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愛知県一宮市の公務執行妨害事件で逮捕されてしまったら
愛知県一宮市の公務執行妨害事件で逮捕されてしまったら
愛知県一宮市の公務執行妨害事件で逮捕されてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、愛知県一宮市内で、愛知県一宮警察署の警察官Vさんが交通違反の取締りをしている現場に遭遇しました。
Aさんは以前、Vさんに酒酔い運転で逮捕されたことがあり、それを恨んでいました。
そこでAさんはVさんに仕返しをしてやろうと思い、Vさんの背後に近寄りいきなり殴りつけましたが、近くにいたVさんの同僚のBさんに取り押さえられ、公務執行妨害罪の現行犯で逮捕されました。
(フィクションです)
【公務執行妨害罪】
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行または脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。(刑法第95条第1項)
1 意義
公務執行妨害罪にあたる行為とは、公務員が、その職務を執行するにあたり、これに対して暴行・脅迫を加える行為をいいます。
2 保護法益
公務執行妨害罪は、公務員を特別に保護する規定ではなく、公務そのものを保護するものです。
つまり、公務員という人個人を守っているわけではなく、その公務員が行う仕事(公務)が公務執行妨害罪の保護対象となっているのです。
3 構成要件
①主体
公務執行妨害罪の主体は何人でもよく、公務員と関係の無い第三者でも主体となります。
②客体
公務執行妨害罪の条文にいう「公務員」とは、官吏、公使、および法令により公務に従事する議員、委員、その他の職員を指し、一般にイメージされる「公務員」と大きな差はないと思われるかもしれません。
しかし、公務員という身分を有しませんが、法令により公務員とみなされた日銀、外国為替銀行の職員等も「公務員」に含まれるため、全く一般のイメージ通りということにならない場合もあります。
そして、公務執行妨害罪の「公務」とは、国または地方公共団体の事務をいい権力的性質を持っている必要はありません。
こうした「公務員」「公務」については、ある程度精神的知能的な判断を要する仕事に従事していることを必要とし、単純な肉体的機械的労務だけに従事しているものは含まれません。
③行為
公務執行妨害罪の条文中にある「職務を執行するにあたり」とは、立法・行政・司法上の「執務」であればよく、「執務に際して」とは、仕事場へ赴くときや休憩中はこれにあたりません。
ただし、仕事を開始しようとするとき、待機、雑談中のときは「職務を執行するにあたり」という状況に当てはまると解されていますから、公務執行妨害罪のいう状況に当たるか判断するためには、より詳細な状況を把握し検討する必要があります。
また、条文には「暴行または脅迫を加える」とありますが、これは直接的間接的に相手の身体に対する有形力を行使したり畏怖させるための害悪の告知を行ったりすることで、方法は明示、黙示、口頭、文書などの形を問いません。
さらに、これらの暴行・脅迫が加えられるタイミングは職務執行の際であることが必要で、現にその公務が妨害される必要はなく、また公務員に対し直接的に暴行・脅迫を加えることを必要とせず関係者に対するものでも行為にあたります。
【「公務」の適法性について】
1 「公務」は適法な職務執行であることが必要
公務執行妨害罪の行為者が公務員の適法な職務執行を違法であると誤信し、暴行・脅迫にでた場合には、判例はこの錯誤を法律の錯誤とし、故意は阻却しないとしています。
2 適法性の要件
公務執行妨害罪にいう「公務」は、公務員の行為が職務の範囲内であること、法律上の諸要件を具備していること、そして法律上の重要な法定の方式、手続きが正しく履行されていることが必要です。
なぜなら、公務執行妨害罪が保護しているのはあくまで適法に行われている公務であり、違法に行われた公務まで保護する必要はないからです。
3 誤逮捕の場合の適法性
例えば、「公務」にあたるものが逮捕であり、その逮捕が誤逮捕であったような場合、その時の状況に立ち返って、合理的な理由があって逮捕する対象者を間違えたのは仕方がないと評価されたときには、「公務」は適法となり、公務執行妨害罪が成立します。
【故意や既遂時期について】
公務執行妨害罪の成立には、暴行・脅迫自体の認識があればよく、妨害する意思までは必要とされていません。
また、客体が公務員であることを認識する必要があり、さらに職務執行中である認識も必要です。
そして暴行・脅迫を加えられることにより直ちに公務執行妨害罪の既遂となります。
【刑事事件例について】
Aさんは、Vさんに対し殴るという暴行を加え、Bさんに取り押さえられていることから、その暴行は公務の執行を妨害する程度だったといえます。
Aさんは、Vさんの交通取締りという公務の執行を妨害する意思はなかったかもしれませんが、Vさんが警察官という公務員であることを認識しており、さらにVさんが交通取締りという職務を執行しているに当たりそれに対し暴行を加えるという認識をしていることは間違いありません。
こうしたことから、Aさんには公務執行妨害罪が成立すると思われます。
【Aさんに対する弁護活動】
Aさんは公務執行妨害罪で現行犯逮捕されました。
検察官や裁判官がAさんに罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれがあると判断した場合、逮捕に引き続き10日間(延長されると最大20日間)に及ぶ勾留がなされる可能性があります。
更にAさんが勾留され、その後起訴された場合は裁判が終了するまで引き続き警察署の留置場もしくは拘置所において勾留されることになります。
弁護士の活動としては、Aさんが勾留されないように、また勾留されても釈放されるように、検察官の勾留請求や裁判所の勾留決定に対して意見を提出したり不服を申し立てることなどが考えられます。
仮に起訴された場合には、裁判所に対し保釈請求を行い、身柄解放を目指していくことも可能となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
公務執行妨害罪を犯した方の刑事弁護活動を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
愛知県一宮市の公務執行妨害事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
愛知県名古屋市南区の盗撮の在宅事件
愛知県名古屋市南区の盗撮の在宅事件
愛知県名古屋市南区の盗撮の在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
~事例~
Aさんは、愛知県名古屋市中区にあるデパートでエスカレーターに乗っていた女性のVさんを後ろからスカート内にカメラを入れ撮影しました。
Vさんは撮影されている事に気付き、Aさんをデパートの店員のところへ連れて行きました。
デパートの店員は、事情を聞いた後、愛知県南警察署に通報しました。
Aさんは、愛知県南警察署の警察官に盗撮の容疑で逮捕されましたが、Aさんの親がAさんの身元を引き受け、今後は在宅事件として捜査されることになりました。
Aさんの両親は、今後を不安に思い法律事務所に相談に行くことにしました。
(※この事例はフィクションです。)
~愛知県迷惑行為防止条例違反~
盗撮行為は、各都道府県で制定されている迷惑防止条例で禁止されていて、愛知県では上記の呼び方をされている条例に違反した罪です。
愛知県の迷惑防止条例は、その第2条の2において、盗撮行為を禁止しています。
愛知県迷惑行為防止条例
第二条の二 何人も、公共の場所又は公共の乗物(第三項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
二 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
三 前号に掲げる行為をする目的で、写真機、ビデオカメラその他の機器(以下「写真機等」という。)を設置し、又は衣服等で覆われている人の身体若しくは下着に向けること。
四 前三号に掲げるもののほか、人に対し、卑わいな言動をすること。
今回のケースでは二に該当する行為です。
Vさんの下着を撮影するために、スカートの中へカメラを撮影したことが該当します。
その他、上記条文の一については痴漢行為を示しており、三については盗撮する目的でカメラを設置して盗撮をした場合、四に関しては他人に卑わいな事を話すことが該当します。
これらの規定に違反した場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
~盗撮の在宅事件の流れ~
盗撮事件は、初犯で、両親などが身元を引き受けてくれる方がいれば、逮捕されたとしても釈放されることもあります。
ただし、釈放された時点で事件が終了するわけではなく、釈放後は在宅事件として捜査されていくことになります。
つまり、普段は自宅などで通常の社会生活を送りながら、警察署や検察庁に取り調べで呼び出しを受けていくということになります。
その後、検察官は捜査が終了すると起訴するかどうかを判断します。
起訴された後は、公判が開かれるか、略式起訴といって公判を開かずに罰金処分を決定する場合があります。
弁護士の在宅事件の対応としては、取り調べ対応や示談交渉などが主な弁護活動として挙げられます。
迅速に示談交渉に取りかかり、起訴前に示談締結ができれば、不起訴処分を獲得できる可能性も出てきます。
当然ながら、起訴されてから不起訴処分を獲得することはできませんから、早期の対応が必要になります。
ですから、在宅事件であったとしても、放置することなく早めに弁護士へ相談・依頼することが大切なのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、盗撮事件を含めた性犯罪にも迅速に対応しています。
名古屋市の盗撮事件にお悩みの際は、一度お気軽にご相談ください。
愛知県南知多町の殺人事件を相談
愛知県南知多町の殺人事件を相談
愛知県南知多町の殺人事件を弁護士に相談するというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
愛知県南知多町にある海岸のすぐそばに住むAさんは、以前から疎ましく感じていた隣家のVさんが、Aさん宅の玄関前で酔いつぶれて寝ているところを発見しました。
Aさんは、「波にでもさらわれて死んでしまえ。」と思い、Vさんをすぐ近くの海岸まで運んで放置しておいたところ、Aさんが立ち去った後、Vさんは波にさらわれて溺死しました。
数日後Aさんは愛知県半田警察署の警察官に殺人罪の容疑で逮捕・勾留されました。
勾留が決定されたとき接見禁止決定もAさんにつきましたが、Aさんは家族と会いたいと思っています。
こうした状況から、Aさんの家族は、刑事事件に対応している弁護士に、事件のことを相談してみることにしました。
(フィクションです)
【殺人罪】
殺人罪とはどのような犯罪なのか確認してみましょう。
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。(刑法第199条)
殺人罪の構成要件は、人を殺すことです。
つまり、故意に他人の生命に対して死の結果を生ぜしめることです。
殺人罪における人とは、「自己以外の生命ある人」のことをさします。
①行為
・人を殺すこと
殺人の故意(殺意)をもって、自然の死期に先立って他人の生命を絶つことです。
・殺意の認定
確定的故意若しくは未必の故意としての殺意を要します。
未必の故意とは、結果の発生そのものが不確実ではあるが可能なものとして認識し、なおかつこれを容認することです。
②方法
殺害の方法に制限はなく、作為(何かをすること)・不作為(何かをしないこと)を問いません。
【未必の故意について】
未必の故意とは何でしょうか?
詳しく見ていきましょう。
未必の故意とは、計画的に犯罪を行おうとする意図はないが、結果として犯罪行為に及んでも仕方がないと思い犯行に及ぶ心理状況のことです。
「未必の故意」は、最初は犯行を希望していません。
つまり、当初は確定的な殺意や動機がないということです。
しかし、自分がこれから罪となる行為をしてしまい、また相手を傷つけてしまうという可能性を認識しながら、「結果的に犯罪に及んでも構わない、差支えない。」と思うことを指します。
犯罪となる事実が発生する危険性があると思いながら、もしそうなってもそれで良いと思うのが「未必の故意」です。
【刑事事件例について】
Aさんが「波にでもさらわれて死んでしまえ。」と思いVさんをすぐ近くの海岸に放置した行為は、酔いつぶれていたVさんが波に気づかず溺死するという殺人の結果発生の可能性を認識しています。
なおかつ、Aさんはそれを容認したものであるので、ここにおいて未必の故意が認められAさんは殺人罪の罪責を負うことになります。
【Aさんが早期に家族と会うには】
逮捕された場合、勾留されるまでの72時間は、家族でも本人と接見することはできません。
勾留後は一般的には、警察官による内容のチェックや時間制限等の制約のもとに、面会や手紙のやりとりしかできなくなります。
さらに、裁判所の裁判官によって接見禁止決定がなされると、家族との面会や手紙のやり取りすらも禁止されます。
しかし、弁護士だけは例外です。
逮捕時から弁護士であれば、時間制限を受けず内容をチェックされることなく自由に面会できます。
また弁護士は、準抗告・抗告、接見禁止決定の解除申し立て、勾留理由開示請求などによりAさんの接見禁止決定を解除し、家族と面会や手紙のやり取りができるように裁判所に働きかけることができます。
早めに弁護士を派遣することで、Aさんと家族を早期に面会させることができるようになる可能性が高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、年間多数の接見禁止決定の解除を獲得してきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族が殺人罪で逮捕されてしまいお困りの方、接見禁止についてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部にご相談ください。
ギャンブルと賭博罪
ギャンブルと賭博罪
ギャンブルと賭博罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
事例
Aさんは、愛知県名古屋市中川区に住む男性です。
Aさんは、ギャンブルが好きであり、競馬、競輪、競艇などの様々なギャンブルを行ってきました。
ある日、Aさんは知人の紹介を受けていわゆる同じ愛知県名古屋市中川区内にある闇カジノを行っている店を利用しました。
しかし、Aさんがそのカジノに行った当日、愛知県中川警察署の捜査が入り、Aさんは、愛知県中川警察署の警察官に単純賭博罪で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは釈放されましたが、ほかにも行っている競馬などが法律に違反しないか心配になったAさんは、刑事事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです。)
~賭博罪とは~
賭博罪は、刑法に定められている犯罪です。
賭博罪には、単純賭博罪と常習賭博罪がありますが、単純賭博罪を単に賭博罪と言うこともあります。
(ここでは、2つの賭博罪の総称として「賭博罪」とし、185条、186条1項に当たる犯罪をそれぞれ「単純賭博罪」、「常習賭博罪」とします。)
その賭博罪は、以下のように定められています。
刑法第185条
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。
ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
刑法第186条1項
常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
これらの条文における賭博とは、
「偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為」
とされています。(大塚裕史ほか『基本刑法Ⅱ 各論(第2版)』457頁〔豊田兼彦〕日本評論社、2018)
つまり、賭けたものについて利益を得られるかどうかが運任せになっている行為が賭博に当たると言うことになります。
次に単純賭博罪と常習賭博罪の区別において重要となる常習性とは、
「賭博を反復累行する習癖」
とされています。(大塚裕史ほか『基本刑法Ⅱ 各論(第2版)』457頁〔豊田兼彦〕日本評論社、2018)
つまり、賭博行為をどれだけ繰り返し行っていたかと言うことを指します。
そのため、過去にどれだけ行っていたかと言う点や賭博の方法などによって判断されます。
Aさんの闇カジノでの賭博行為についてみていきます。
カジノにおいては、それぞれ偶然に左右されるゲームの結果によって、金銭を得たり、失ったりするのが通常ですから、賭博罪に当たる可能性が高いです。
他方で、Aさんがこの闇カジノ店を訪れたのは初めてですから、常習性は認められないでしょう。
そのため、Aさんは、単純賭博罪に問われる可能性が高いと考えられます。
~公営ギャンブルは賭博罪にならないのか?~
では、競馬などの公営ギャンブルは賭博罪に当たるのでしょうか。
法律の基本のルールとして、特別法は一般法に優先するというルールがあります。
そして、刑法はこれら2つの内、一般法に当たります。
そのため、特別法に当たる別の法律で行うことが認められているのであれば、その公営ギャンブルは行うことができます。
そして、公営ギャンブルである、競馬、競艇、競輪、オートレースはそれぞれ以下の法律に規定が置かれています。
競馬法
第1条の2 日本中央競馬会又は都道府県は、この法律により、競馬を行うことができる。
モーターボート競走法
第2条 都道府県及び人口、財政等を考慮して総務大臣が指定する市町村(以下「施行者」という。)は、その議会の議決を経て、この法律の規定により、モーターボート競走(以下「競走」という。)を行うことができる。
自転車競技法
第1条 都道府県及び人口、財政等を勘案して総務大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)は、自転車その他の機械の改良及び輸出の振興、機械工業の合理化並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に寄与するとともに、地方財政の健全化を図るため、この法律により、自転車競走を行うことができる。
小型自動車競走法
第3条第1項 都道府県並びに京都市、大阪市、横浜市、神戸市、名古屋市、都のすべての特別区の組織する組合及びその区域内に小型自動車競走場が存在する市町村(以下「小型自動車競走施行者」という。)は、その議会の議決を経て、この法律により、小型自動車競走を行うことができる。
以上のように一般に公営ギャンブルと呼ばれる競技はそれぞれ特別法により、実施者を限定したうえで、実施してもよいという規定が存在しています。
そして、実施が認められている以上、それらの競技を行うことも合法になります。
そのため、一般法である刑法よりもこれらの規定が優先され、公営ギャンブルは合法になっています。
したがって、Aさんは、競艇などによって有罪になることはありません。
賭博事件はそう頻繁に起こる刑事事件ではないことから、手続きや処分、見通しが分かりづらくなりがちです。
だからこそ、弁護士に相談し、サポートを受けることで不安解消のための一歩となるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが24時間体制で無料法律相談・初回接見サービスのお問い合わせを受け付けております。
痴漢で冤罪 弁護士に相談
痴漢で冤罪 弁護士に相談
痴漢の冤罪の対応について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
~事例~
Aさんは,名古屋市内の会社に勤務する男性です。
ある朝,Aさんは,出勤のため名古屋市営地下鉄名城線に乗車していました。
乗車した列車は満員の状態であり,手すりもつかめない状態でした。
その状態の中,名古屋市中区にある栄駅付近でAさんは前に立っていたVさんに痴漢したと声をあげられてしまいました。
AさんはVさんに連れられて栄駅の駅長室に行き,駅長や駅員の通報で駆けつけた愛知県警中警察署の警察官から痴漢をしたとして事情聴取を受けてしまいました。
しかし,AさんはVさんに一切触った記憶はなく,冤罪であると考えています。
そのため,今後のことが不安になったAさんは,刑事事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)
~痴漢とは,どのような犯罪か~
痴漢行為の多くは,各都道府県の条例に違反したとして処分される犯罪となります。
ただし,程度が重かったり態様が異なっていたりする場合は刑法に定められている強制わいせつ罪などに当たると判断される場合などもあります。
前者の場合について,愛知県では,以下の様に定められています。
愛知県迷惑行為防止条例
第2条の2 (卑わいな行為の禁止)
何人も、公共の場所又は公共の乗物(第3項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法で,次に掲げる行為をしてはならない。
1 人の身体に,直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
同条例第15条 (罰則)
第2条の2又は第2条の3第1項の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
愛知県迷惑行為防止条例違反としての痴漢が成立するためには,原則として以下のことが必要になります。
1 人の身体に触れること
2 人の身体に触れる行為が人を激しく羞恥させたり,不安を覚えさせるような方法であること
3 公共の場所又は公共の乗り物で行われたこと
4 正当な理由がないこと
このうち,2の方法は,触ることによって恥ずかしく感じさせる行為などがこれに当たります。
そのため,お尻など触られると恥ずかしく感じさせる部位を触ることがこれに当たります。
また,上記の部位ではない部分を触るとしても,触り方がくすぐりに近い場合などは上記の行為に当たる可能性があります。
他方で,条例違反ではなく,刑法の強制わいせつ罪(刑法第178条1項)に当たりうる場合としては,下着の中に手を入れて胸や性器を触る場合が考えられます。
この場合は,単に触るだけではなく,わざわざ下着の中に手を入れて、性器などを直接触るという行為が悪質と判断される可能性が高いためです。
また,4の正当な理由がないという点は,以上の1,2の行為を行なう必要があるかということです。
具体例としては,警察官が必要に応じて身体検査を行う場合などが考えられます。
~冤罪で痴漢を疑われたら~
では,Aさんの様に冤罪にも関わらず痴漢を疑われた場合,どのようなことができうるでしょうか。
例としては,その場で微物検査やDNA検査を要請する,取調べ前に弁護士に会って相談しアドバイスをもらう,といったことが考えられます。
ただし,これはあくまで例であり,事件ごとの詳細な事情を踏まえて対応をしていく必要があるといえるでしょう。
また,このような冤罪を訴える場合には,やっていないことについて取調べで聞かれ続けるなど,大変な困難が待ち受けることになると考えられます。
そのため,なるべく早く刑事事件に精通した弁護士に相談し,抑えるべきポイントを踏まえた上で取調べに対応することが求められるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は,刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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離婚届の偽造で文書偽造事件に発展してしまったら
離婚届の偽造で文書偽造事件に発展してしまったら
離婚届の偽造で文書偽造事件に発展してしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
愛知県碧南市に住むAさんは夫であるVさんと不仲になり、別居状態にありました。
Aさんは離婚届にVさんを装って署名捺印(Vさんの印鑑を使用)し、碧南市役所に提出しました。
碧南市役所は窓口への届け出が夫婦そろってなされたものでなかった場合、離婚届の受理後に、夫婦の一方に通知しており、この通知でVさんはAさんによる離婚届の提出に気付きました。
その後、民事訴訟により離婚の無効が確認されましたが、VさんはAさんの処罰を求めて、愛知県碧南警察署に刑事告訴しました。
その結果、Aさんは愛知県碧南警察署の警察官により有印私文書偽造罪・同行使罪、電磁的公正証書原本不実記録罪・同供用罪の容疑で逮捕されました。
(2019年1月24日に朝日新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
今回の事例のAさんには、有印私文書偽造罪・同行使罪、電磁的公正証書原本不実記録罪・同供用罪と、4つもの犯罪が成立しているようです。
一度に異なる4つの犯罪が成立し逮捕されてしまうとなれば、被疑者であるご本人はもちろん、そのことを知った周囲の方も困惑されることでしょう。
まずは今回のAさんの逮捕容疑である4つの犯罪それぞれついて簡単に見ていくことにしましょう。
【有印私文書偽造罪とは】
刑法159条1項
行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書…を偽造し…た者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
有印私文書偽造罪の「偽造」とは、名義を偽ることをいいます。
刑事事件例では、AさんはVさんを偽って離婚届を作成しており、ここに有印私文書偽造罪の「偽造」があったと考えられます。
また、有印私文書偽造罪の「権利、義務若しくは事実証明に関する文書」とは、社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書をいいます。
離婚届は、この有印私文書偽造罪の「権利、義務若しくは事実証明に関する文書」に該当します。
以上より、Aさんには有印私文書偽造罪が成立すると考えられます。
【偽造私文書行使罪とは】
刑法161条1項
前2条の文書…を行使した者は、その文書…を偽造し…た者と同一の刑に処する。
偽造私文書行使罪の「行使」とは、偽造した文書を真正な文書として使用することをいいます。
具体的には、偽造私文書行使罪の「行使」とは、人に偽造した文書の内容を認識させ、または認識可能な状態に置くことをいいます。
刑事事件例では、Aさんは実際に偽造した離婚届を提出しており、偽造私文書行使罪の「行使」があったといえると考えられます。
以上より、Aさんには偽造私文書行使罪が成立すると考えられます。
【電磁的公正証書原本不実記載罪とは】
刑法157条1項
公務員に対し虚偽の申立てをして、…戸籍簿…その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記載をさせた者には、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
公正証書原本不実記載罪の「公正証書」とは、公務員がその職務上作成する文書であって、権利、義務に関するある事実を証明する効力を有するものをいいます。
そして、戸籍簿は公正証書原本不実記載罪の「公正証書」の代表例です。
そして、公正証書原本不実記載罪の「公正証書の原本として用いられる電磁的記録」とは、その公正証書のコンピュータ上の記録のことをいいます。
刑事事件例では、Aさんは公務員に離婚したとの虚偽の申立てをし、戸籍簿のコンピュータ上の記録に不実の記載をさせています。
以上より、Aさんには電磁的公正証書原本不実記載罪が成立すると考えられます。
【不実記載電磁的公正証書原本供用罪とは】
刑法158条1項
…前条第1項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、…不実の…記録をさせた者と同一の刑に処する。
不正記録電磁的公正証書原本供用罪の「原本としての用に供」するとは、虚偽のデータを入力し、閲覧可能な状態にすることをいいます。
刑事事件例では、Aさんによる虚偽の申立てにより、不正に記録された公正証書である戸籍簿が閲覧可能な状態になっていると考えられます。
よって、Aさんには不実記載電磁的公正証書原本供用罪が成立すると考えられます。
【離婚届の私文書偽造事件の刑事弁護活動】
以上のように、離婚届の偽造は犯罪となります。
刑事事件例ではVさんが愛知県碧南警察署に離婚届の偽造を刑事告訴したことにより、離婚届の私文書偽造事件が発覚し、Aさんは逮捕されるに至っています。
Aさんの身柄は今後検察官に送られ、検察官による起訴するか否かという判断を受けることになります。
仮にAさんが離婚届の偽造の罪(有印私文書偽造罪・同行使罪、電磁的公正証書原本不実記録罪・同供用罪)で起訴され有罪となってしまった場合、Aさんは罰金刑ではなく懲役刑を科されることになります。
もちろんAさんには執行猶予を得られる可能性がありますので、もしAさんが離婚届の偽造の罪(有印私文書偽造罪・同行使罪、電磁的公正証書原本不実記録罪・同供用罪)で起訴されてしまった場合には、刑事弁護士は執行猶予が得られるよう裁判の対応をしていくことになります。
例えば、Aさんの行為によって損害が生じているような場合にはその弁償を行ったり、再犯防止のための環境を作ったり、それらを証拠かすることが必要となってくるでしょう。
刑事事件に強い弁護士にサポートしてもらいながら、裁判に向けた準備もいち早く始めていくことが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
離婚届の偽造事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
交際あっせん詐欺事件で逮捕されたら
交際あっせん詐欺事件で逮捕されたら
交際あっせん詐欺事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、出会い系サイトで、Vさん(愛知県名古屋市守山区在住)に「連絡先交換費用を支払えば、女性の携帯番号が提供される」などと虚偽の内容のメッセージを送りました。
これに騙されたVさんは、合計60回にわたり、Aさんの銀行口座に合計3000万円を振込みました。
振込み後もAさんから連絡がなかったため、Vさんは交際あっせん詐欺に遭ったと自覚し、愛知県守山警察署の警察官に被害を訴えました。
その後、Aさんは愛知県守山警察署の警察官により詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(2021年1月5日にSTVNEWSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【詐欺罪とは】
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する(刑法246条1項)。
詐欺罪は、①被疑者の方による被害者の方を「欺く行為」→②被害者の方の「錯誤」→③被害者の方の「交付行為」→④被疑者の方の「取得行為」という経過を経ることによって成立する犯罪です。
【詐欺罪の各要件】
以下では、詐欺罪の各要件を見ていきます。
詐欺罪の①被疑者の方による被害者の方を「欺く行為」とは、被害者の方が真実を知っていれば財産の交付を行わないような重要な事実を偽ることをいいます。
詐欺罪の②被害者の方の「錯誤」とは、上記①被疑者の方による被害者の方を「欺く行為」により、被害者の方が瑕疵ある意思を有すること(騙されたこと)をいいます。
詐欺罪の③被害者の方の「交付行為」とは、上記瑕疵ある意思に基づいて財産を被疑者の方に移転させることをいいます。
詐欺罪の④被疑者の方の「取得行為」とは、被疑者の方が財産を取得することをいいます。
【詐欺罪と刑事事件例】
以下では、刑事事件例のAさんの行為が上記詐欺罪の各要件を満たすかについて見ていきます。
刑事事件例では、AさんはVさんに「連絡先交換費用を支払えば、女性の携帯番号が提供される」などと虚偽の内容のメッセージを送っています。
このメッセージが虚偽であること、すなわち連絡先交換費用を支払っても本当は女性の携帯番号など提供されないという真実を知っていれば、Vさんはお金を支払わなかったと考えられます。
よって、Aさんの行為は、詐欺罪の①「欺く行為」に当たると考えられます。
また、VさんはAさんから送られてきた虚偽のメッセージに騙されて、「連絡先交換費用を支払えば、女性の携帯番号が提供される」と騙されてしまっています。
ここに、Vさんは詐欺罪の②「錯誤」状態にあったといえると考えられます。
さらに、VさんはAさんの銀行口座に合計3000万円を振込んでいます。
ここに詐欺罪の③「交付行為」及び詐欺罪の④「取得行為」があると考えられます。
以上より、Aさんには詐欺罪が成立すると考えられます。
【詐欺事件と刑事弁護活動】
詐欺事件において有効な刑事弁護活動のひとつとして「示談」があります。
詐欺事件の示談では、Vさんに刑事弁護士を通して正式に謝罪をし、示談金を支払い、被害の弁償を行います。
詐欺事件の示談金としては、振り込まれた金額が手元に残っていればその返還を行った上、一定の慰謝料を支払うのが一般的だといえます。
振り込まれた金額が手元に残っていない場合は、被疑者の方自身が準備するか、ご家族の協力を得て工面する必要があると考えられます。
示談により、執行猶予が得られたり、刑が軽くなったりするため、示談交渉に強い刑事弁護士を選ぶことは非常に重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
交際あっせん詐欺事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
大学生の傷害事件で逮捕された
大学生の傷害事件で逮捕された
大学生の傷害事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
愛知県岡崎市にある大学に通うAさん(26歳の大学4年生)は、Vさんに大学院進学に向けて出願書類の作成を手伝ってもらっていました。
AさんがVさんを自宅に招き、書類作成の進捗状況を尋ねると、Aさんはその完成度が低いことに激高し、Vさんに熱湯をかけ、やけどを負わせました。
Vさんは愛知県岡崎警察署に被害を訴え、Aさんは傷害罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは傷害罪の容疑を認めていますが、早く釈放されたいと考えています。
(2021年1月15日に京都新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【傷害罪とは】
刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害罪の「傷害」とは、生理機能(健康状態)を害することをいいます。
「生理機能」とは、呼吸や消化、血液調節など、人が生きていくための身体の機能ということを意味します。
この生理機能を害する行為が傷害罪の「傷害」に当たります。
傷害罪の「傷害」の例としては、切り傷、擦り傷、打撲といった外傷、その他嘔吐、めまい、失神、病気の疾患などが挙げられます。
刑事事件例では、AさんはVさんにやけどを負わせています。
このAさんの行為は、Vさんの生理機能を害する行為として、傷害罪の「傷害」に該当します。
よって、Aさんには傷害罪が成立すると考えられます。
【勾留を避ける刑事弁護活動】
現在、Aさんは愛知県岡崎警察署の警察官により傷害罪の容疑で逮捕されています。
この後、Aさんにはさらなる身体拘束として勾留(被疑者段階の勾留)がなされる可能性があります。
勾留(被疑者段階の勾留)は実質的には逮捕の延長であるといえ、勾留の延長も含めると最長で20日間なされます(刑事訴訟法208条1項、2項)。
また、勾留の請求は、検察官が警察官よりAさんの身柄の送致を受けた後、24時間以内になされます(刑事訴訟法205条1項)。
勾留を回避するための刑事弁護活動のひとつには、検察官が勾留請求をする前に、検察官に対して勾留請求をしないよう書面等で働きかける刑事弁護活動があります。
ここで、上述したように、勾留請求は、検察官が警察官よりAさんの身柄の送致を受けた後、24時間以内になされます。
勾留請求を回避するための刑事弁護活動は、まずはこの検察官による勾留請求が出される前に検察官と連絡を取り、勾留請求をしないよう書面等で働きかける必要があるため、非常にスピードが重要になるといえます。
検察官による勾留請求を受けた裁判官による勾留決定に対しても、同様に、勾留決定をしないよう書面等で働きかける刑事弁護活動を行うことが想定されます。
勾留決定も、検察官の勾留請求同様、裁判官が検察官により勾留請求を受けた後から短時間でなされるため、勾留決定を回避するための刑事弁護活動も、この裁判官による勾留決定が出される前に裁判官と連絡を取って働きかけるという迅速さが要求されることになります。
ですから、勾留を避ける弁護活動においては、逮捕されてしまってからいかにスピードを持って活動を開始できるかということが非常に大切なのです。
【勾留を争う刑事弁護活動】
一度勾留請求・決定がなされた場合、それでもその勾留決定を争いたい場合には、勾留決定に対する不服申立てとして準抗告を申し立てることができます(刑事訴訟法429条1項2号)。
勾留決定に対する準抗告も、なるべく早く被疑者の方の身体拘束が解放されるよう、勾留決定後速やかに申し立てる必要があると考えられます。
ただし、示談の必要性や有効性に鑑み、示談締結後に準抗告をするという刑事弁護方針も考えられます。
例えば、Vさんとの示談交渉を開始し、示談締結の後に準抗告を申し立てることも勾留を争う刑事弁護活動として有効であると考えられます。
こうした弁護活動の方針は事件や被疑者の事情ごとに異なりますから、まずは弁護士に相談してみることがおすすめです。
【刑事事件例と刑事弁護活動】
刑事事件例では、例えば、Aさんが26歳の大学4年生であり、大学院の進学を控えているという具体的な事情があります。
この場合、勾留により大学の授業に出席できなくなると大学の授業の単位を取得できず、大学を卒業できなくなってしまうという事情を主張して釈放を求めていくことが考えられます。
また、大学院進学の手続きをすることができなくなり、卒業後の進路が断たれてしまうなどとも主張し得ると考えられます。
刑事事件に強い刑事弁護士にサポートしてもらうことで、このような勾留されてしまうと困るという事情を被疑者の方やご依頼者の方から聞き取り、それを反映した法的な意見を検察官や裁判官に迅速に主張することが期待できます。
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覚醒剤取締法違反の現行犯逮捕と捜索差押え
覚醒剤取締法違反の現行犯逮捕と捜索差押え
覚醒剤取締法違反の現行犯逮捕と捜索差押えについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
前回の記事の続きとなりますので、取り上げている事例に関しては前回の記事をご覧ください。
【逮捕(現行犯逮捕)に伴う捜索差押えとは】
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第199条の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる(刑事訴訟法220条1項)。
2 逮捕の現場で差押、捜索又は検証をすること
第1項の処分をするには、令状は、これを必要としない(刑事訴訟法220条2項)。
逮捕(現行犯逮捕)に伴う捜索差押えが無令状で許されるのは、逮捕(現行犯逮捕)の現場には犯罪に関する証拠が存在している可能性が高く、逮捕(現行犯逮捕)に伴う捜索差押えは合理的な証拠収集の手段であるといえるからです。
このような趣旨に鑑みれば、「逮捕する場合」(刑事訴訟法220条1項柱書)と認められるためには、逮捕からある程度の時間的接着性があればよいと考えられます。
また、「逮捕の現場」(刑事訴訟法220条1項2号)とは、逮捕された者の同一管理権の及ぶ場所であればよいと考えられます。
刑事事件例では、警察官はAさんを公務執行妨害罪の容疑で現行犯逮捕した直後にAさん所有の車の捜索を開始しており、本件捜索差押えは「逮捕する場合」(刑事訴訟法220条1項柱書)に行われたといえます。
また、Aさん所有の車はAさんの管理権が及ぶ場所であることから、本件捜索・差押は「逮捕の現場」(刑事訴訟法220条1項2号)で行われたといえます。
以上より、警察官による捜索差押えは逮捕(現行犯逮捕)に伴う捜索差押えとして適法であると考えられます。
【覚醒剤取締法違反(所持)の罪とは】
覚醒剤製造業者、覚醒剤施用機関の開設者及び管理者、覚醒剤施用機関において診療に従事する医師、覚醒剤研究者並びに覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者のほかは、何人も、覚醒剤を所持してはならない(覚醒剤取締法14条)。
覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する(覚せい剤取締法41条の2)。
覚醒剤取締法41条の2における「みだりに」とは、社会通念上正当な理由が認められないことをいいます。
また、覚醒剤取締法41条の2における「所持」とは、覚醒剤を自己の実力的支配内に置くことをいいます。
ですから、言葉通り覚醒剤を手に持っている状態でなくとも「所持」しているとみなされることがあるのです。
刑事事件例では、Aさんは車内に覚醒剤の入った粉末10袋を持っており、このAさんの行為は「覚醒剤を、みだりに、所持」(覚せい剤取締法41条の2)する行為に該当します。
また、Aさんは正当な理由なく覚醒剤を所持しています。
よって、Aさんには覚醒剤取締法違反(所持)の罪が成立すると考えられます。
そして、警察官はAさんを覚醒剤取締法違反(所持)の容疑で現行犯逮捕し、覚醒剤などを差し押えていますが、この現行犯逮捕及びそれに伴う捜索差押えは上述した規範に照らし、適法であると考えられます。
【覚醒剤取締法違反の否認事件】
覚醒剤取締法違反(所持)の罪が成立するためには、覚醒剤を自己の実力的支配内に置くことを認識・認容している(故意がある)ことが必要です。
このとき、覚醒剤取締法違反(所持)の罪の故意の認定には、「積極的にこれ(※覚醒剤のこと)を自己又は他人のため保管する意思の有無又はその行為の目的、態様の如何を問わない」と考えられています(昭和31年2月2日東京高等裁判所判決)。
そのため、例えば、自分は覚醒剤を保管するのを拒んだにもかかわらず、他人が勝手に置き去ったという事情があったとしても、覚醒剤を自己の実力的支配内に置くことを認識・認容しているため、覚醒剤取締法違反(所持)の罪が成立するのに必要な故意があったと判断されることになります。
刑事事件例ではAさんは、この覚醒剤は自分のものではないと主張しているところ、Aさんが覚醒剤取締法違反(所持)の罪の故意を否定するためには、例えば自分は覚醒剤が車にあることを全く知らなかったというように覚醒剤を自己の実力的支配内に置くことを認識・認容していなかったと主張する必要があると考えられます。
実際にAさんがどういった認識であったのか等の事情をすり合わせながら取調べに対応していく必要があり、こういった覚醒剤取締法違反の否認事件には、薬物事件に関する専門的な知識が必要であるといえます。
だからこそ、刑事事件に強い弁護士によるサポートが必要であるといえるでしょう。
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覚醒剤取締法違反で現行犯逮捕・捜索差押えされた場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。
職務質問中に公務執行妨害罪で現行犯逮捕
職務質問中に公務執行妨害罪で現行犯逮捕
職務質問中に公務執行妨害罪で現行犯逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
自動車を運転していたAさんは、愛知県名古屋市南区の路上で、覚醒剤取締法違反の疑いがあるとして、愛知県南警察署の警察官により職務質問を受けました。
その際、Aさんは「職務質問って任意でしょ。応じないよ。」と言いましたが、警察官から約30分間にわたり職務質問に応じるように説得を受けました。
警察官の職務質問に苛立ったAさんは、乗っていた乗用車のドアを職務質問した警察官に押し当ててしまいました。
Aさんは警察官の職務を妨害したとして公務執行妨害罪の容疑で逮捕されました。
その後、車内の捜索差押えが行われ、車内からは注射器108本と覚醒剤の入った粉末10袋などが見つかりました。
そこで、Aさんを覚醒剤取締法違反の罪で現行犯逮捕され、注射器108本と覚醒剤の入った粉末10袋の捜索差押えも受けました。
Aさんは、この覚醒剤は自分のものではないと主張しています。
(2020年11月5日に神奈川新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【公務執行妨害罪とは】
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する(刑法95条)。
公務執行妨害罪の「暴行」とは、公務員に向けられた物理力の行使をいうと考えられています。
刑事事件例では、Aさんは乗っていた乗用車のドアを職務質問した警察官に押し当てています。
このAさんの行為は、公務員に向けられた物理力の行為であるとして、公務執行妨害罪の「暴行」に該当します。
また、公務執行妨害罪の「職務」は適法であることが必要です。
これは、公務執行妨害罪は公務の適正な執行を保護するために規定されているからです。
ところで、刑事事件例では、Aさんは「職務質問って任意でしょ。応じないよ。」と明言していたにも関わらず、警察官はAさんに職務質問に応じるよう説得行為を続けています。
この警察官による職務質問とそれに伴う説得行為は許されるものなのでしょうか。
公務執行妨害罪の「職務」の適法性との関係で問題となります。
【職務質問とは】
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる(警察官職務執行法2条1項)。
職務質問では、「停止させて」(警察官職務執行法2条1項)質問することができると規定されています。
この職務質問の「停止」(警察官職務執行法2条1項)は、任意に停止することを意味します(刑事訴訟法197条参照)。
しかし、任意の停止といっても、必ずしも自発的に職務質問に応じる必要はなく、職務質問に応じるよう一定程度働きかける説得行為は許されます。
犯罪の予防・鎮圧に重要な役割を果たす職務質問の実効性を高めるため、このように考えられているのです。
一般的に使われる任意の意味と刑事訴訟法上における任意の意味の違いに注意が必要です。
また、この職務質問は、その必要性が認められ、具体的状況の下で相当と認められる限度において許されます(刑事訴訟法197条参照)。
刑事事件例の職務質問は、覚醒剤取締法違反の容疑という重大犯罪の嫌疑があるAさんに対して行われているものであり、職務質問を行う必要性はあると考えられます。
また、職務質問も時間にして30分間という比較的短時間で行われており、職務質問として相当な範囲内にあると考えられます。
さらに、上述したように、職務質問は任意に停止させることができ、この停止には一定程度の説得行為も含まれることから、刑事事件例のような警察官による説得行為も許されると考えられます。
よって、刑事事件例における警察官による職務質問は適法である(許される)と考えられます。
そして、この公務執行妨害罪の適法な「職務」に対して「暴行」を加えたAさんには公務執行妨害罪が成立すると考えられます。
【現行犯逮捕とは】
現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる(刑事訴訟法213条)。
現行犯逮捕が「逮捕状なくして」(刑事訴訟法213条)許される理由は、現行犯逮捕される者が犯罪を犯したことが明白で、誤認逮捕のおそれがないからです。
そのため、現行犯逮捕の要件としては、①現行犯逮捕される者が犯人であることが明白であること、②現行犯逮捕の場所が犯行現場ないしその延長とみられる場所であることが必要とされます。
刑事事件例では、Aさんは公務執行妨害事件の犯人であることが明白であり、現行犯逮捕は公務執行妨害事件の犯行現場で行われています。
よって、警察官による公務執行妨害罪の容疑での現行犯逮捕は上記要件を満たした適法なものであると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
職務質問中に公務執行妨害罪で現行犯逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。