すなわち、常習累犯窃盗罪の「常習として」とは、反復して窃盗をすることをいうと考えられます。
Aさんがこれらの要件(常習性や累犯性)を満たす場合、Aさんには常習累犯窃盗罪が成立することになります。
【常習累犯窃盗事件の刑事弁護活動とは】
刑事事件例では、上述した常習累犯窃盗罪の要件である常習性や累犯性という要件を満たす場合、Aさんには常習累犯窃盗罪が成立することになります。
常習窃盗事件の刑事弁護活動では、被疑者の方が再犯を繰り返さないということを検察官や裁判官に主張していかなければなりません。
例えば、常習窃盗事件では被疑者の方が窃盗症(クレプトマニア)という精神疾患を抱えているという場合も考えられます。
そのような場合は、被疑者の方に通院や治療プログラムを受診して頂き、その経過報告や結果を刑事弁護士によって検察官や裁判官に伝えていくことで、被疑者の方がしっかりと再犯防止対策をとっているということを主張していくことになるでしょう。
また、常習累犯窃盗事件は被害者の方が存在する刑事事件であるため、被害者の方との示談交渉も重要です。
示談では、刑事弁護士を通して、被害者の方への正式な謝罪と相当な被害弁償金の支払いを行うことになると考えられます。
示談が成立した場合には、示談書等を検察官や裁判官に提出し、被疑者の方がしっかりと反省し、示談金も支払ったということを主張していくことになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
常習窃盗事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
窃盗事件の上告審の刑事弁護活動
窃盗事件の上告審の刑事弁護活動
窃盗事件の上告審の刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
愛知県半田市に住むAさんは、窃盗事件を起こし、愛知県半田警察署の警察官に窃盗罪の容疑で逮捕されました。
その後、Aさんは窃盗罪で起訴され、第一審判決では懲役1年6月の判決を言い渡されました。
Aさんは第一審の判決に不服があり、名古屋高等裁判所に控訴しました。
しかし、控訴審で選任した弁護士から、控訴棄却が言い渡される可能性が高いと言われています。
Aさんはそのような控訴審の判決がされた場合、不服申立てをしたいと考えており、もし実刑判決が覆らなくても、刑務所に服役するまでの時間が欲しいと考えています。
(フィクションです。)
【上告とは】
上告とは、最高裁判所への不服申立てのことを意味します。
上告を提起することができる期間は、判決が宣告された日から14日間です(刑事訴訟法358条、刑事訴訟法373条、刑事訴訟法414条)。
刑事事件例では、刑事弁護士は、上告申立書を作成し、上告の申立てをすることができます。
【上告理由とは】
上告の申立てをするには上告理由が必要です(刑事訴訟法405条柱書)。
上告理由は刑事訴訟法405条各号に規定されています。
具体的な上告理由は以下の通りです。
・憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること
・最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと
・最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと
上述した上告理由がない場合であっても、法令の解釈に関する重大な事項を含む場合には、上告受理申立てができます(刑事訴訟法406条)。
また、上述した上告理由がない場合であっても、職権破棄事由の主張ができます(刑事訴訟法411条)。
上告理由は、刑事弁護士が作成する上告趣意書に記載します。
上告審は書面審査であり、審判の対象は上告趣意書に記載された上告理由の有無であるため、刑事弁護士が作成する上告趣意書がいかに説得的であるかという点が重要になります。
刑事事件例でも、刑事弁護士が上告趣意書を作成し、上告理由があることと主張することができます。
【上告審でできること】
上告審においても保釈の請求をすることができます。
保釈の請求は、刑事弁護士が作成する保釈請求書を提出することにより行います。
もし保釈が許可され保釈金の納付ができれば、被告人の方の身体拘束は解かれることになります。
ここで、上告には判決の確定時期を延ばす効果があるため、もし保釈により被告人の方の身体拘束が解かれれば、刑務所に入る前の準備などに時間を確保することができます。
刑事事件例では、Aさんはもし控訴審の実刑判決が覆らなくても、刑務所に服役するまでの時間が欲しいと考えています。
刑事弁護士の刑事弁護活動としては、判決の確定時期を延ばすべく、まず刑事弁護士により上告の申立てを行うことが考えられるでしょう。
その上告の申立てをした上で、被告人の方の身体拘束を解くために刑事弁護士により保釈請求を行うことになるでしょう。
この刑事弁護士による保釈請求が許可された場合、Aさんは身体拘束を解かれ、刑務所に入る前の準備などに時間を費やすことができるようになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
窃盗事件の上告審の刑事弁護活動でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
窃盗事件の控訴審での刑事弁護活動
窃盗事件の控訴審での刑事弁護活動
窃盗事件の控訴審での刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
愛知県高浜市に住むAさんは窃盗罪の容疑で逮捕され、その後勾留をされました。
その後、窃盗罪の容疑で起訴され、保釈されました。
Aさんは第一審では国選弁護人を選任していましたが、国選弁護人からは「おそらく実刑になるだろう」と言われています。
Aさんは金銭的な理由で被害者の方との示談を行っていませんでしたが、保釈後、両親を説得し、金銭的な協力が得られる見込みが立っています。
しかし、第一審の判決期日は一週間後を予定しており、Aさんは実刑になった場合控訴をすることができないかと考えています。
また、その際、Aさんは刑事弁護士を国選弁護人から私選弁護士に切り替えたいと考えています。
(フィクションです。)
【控訴とは】
控訴とは、高等裁判所への不服の申立てをいいます。
控訴を提起することができる期間は、判決が宣告された日から14日間です(刑事訴訟法358条、刑事訴訟法373条)。
控訴を申し立てることができる期間はとても短く、控訴提起期間が過ぎてしまうと判決が確定してしまうため、すみやかに控訴の申立てを行う必要があります。
【控訴理由について】
控訴を申し立てるためには、控訴理由が必要です(刑事訴訟法384条)。
控訴理由は、刑事訴訟法377条から刑事訴訟法382条に規定されています。
具体的な控訴理由は以下の通りです
・重大な訴訟手続の法令違反があること(刑事訴訟法377条・刑事訴訟法378条)
・その他訴訟手続に法令の違反があってその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであること(刑事訴訟法379条)
・法令適用に誤があってその誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであること(刑事訴訟法380条)
・刑の量刑が不当であること(刑事訴訟法381条)
・事実の誤認があって、その誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであること(刑事訴訟法382条)
刑事事件例においては、刑事弁護士により刑の量刑が不当であるとして、控訴を申し立てることができると考えられます。
具体的には、控訴の申立ては、刑事弁護士が作成する控訴申立書の提出により行います。
また、刑事弁護士が作成する控訴趣意書により、控訴理由を示します。
【控訴審でできること】
控訴審では、事実の取調べを請求することができます(刑事訴訟法393条1項柱書)。
控訴審における「事実の取調べ」とは、第一審の証拠調べと同じことであると考えて差支えありません。
また、控訴理由として刑の量刑が不当であること(刑事訴訟法381条)、又は事実の誤認があって、その誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであること(刑事訴訟法382条)を主張する場合には、一定の要件(やむを得ない事由によって第一審の弁論終結前に取調べの請求をできなかったこと、控訴理由を証明するために欠くことができないこと)を満たせば、必ず事実の取調べをすることができることになります(刑事訴訟法393条1項但書)。
さらに、上述の要件が満たされなくとも、控訴裁判所の職権により、情状の取調べが認められることがあります(刑事訴訟法393条2項)。
例えば、原判決後の被告人の方の反省を示すために、控訴審における被告人質問の実施を請求することができます。
刑事事件例では、第一審判決後に、刑事弁護士により窃盗事件の被害者の方との示談交渉を行い、示談を締結できる可能性があります。
そこで、第一審の判決後に示談が成立した場合には、控訴審において示談の成立を情状として主張するために事実取調べの請求をすることができると考えられます。
このように、控訴審において、示談の締結とその事実取調べを行うことができれば、第一審で宣告される刑が軽くなる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
窃盗事件の控訴審での刑事弁護活動でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
愛知県名古屋市熱田区の業務上横領事件で示談したい
愛知県名古屋市熱田区の業務上横領事件で示談したい
愛知県名古屋市熱田区の業務上横領事件で示談したい場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、愛知県名古屋市熱田区内のV解体工事会社に解体工事現場の責任者として勤務していた間、愛知県名古屋市熱田内の解体工事現場で管理していた鉄くずなどをリサイクル業者に約10万円で売却したとして愛知県熱田警察署の警察官により業務上横領罪の容疑で逮捕されました。
本件業務上横領事件は、V解体工事会社が契約した業者が回収に訪れた際に鉄くずなどがないことに気付き、V解体工事会社関係者が愛知県熱田警察署の警察官に業務上横領事件の被害を届け出たことにより発覚しました。
業務上横領罪の容疑での逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、愛知県名古屋市熱田区に近い刑事事件に強い法律事務所への法律相談を検討しています。
(フィクションです。)
【業務上横領罪とは】
「業務上自己の占有する他人の物を横領した者」には、業務上横領罪が成立します(刑法253条)。
業務上横領罪の法律に定められた刑(法定刑)は、10年以下の懲役です。
業務上横領罪における「業務」とは、人がその社会生活上の地位に基づき反復継続して行う事務をいいます。
そして業務上横領罪における「業務」は、他人の物を占有保管することを内容とするものでなければならないと考えられています。
刑事事件例において、AさんはV解体工事会社に勤務する解体工事現場の責任者として鉄くずなどを管理する業務を担っていました。
この業務はV解体工事会社の鉄くずなどという他人の物を占有保管することを内容とし、解体工事現場の責任者として社会生活上の地位に基づき反復継続して行われていたものといえます。
よって、Aさんの業務は業務上横領罪における「業務」に該当すると考えられます。
また、業務上横領罪における「占有」とは、濫用のおそれのある支配力であると考えられています。
刑事事件例において、Aさんは濫用のおそれのある物に対する事実的な支配を有していたといえます。
よって、Aさんには業務上横領罪における「占有」があったと考えられます。
さらに、業務上横領罪における「他人の物」とは、他人の所有に属する物をいいます。
そして、業務上横領罪における「他人」とは、法人である場合を含みます。
刑事事件例においては、上述のように、V解体工事会社の鉄くずなどは他人の所有に属する物です。
よって、V解体工事会社の鉄くずは業務上横領罪における「他人の物」に該当すると考えられます。
最後に、業務上横領罪における「横領」とは、自己の占有する他人の物を不法に領得することをいうと考えられています。
刑事事件例において、Aさんは鉄くずをV解体工事会社に無断で売却しています。
ここに自己の占有する他人の物たる鉄くずなどを不法に領得する行為があったと考えられます。
よって、Aさんの行為は業務上横領罪における「横領」に該当すると考えられます。
以上より、Aさんには業務上横領罪が成立すると考えられます。
【業務上横領罪と示談】
刑事事件例では、Aさんが業務上横領行為を行ったことによりV解体工事会社に鉄くずなどの売買代金相当額の損害が生じています。
刑事弁護士としては、業務上横領事件の被害者の方(V解体工事会社)への損害の賠償や正式な謝罪をするという示談交渉ができると考えられます。
業務上横領事件の被害者の方との示談交渉の結果次第では業務上横領事件を捜査する検察官に対して寛大な処分をするよう効果的に求めることができると考えられます
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
業務上横領罪を犯した方の刑事弁護活動を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
愛知県名古屋市熱田区の業務上横領事件で示談したい場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
住居侵入・窃盗未遂事件の示談
住居侵入・窃盗未遂事件の示談
住居侵入・窃盗未遂事件の示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
愛知県東海市に住むAさんは、金目の物を盗もうと、深夜、同市内にあるVさんの住居に忍び込みました。
Aさんは、侵入したVさん宅内において、懐中電灯でタンスを照らし、金品の物色を開始しました。
しかし、寝ていたVさんが物音で起きてしまい、AさんはVさんに取り押さえられました。
Vさんは愛知県東海警察署に110番通報をし、Aさんは住居侵入罪・窃盗未遂罪の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)
【住居侵入罪とは】
刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居…に侵入し…た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
住居侵入罪は、「人の住居」に正当な理由なく「侵入」した者に成立する犯罪です。
住居侵入罪の「侵入」とは、居住者の意思に反する立入りをいいます。
ここで、刑事事件例では、Vさんは窃盗目的での立入りを認めていなかったと考えられます。
よって、Aさんの立入りは、居住者であるVさんの意思(窃盗目的での立入りを認めないという意思)に反する立入りとして、住居侵入罪の「侵入」に該当すると考えられます。
また、Aさんが立ち入ったのはVさんの「住居」であり、Aさんの立入りには正当な理由はありません。
以上より、Aさんには住居侵入罪が成立すると考えられます。
【窃盗罪とは】
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は、「他人の財物」を「窃取」者に成立する犯罪です。
まず、窃盗の目的であるVさんの金品は窃盗罪の「他人の財物」に該当します。
次に、窃盗罪の「窃取」とは、他人が占有(事実的支配)する財物を、その占有(事実的支配)者の意思に反して自己の占有(事実的支配)に移転させる行為をいいます。
刑事事件例では、Aさんは懐中電灯でタンスを照らし、金品の物色を開始した段階でVさんに取り押さえられています。
そのため、Vさんの財物をAさんの占有(事実的支配)に移転させたとはいえず、窃盗罪の「窃取」の完遂には至っていません。
よって、Aさんには窃盗罪の既遂犯(窃盗罪)は成立しません。
そこで、Aさんには窃盗罪の未遂犯(窃盗未遂罪)が成立するかを検討します。
【窃盗未遂罪とは】
第243条
第235条…の罪の未遂は、罰する。
刑法243条は、窃盗罪(刑法235条)の未遂犯(窃盗未遂罪)を処罰することを規定しています。
刑法43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減刑することができる。
窃盗罪の未遂犯(窃盗未遂罪)とは、窃盗罪の「実行に着手して」「これを遂げなかった」場合に成立します。
上記の窃盗罪の「実行に着手」する行為とは、窃盗罪の結果を発生させる(他人の財物の占有・事実的支配を侵害する)具体的危険性が高まる行為を行うことをいいます。
例えば、大審院判決昭和9年10月19日では、金品物色のためにタンスに近寄った時点で窃盗罪の「実行に着手」する行為があったと判示しています。
また、最高裁判所決定昭和40年3月9日では、電気店に侵入後、現金窃取のために煙草売り場の方に行きかけた時点で窃盗罪の「実行に着手」する行為があったと判示しています。
刑事事件例では、Aさんは懐中電灯でタンスを照らし、金品の物色を開始しています。
このAさんの行為は窃盗罪の結果を発生させる(Vさんの財物の占有・事実的支配を侵害する)具体的危険性が高まる行為であると考えられます。
よって、Aさんは窃盗罪の「実行に着手」する行為を行ったといえると考えられます。
そして、結局、AさんはVさんから金品などの財産を盗むことができていないので、窃盗罪の窃取行為「を遂げなかった」といえます。
以上より、Aさんには窃盗罪の未遂犯(窃盗未遂罪)が成立すると考えられます。
【住居侵入・窃盗未遂事件の刑事弁護活動】
住居侵入・窃盗未遂事件は被害者の方が存在する犯罪です。
住居侵入・窃盗未遂事件では必ずしも実損(住居侵入事件でいえばドアの損壊や、窃盗未遂事件でいえば盗品の被害など)が生じていない場合も考えられますが、精神的苦痛に対する損害賠償なども考えられますから、被害弁償を行い示談を締結することが重要です。
また、住居侵入・窃盗未遂事件の被害者の方と示談する際には、刑事弁護士を経由して行うことが重要です。
これは、住居侵入・窃盗未遂事件の被害者の方の処罰感情によっては、被疑者の方(やそのご家族)が直接出向いたり連絡を取ったりすることによって、かえって処罰感情を逆撫でる結果となる可能性もあるからです。
他にも、被疑者の方(やそのご家族)が直接出向いたり連絡を取ったりすることのデメリットとしては、法律に関する知識が不十分であるため、適切な示談書を作成することができない可能性があることも挙げられます。
さらには、住居侵入・窃盗未遂事件の被害者の方との交渉態度次第では、脅迫罪や強要罪などの別の犯罪が成立してしまう危険性もあります。
そこで、法律の専門家であり、第三者的な地位を有する刑事弁護士を通すことにより、住居侵入・窃盗未遂事件の被害者の方との冷静かつ適切な示談交渉を行うことができると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
住居侵入・窃盗未遂事件で示談を考えている場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
強盗傷人事件で保釈を目指す
強盗傷人事件で保釈を目指す
強盗傷人事件で保釈を目指す場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、愛知県名古屋市南区の路上に停めたAさん所有の車の中で、SNSで知り合ったVさん(20代女性)の顔を殴り全治2週間の怪我を負わせた上、Vさんの財布が入ったバッグを奪ったとして、愛知県南警察署の警察官により強盗傷人罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは、「ホテルに行くのを断られたのでやった」と強盗傷人罪の容疑を認めています。
(フィクションです。)
【強盗傷人罪と強盗罪】
刑法236条は、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」には、強盗罪が成立するとしています。
そして「強盗が、人を負傷させたとき」は強盗傷人罪が成立します(刑法240条)。
強盗傷人罪における「強盗」とは、強盗の実行に着手した者を指します。
刑法236条における強盗罪の犯人は強盗傷人罪における「強盗」に該当します。
以下ではAさんが強盗傷人罪における「強盗」に該当する強盗罪の犯人といえるかについて検討します。
強盗罪における「暴行」とは、強盗事件の被害者の反抗を抑圧するに足りるものである必要があるとされています。
刑事事件例では、Aさんは車内においてVさんの顔面を殴打しています。
この暴行は、男性であるAさんから女性であるVさんに対してなされたものです。
また、車内というVさんが逃げることが困難な場所においてなされています。
このような具体的な事情から総合的に判断して、捜査機関はAさんの暴行は強盗罪における「暴行」に該当すると判断したと考えられます。
さらに強盗罪における「強取」とは、財物の事実上の支配を強盗犯人が取得し、又は第三者に取得させることをいいます。
刑事事件例において、Aさんは強盗罪における「財物」たるVさんの財布の入ったバッグをAさん自身の事実上の支配下に置いています。
よって、Aさんの行為は強盗罪における「強取」に該当すると考えられます。
以上より、Aさんは強盗傷人罪における「強盗」に該当する強盗罪の犯人であると考えられます。
【強盗傷人罪の成立】
強盗傷人罪における「負傷させた」とは、人に傷害を加えることをいいます。
そして強盗傷人罪における傷害は強盗の機会に生ずれば足りると考えられています。
刑事事件例において、Vさんの怪我はAさんによる強盗の手段である暴行から直接生じたものです。
そのため、Vさんの怪我はAさんの強盗の機会に生じたものであるといえます。
よって、Vさんに怪我を与えたAさんの行為は、強盗傷人罪における「負傷させた」に該当すると考えられます。
以上より、Aさんには強盗傷人罪が成立すると考えられます。
【強盗傷人罪と保釈】
現在Aさんは強盗傷人罪の容疑で逮捕されているところ、Aさんの身柄解放の手段の1つとして、Aさんの強盗傷人罪での起訴後における保釈(刑事訴訟法89条、90条)が考えられます。
保釈は、刑事訴訟法89条に規定された除外事由がある場合を除き、原則として許されるものであるとされています(権利保釈といいます)。
刑事訴訟法89条に規定された除外事由としては、死刑、無期または短期1年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるときがあります(刑事訴訟法89条1号)。
刑事事件例における強盗傷人罪の法定刑は無期又は6年以上の懲役であるため、刑事訴訟法89条における権利保釈は認められないことになります。
しかし、権利保釈の除外事由に当たる場合にも、裁判所は、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができます(刑事訴訟法90条)。
弁護士としては、裁判所に裁量保釈を求めて保釈請求活動を行っていくことが考えられます。
保釈請求のためには、単に保釈金を用意するだけでなく、保釈をしてもよいと認められるための環境づくりやその環境を証拠化して主張していくことが求められます。
特に、今回のAさんの事例のような強盗傷人罪といった重い犯罪では、なかなか保釈も認められないケースが少なくありません。
だからこそ、刑事事件に強い弁護士に相談・依頼することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強盗傷人事件で保釈を目指したいとお悩みの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。